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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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クライシスプラン

 緊急時には当然の事ながら、脱出を試みる事になる。しかし、無事に脱出出来たとしても、多くの場合そこは海上である。ではそう言った緊急脱出をして、海上に放り出されてしまった場合、一体どのようにして、救助を待てば良いのだろうか?

 まずズボンを脱ぐ、そしてそのズボンに空気を入れ(海面に叩きつけ)、ライフジャケット代わりにする。勿論、ライフジャケットを着用出来ればそれに越した事は無いが、長時間待つ事を覚悟せねばならない事を考えると、水面にずっと浮いていなければ助けは見つけられない。そして、タオルや布を腰に巻き付ける。これは、(フカ)鮫対策である。鱶は、自分よりも大きいものは襲わないと言う習性があり、その為に行うものである。後は、出来るだけ体力の消耗を避けて、ひたすら救助を待つのみである。

 信号弾等があれば、それも使う。通信の手段が無い以上はこうしたアナログな手法を用いるしかない。通常は、機体に何かあれば仲間の隊員が異変をキャッチし即座に調べる。レーダーや通信が途切れれば、墜落の可能性をいの一番で検討するからだ。

 勿論、これはあくまで理想論にすぎない。緊急時にこのような対応が毎回出来るとは限らない。残念ながら救助を前にして、溺れ命を落とす可能性の方が高い。それが現実だ。人間にGPSは普通ついていない。その為、捜索のポイントはレーダーがロストした所と言う事になる。

 とは言え、いくら海上自衛隊が海のプロフェッショナルと言っても、彼等には海上保安庁の様な救助能力はない。無論、海上自衛隊には有人の救助用飛行艇はある。が、それらはあくまで最悪の時に使用する最後の切り札である。

 いざとなれば、自分の身は自分で守ると言うのが自衛隊員のルールであり、常識である。どんな状況下においても、生き残ると言う強い覚悟を自衛隊員は持ち合わせている。スマートなだけでは船乗りは務まらない。絶対的な生き残る意思を最後まで持つ必要がある。と言うのは簡単だが、自衛隊員はそれをきちんと実行しているから大したものである。

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