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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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対岸の火事

 予想以上に中国海軍と北朝鮮陸軍のコンビネーションは脅威であった。北朝鮮のウィークポイントは海軍と空軍戦力の不足である。そのウィークポイントを中国軍にカバーしてもらうことで、北朝鮮は地上戦に集中出来た。

 とは言え、現場レベルで中国と北朝鮮がどれ程のコミニケーションや連携が取れているのかは、不確かであった。それでも、中・北連合軍は日米韓の着実な脅威としてマークしておく必要は、あった。更に厄介なのが、北朝鮮の特殊ゲリラ部隊である。

 この部隊によるテロは、日米韓の最重要防衛課題であったが故に、今になってその脅威が噴出しても、何の驚きも無かったが、対処にあたってはそれなりの時間を擁した。

 米国はこの事態を打開する為、米国陸軍2個師団と海兵隊1個師団を、米国本土から追加派遣し様子を見る事にした。総合的には中・北よりも、日米韓の方がやや優勢だが、予断を許さない様な状況であった。

 中・北の狙いとしては、米韓を屈服させられれば御の字である。国際社会におけるイニシアティブを取りたいと言う安易な狙いであった。ただそこに、国内のガス抜きが存在していて、この勝てるか分からない戦争を戦う事で、それらの不安定要因を安定化させる事を主目的としていた。

 ただ、中・露・北は勝ち目が薄い事を理解するには、時間はかからなかった。状況が少しでも優勢に傾いた所で即講話。だが、戦況は芳しくない。押され気味ではあるが、大量破壊兵器をつかえる中・露・北にとっては、挽回の余地はあった。

 米国は兵力の逐次投入をしていたが、それでもまだ足りない。となると手一杯な韓国ではなく、まだ余地があった日本にしわ寄せが来るのは自然の流れであった。日本としても朝鮮半島の赤化(共産化)は避けたい所である。対岸の火事かもしれないが、日本としては目と鼻の先で起こっている火事の火の粉が、いつ降りかかって来るのかを気にしなわずにはいられなかった。

 最悪の事態としては日本本土に敵が攻めいる可能性もゼロではない。そうなれば、最早他人事では済まされない。そうなる前に、一気呵成に戦力を投入して事態の収拾を図りたい。と言うのが、日本政府の方針であった。

 この戦争に関わる国家同士の思惑も重なり事態は混沌としていた。戦いは、近郊のとれたまま2ヶ月が経っていた。両軍とも決定打(核使用)を封印したままであった為である。

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