誘導係のケイナさん
※この「ケイナ」の本気は一般的な神の無量大数乗よりも上です。
「誘導」
人や物を誘って、ある場所・状態に導くこと。
「さてさて・・・誘導係に任命されたのはいい・・・のだけれど」
「なーにー?この内容は?」
~初心者冒険者の為のガイドさんをよろしくお願いします~
冒険者の安全を第一に考え、なおかつ倒しやすい魔物などは残すこと!
※怪我人1人につき天引きいたします。
「新手のブラック感満載・・・」
「お金払いたくないにしても、もうちょっとやりようはあるはずなんだけどな~・・・」
「・・・まあ、任命された以上は、やるけどね~」
・・・・・・
「はいはーい!今回皆さんの案内役を務める、ケイナだよ~」
「・・・じゃあまず・・・どこに行きたいですか?」
初心「へ?」
ケイナ「いやいや、へ?じゃないですよ」
「手っ取り早く強くなりたいなら、地下に」
「ただ単に冒険感を味わいたいなら、平原に」
「あ、何なら魔王のいるところでもいいですけど」
初心「何言ってんの怖・・・」
「ま、魔王って・・・冗談ですよね?」
ケイナ「いや、行けますよ?」
!?!?!?!?
初心「い、いやぁ~・・・別に、魔王とか、そんなに・・・」
「そ、そう!そんなのより、平原とか、森とか・・・」
ケイナ「森・・・あ、そうだ!」
・・・・・・
「ご到着~」
「この森には、ゴブリンから木の魔物、それから巨大な虫が出てくるけど・・・」
「比較的倒しやすいから、大丈夫!」
「ただ、この森を抜けた先にある湖畔、そこには近づかないようにね!」
・・・・・・
(うんうん、順調そのものだね~)
(・・・あれ、一人いないような・・・)
「ストーップ!」
「グループにいたあの戦士、何処に行ったか見てない?」
初心「え?そういやアイツ、寄り道してから戻ってきてねえ!」
ケイナ「オーケー!探してくるから皆は待っておいてね!」
・・・・・・
(寄り道ってなると・・・進んできた道の何処かで曲がったという事・・・)
(となれば・・・)
戦士「むぐー!むぐぐー!」
ケイナ「・・・はあ、やっぱりか」
「ていっ」
植物魔物「オーボボボウ・・!!?!?」
「オエッ!」
戦士「うわっ!?」
「はぁ・・・やっと出れた・・・」
ケイナ「はいはい、寄り道するからこーなるの」
戦士「げっ・・・す、すみません・・・」
・・・・・・
ケイナ(ひとまずひと段落したっぽいし、着いたらあとは戻って・・・)
バチバチバチ! ガキン!
「・・・え、接敵中?」
「急ぐよ!」
戦士「あ、はい!」
・・・・・・
初心「くそ・・・!キリがねぇ!」
「大丈夫?回復するよ!」
「こんなの聞いてねえぞ・・・!」
ケイナ「お待たせ、大丈夫!?」
初心「ケイナさん!この魔獣達、突然現れたんです!」
ケイナ(魔獣・・・!?てことは、外部から入ってきたという事・・・)
(あぁ~!仕事が増える予感、なんだけども!)
「オーケー!手っ取り早く片付けちゃうよ!」
ダッ!
初心「ええっ、早っ!?」
ケイナ(最終的な解決方法は、この騒ぎの元凶をどうにかする事!)
「悪いけど・・・ビギナーズラックの供物になってもらうからね!」
【疾走・供物ノ横文字】
|魔獣達の身体は、一瞬の内に切り裂かれ、地面に伏した|
「・・・よし、こんなものかな」
初心「・・・今の、見えたか?」
「いや・・・全然」
ケイナ「それじゃ、その魔獣達は回収してと・・・」
「ここに転移陣を設置して・・・」
「みんな~こっちに来て、転移するから」
初心「・・・なんか、どっと疲れたなぁ・・・」
「・・・まあでも、経験にはなったよね!」
「ケイナさんも、凄い強かったし!」
「・・・そうだな」
ケイナ「ご到着~」
初心「・・・あれ、ここどこだ?」
ケイナ「ここは・・・魔王城の地下2階!」
初心「え・・・・・・」
「ええーーーーー!?」
ケイナ「で、此処にいるのが、光魔法の使い手、ヒールア姫」
初心「ええーーーーー!?」
ヒールア「・・・あ、あのう・・・あなた方は・・・」
ケイナ「早速で悪いんだけど、この子達に回復魔法かけてあげてくれない?」
「どこにも怪我が見当たらない感じでさ」
ヒールア「は、はあ・・・」
初心「ま、待ってくれ!」
「ケイナさん!アンタは一体・・・」
ケイナ「ん?私?」
「今の私は・・・」
「初心者である君達の、誘導係のケイナさんだよ?」
・・・・・・
初心「本当だって!俺達は魔王城でお姫様に・・・」
ゴロツキ「ガッハハ!嘘つけ!夢でも見てたんじゃねーのかー?」
「そうそう、大体俺達より弱いお前らが魔王城になんて行けるわけねーもんなー?」
初心「本当なんだよ!」
ケイナ(・・・魔王城は刺激が強すぎたかな~)
(まあいいや、魔獣が出てきたから悪いんだよ)
(実際、犯人である魔王の使いはもう殺しちゃったし)
(もし次に何かになれるとしたら・・・面白いものが良いなー♪)