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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六
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対中作戦概要

 作戦概要を聞いたのは作戦開始の一日前だった。作戦概要説明は、美良海将補から直々に説明されると言う事であった。

 「ヒトハチマルマルに会議室に集合してくれ。」

 そう言うと、美良海将補は一旦席をはずした。雅人はどこかまわりくどさを感じたが、口にはしなかった。そしてヒトハチマルマル(18:00)を向かえた。既に作戦に参加する隊員のほとんどが着席していた。そして、警務隊4人の警備する厳重な場所で、作戦内容が伝えられた。

 「諸君らに集まってもらったのは、他でもない。目に余る中国海警局及び中国海軍の、我が国への主権侵害に対して、我々自衛隊は専守防衛を先攻防衛に切り替えざるを得ない情勢が続いているのは、諸君に言うまでもない。先日の統幕会議(統合幕僚会議)において、対中作戦の是非が問われた。すると、陸上幕僚長、航空幕僚長、海上幕僚長、統合幕僚長の4人が異議無し、つまり対中作戦の許可がおりた。無論、内閣総理大臣及び防衛大臣の許可はおりている。勿論、これは自衛隊史上初めての海外国家への武力行使である。そこを踏まえて上手に作戦を行う様に伝えられた。そこで、各部隊で作戦内容のすり合わせを行った。その結果、陸上自衛隊が後方支援海上自衛隊及び航空自衛隊が攻撃の核となり作戦を行う事が決定した。我が海上自衛隊第5航空郡は地理的特徴もあり、最前線で敵を哨戒する事になった。防衛上全機を出す訳には行かないが、6~8機は出したいと思っている。特殊作戦だが、特別な事をする必要はない。今回の作戦目的は、あくまで我が国領海に領海侵犯してくる中国海警局と中国漁船の排除と言う、名目で行うという事を忘れるな。私からは以上だ。詳細は布良一佐から聞いてくれ。」

 そう告げると、布良一佐が前に出てきて出撃する部隊が告げられる。その中には勿論雅人の部隊も含まれていた。

 確かに最近の中国の海洋進出は著しいものがある。警告射撃しか出来ない海上保安庁の負担を軽減させる為にも、尖閣および日本の領海で活動する中国海軍の艦艇(潜水艦含む)や中国海警局及び不審船の取り締まりの為の武器使用は、法的には問題ないはずであり、武器を使用しなかったこれまでの体制が緩いとも言えるだろう。

 日本がこうした行動に出れば、中国の事であるから、必ずや報復に出るだろう。それは、陸海空各幕僚長及び統合幕僚長もおり込み済みである。その報復こそが日本の防衛を担う統合幕僚長や、司令官の狙いであった。あくまでも我が国が仕掛けた様に見せて、どっちもどっちであった、と言う状況を作り出したかった。ただそれだけの事である。勝てるか否かと言う事では無いのだ。日本には、米国と言う大きな後ろ楯がある。それがなければ、この作戦は成り立たない。

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