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Heart  作者: 平瀬 明日
24/33

故郷


 しょぼい故郷が嫌いで

 ずっと都会に憧れてた


 ひとつひとつのビルの明かりが

 大きな夜景を生み出す

 とてもきらきらしていて

 目を奪われた


 でも、故郷の素朴な家の明かりには敵わない

 なぜだろう

 あの温かさは見るだけでほっとする


 ひとつひとつの店が

 大きな街を生み出す

 なんでも揃っていて

 目移りした


 でも、故郷の小さなスーパーには敵わない

 なぜだろう

 あの品数の少なさがちょうどいい


 ひとつひとつの料理が

 レストランを生み出す

 どこの国の料理だって

 食べることができる


 でも、故郷の母の料理には敵わない

 なぜだろう

 あの味は誰にも出すことはできない


  

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