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背中
一歩後ろで
あなたの背中を見続けてきた
その背中は物語る
本当の喜びも悲しみも知っていると
経験を背負うあなたの背中は
たくましくて頼もしかった
ずっとその背中を見続けていられると思っていた
でも、独り立ちする日がやってきた
一歩ずつ
前へ進んでいこうと決意した
私の背中は震えている
恐れとすすり泣きで
全てを知りつくすあなたが
恋しくて仕方がなかった
いつか会えるとずっと信じている
でも、年の差だけ先にいるあなたは背中さえ見えない
あなたを越えたいと
走ってもあなたには追いつきもしない
あの頃のあなたと同じ年の私は
何かを背負えているのだろうか