表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

配信者デビューの準備

ゆるくやっていきます


「よし、これでアバターの設定は...」


めぐりはパソコンの画面を見つめながら、マウスを動かす。StreamVerseのアバター作成画面には、銀色の長い髪を持つ狐耳の少女が表示されている。普段の自分よりも少しだけ背が高く、黒いスーツに身を包んだ姿。胸元には小さな狐の紋章のブローチ。


「商人っぽく、でも親しみやすく...」


アバターの表情設定を確認しながら、めぐりは異世界で出会ったインドラのことを思い出す。あの少女の、人を惹きつける不思議な魅力。それを自分なりに表現できたらいいのに。


スマートフォンには、担当編集さんからの新しいメッセージが届いている。


『企画書、まだかな?』


「ごめんなさい...でも、今度こそいいものができそうです!」


めぐりは返信を送り、机の上に広げたネームを見る。異世界での出来事を基に、設定を少し変えて描き始めている。主人公は現代の女子高生で、祖母の遺品の万年筆から不思議な力を得て...。


「リアルすぎる設定は避けないと」


手帳を見つめながら、めぐりは考える。この手帳の秘密は、まだ誰にも話せない。でも、創作として昇華させることはできる。それに、StreamVerseでの配信を通じて...。


「配信テストをしてみようかな」


めぐりは配信ソフトを起動する。画面には「キツネザカ・トレード」のアバターが表示される。声量のテスト。表情の確認。背景には、さっき描いたバザール区のラフスケッチを配置。


「こんにちは、キツネザカ・トレードです」


自分の声が、アバターの口の動きと連動する。少し緊張しながら、めぐりは練習を続ける。


「今日は、異世界商人になるまでの物語を...あ」


その時、手帳が微かに光る。開いてみると、新しい文字が浮かび上がっていく。


『商人見習い許可申請書』


その下には、先ほどまでなかった印鑑の跡。「商人ギルド東街道支部」の文字と共に、狐の紋章が刻まれている。


「これって...」


窓の外を見ると、小さな金色の月が、まるでウインクするように瞬いた気がした。


めぐりはスケッチブックを手に取る。漫画のネームに新しいページを追加しながら、心の中でつぶやく。


「次はいつ会えるかな、インドラ」


配信画面に目を戻すと、チャット欄に最初のコメントが。


『新人Vライバーさん?応援してます!』


アイコンは、黒猫のシルエット。


めぐりは深呼吸をして、マイクに向かって話し始める。


「はい、これから頑張ります! 異世界と現代を行き来する商人の物語、聞いてください!」


画面の向こうで、黒猫のアイコンが新しいコメントを投稿する。


『面白そうですね。商売の経験はありますか?』


「実は、まだこれからなんです。でも...」めぐりは手帳を握りしめる。「これから、たくさんの経験を積んでいきたいと思います」


『楽しみにしています。商売の極意、お教えしますよ』


その言葉に、めぐりは不思議な既視感を覚える。まるで、母の漫画に出てきた黒猫のように...。


「ありがとうございます! では、自己紹介から始めさせていただきます。私の名前は...」


そうして、めぐりの新しい物語が、静かに幕を開ける。

ここになに書けばいいのかわからん。

とりあえずトイレ行きたい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ