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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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極超音速ミサイルの威力

 「敵潜はもういないか?1隻でも見逃すな!」

 「レーダーに映っている敵艦船及び航跡はありません。」

 「機長、ハープーン対潜ミサイル6基です。」

 「かなり消費したみたいだな。しかし、米艦隊には傷一つついてない。武器は使ってナンボ。だから仕方無い事だな。ネザはどのくらいだ?」

 雅人は燃料残量(ネザ)を部下に聞いた。

 「あと2時間程でエンプティ(空)になります。」

 「よし、後は残りの部隊に任せよう。ネザが無くなれば哨戒どころではないからな。」

 と、そんな会話をしている時の事だった。大きな爆発音が響いた。雅人は直ぐに状況把握に努めた。被弾したのは、どうやら米国海軍の駆逐艦「マキャンブレスト」であった。無論、雅人達の哨戒には何の落ち度もなかった。

 突如現れた、かなり遠方からの極超音速ミサイルをマキャンブレストがまともに受けた形であった。

 「案ずるな。あの極超音速ミサイルは哨戒は難しい。我々の畑違いの相手だな。」

 雅人は燃料補給の為、現場を離れる旨を英語で米国海軍空母オペレーションルームに通達した。そして、鹿屋基地に帰還した。作戦自体は成功であった。それに戦いはまだ終わった訳では無い。未だに中国軍の拡張を完全に制圧しているとは言えず、マキャンブレストを大破させた極超音速ミサイルの様な新兵器も出て来て、楽観視出来る様な状況ではなかった。不幸中の幸いと言えるかもしれないが、マキャンブレストの乗員に死者は出なかった。

 雅人はあの極超音速ミサイルが、自分達に向けられていたとしたらと思うと、ゾッとした。あの兵器なら、足の遅い固定翼哨戒機はひとたまりもなく、撃墜されると思ったからである。部下の命を守る為にもスピードが遅いと言う弱点をカバーする何かを早急に見つける必要があった。

 雅人は、江川海将補への報告を終えると、久し振りに自宅(とは言え安アパートではあるが…)に戻る事にした。実に2ヶ月ぶりの事であった。帰って休めと命じたのは江川海将補であった。

 毎日、P-3Cで10時間近くフライト8時間休んで機体の整備をしてまたフライト。家に帰る間も休みも無く、鹿屋基地に泊まり込みをしていた。

 そんな中でのつかの間の休息は非常にありがたかった。雅人は飯もろくに食わずぐったりベットにダイブした。

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