操作係のケイナさん
※この「ケイナ」の本気は一般的な神の無量大数乗よりも上です。
「操作」
機械・帳簿・数式・資金など、道具や仲立ちになるものを役立て働かせること。
魔導士(悪)「では早速、このゴーレム達を用いて、勇者が通るであろう村の壊滅をお願いします」
「いいですか?ゴーレムを操作している貴方は隠れていること」
「例え勇者がゴーレムを倒したとしても、ゴーレムはまた生成できます」
「ただし!装置だけは絶対に壊してはいけませんよ!」
ケイナ「了解で~す」
・・・・・・
「・・・さてと、村に行く前に、1回試運転して・・・」
ゴゴゴゴ・・・
ゴーレム「・・・・・・」
ケイナ「走ってみて」
ゴーレム「・・・・・・」
ケイナ「・・・いや、走れないの?」
「じゃあ、ジャンプ」
ゴーレム「・・・・・・!」
ケイナ「おっ、これは使えそうだねー・・・」
{ケイナ、使い方を模索中・・・}
2時間後・・・
ケイナ「よーし、つまりはこれが1番効率がいいわけだ」
「それじゃ、さっそく・・・」
魔導士(悪)「あのー???」
ケイナ「ああ、魔導士さん?今から行くところですよ」
魔導士(悪)「遅いわ!もう勇者着いてますけど!!!」
ケイナ「へぇー・・・以外に早いんですね」
魔導士(悪)「早いんですね、じゃない!」
「全く・・・!」
ケイナ「・・・じゃあ、今から行っても良いですけど・・・」
魔導士(悪)「今から・・・!?それじゃあ、魔王軍がバカみたいじゃないですか!」
ケイナ「・・・だったらまぁ、夜とか?」
魔導士(悪)「夜・・・寝込みを襲うにしても、ゴーレムは目立ちますけど?」
ケイナ「大丈夫大丈夫♪いい考えがあるからね~」
魔導士(悪)「・・・ああ、そうですか」
「じゃあ良いですよもう、夜にでも今からでもいいから行ってきてください」
ケイナ「了解で~す♪」
・・・・・・
深夜
ケイナ「さてさて・・・と」
「村には見張りが2人ほど・・・」
「・・・まあ、関係ないけどね」
・・・・・・
見張り「ふわあ・・・っと、いかんいかん!」
「眠っちまったら、見張りとしての意味が・・・」
ストン・・・
「・・・な・・・い・・・」
バタッ
見張り「ん?お、おい!だいじょ・・・!」
ストン・・・
{ケイナは、見張り達に手刀を放った}
見張り「う・・・」
バタッ
ケイナ(さてと・・・生成!)
ゴゴゴゴ・・・
(とは言っても、最初は腕だけ・・・)
(・・・さてと、1人ずつ運ばないとねー・・・)
{ケイナ、勇者御一行以外の住民を運び中・・・}
「あらかた集めたし・・・」
「出てきていいよー!」
ゴゴゴゴ・・・!!!!!
ズドーン!
勇者「うわっ!?な、なんだ!?」
魔法使い「今の音・・・敵襲!?」
勇者「みんな起きろ!」
・・・・・・
ゴーレム「・・・!!!」
勇者「ゴーレム・・・!魔王軍の仕業か!」
「みんな、行くぞ!」
ケイナ「はーいストップ」
弓使い「む・・・!なんだ君は・・・!?」
ケイナ「向かおうとしている所悪いんだけどさ・・・」
「村を壊滅させなきゃいけないからさーおとなしくしてくれない?」
剣士「村を壊滅・・・!?」
勇者「そうかお前・・・!魔王軍の手下だな!」
「ゴーレムを使って、俺達もろとも村を滅ぼす気か!」
ケイナ「だーから違うって、別に君達を殺すとかそんな気ないよ」
「まあ、このまま阻止する気なら・・・」
「多少の犠牲は出ても、仕方ないけどね?」
パチンッ!
ゴーレム「・・・!!!」
ヒュンッ!
魔法使い「・・・!ゴーレムが投擲してきた・・・!」
ズドーン!
弓使い「アレは・・・骨・・・!?」
ケイナ「埋まってた骨、勝手に掘り起こしたのは悪いと思うけど・・・」
「次、それと同じことを生身の人間でやるよ?」
勇者「なっ・・・!?」
ケイナ「良いの?投げられた人死んじゃうよ?」
「君達は死なないかもしれないけど・・・村人はね?」
勇者「卑怯な・・・!」
剣士「・・・そういえば、住人の気配が全くしないぞ・・・!」
魔法使い「えっ!?」
ケイナ「ご名答、みーんなぐっすり眠ってるよ」
「捕らえられてる状態でね」
勇者「なんて卑劣な奴だ・・・!」
「正々堂々と勝負する気はないのか!?」
ケイナ「勝負?君達と戦う気はないってさっき言わなかった?」
「ただ村が壊滅されればいいから、この村ぶっ壊して終わり」
「住人は言わば、邪魔になる存在・・・」
「だから事前にこうやって、村の外に出してるんだよ?」
「むしろ、今の段階で殺してないんだし、感謝されたいくらいだよ」
勇者「くっ・・・!」
剣士「どうする・・・?相手は、かなりの手練れに見えるぞ・・・」
弓使い「放っておけばこの村は滅びる・・・」
「しかし、我々が手を出せば、村の人達がか・・・」
魔法使い「どうすんの・・・戦いながら助けるなんて不可能よ・・・」
勇者「・・・・・・」
(向こう側に乗ったら、村の人は助かる)
(でも、この村は無くなって、村の人が住む場所もなくなる・・・)
(それに、俺達が魔王軍の行いを見過ごしたことにだってなる・・・)
「・・・くそっ・・・!どうすれば・・・!」
ケイナ「どうすればって、そりゃあ村から離れた方が賢明でしょ」
勇者「けど・・・って、うわあ!?」
弓使い「いつの間に・・・!」
ケイナ「ほらほら、出口は向こうだから、離れておきなよー?」
「巻き込まれたくないでしょ?」
剣士「・・・・・・引くしか、ないか」
「みんな、このまま村の外に出るぞ」
魔法使い「っ・・・」
勇者「それじゃあ、この村は・・・!」
剣士「考えてもみろ・・・!俺達だけじゃ、ゴーレムは倒せても村の人は救えない!」
「それに、俺達が誰一人アイツの気配に気づかなかった・・・」
「・・・どう考えても、勝てない」
弓使い「・・・確かに、そうかもしれん」
勇者「お前まで・・・!」
弓使い「村なら再興すればどうにかなるかもしれんが・・・」
「人の命は、戻る事は無い・・・」
勇者「っ・・・・・・!」
ケイナ「そうだねぇ・・・♪命は尊いものだからねぇ・・・♪」
魔法使い「・・・悔しいけど」
「外に出ましょう・・・」
勇者「・・・くそぉ!!!」
「・・・絶対に、絶対に許さないからな・・・!!」
ケイナ「そうだねぇ~でも、怒りの矛先は魔王軍に向けないとね~」
「だって私・・・ただの雇われの身だし~」
弓使い「雇われた・・・だと・・・!?」
「貴様・・・!それでも人間か!」
ケイナ「悪の道を進む人間くらい珍しくないよ」
「じゃあそういう事で、破壊開始ー!」
(10分後・・・)
ケイナ「ある程度片付いた所だし・・・」
「はーい、もう降ろしていいよー」
ゴゴゴゴ・・・
「あそこに村の人いるから、自由に回収してね」
勇者「・・・・・・無事なんだろうな!」
ケイナ「もっちろん!保障はするよ」
「後、これ宿代」
ポイっ
「まあ、次はゆっくり休んでおくといいよ♪」
「こんな村なんか忘れてさ♪」
・・・・・・
魔導士(悪)「私の部下に確認させましたが・・・」
「確かに、村は壊滅したようですね・・・」
ケイナ「うんうん、そうでしょ?」
魔導士(悪)「ですが、聞いた話によると、勇者と戦わなかったそうですね」
ケイナ「当たり前じゃん、だって村が目的だし」
魔導士(悪)「何故戦わないのですか!」
「あそこで倒せたかもしれないでしょうに!」
ケイナ「は?何言ってんの?」
「戦わないに決まってんじゃん」
魔導士(悪)「・・・ふん!怖気づきましたか」
ケイナ「んーん、違う」
「だって私は・・・」
「君達が一時的に雇った、操作係のケイナさんだよ?」
・・・・・・
魔導士(悪)「あのケイナという女・・・なんなんですか・・・」
「闇の力に魅了されたわけでも、人を恨んでいるわけでもない・・・」
「まさか、王国の内通者・・・!?」
「であれば、私が彼女の後を・・・!」
ケイナ「追わなくていいからさ、そういうの」
魔導士(悪)「・・・!?」
ケイナ「お前は気にしなくていいんだよ、そんなくだらない事さ」
魔導士(悪)「貴方は、いったい・・・!?」
ケイナ「あ、やっぱその口閉じとこ、ウザい」
魔導士(悪)「ひっ・・・!」
ケイナ「殺演」
魔導士(悪)「ガッ・・・・・・アッ・・・・・・」
ドサッ・・・・・・
{魔導士の身体が崩れ落ちる}
{生命はもう、存在しなくなってしまった}