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故郷
しょぼい故郷が嫌いで
ずっと都会に憧れてた
ひとつひとつのビルの明かりが
大きな夜景を生み出す
とてもきらきらしていて
目を奪われた
でも、故郷の素朴な家の明かりには敵わない
なぜだろう
あの温かさは見るだけでほっとする
ひとつひとつの店が
大きな街を生み出す
なんでも揃っていて
目移りした
でも、故郷の小さなスーパーには敵わない
なぜだろう
あの品数の少なさがちょうどいい
ひとつひとつの料理が
レストランを生み出す
どこの国の料理だって
食べることができる
でも、故郷の母の料理には敵わない
なぜだろう
あの味は誰にも出すことはできない