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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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最良の教科書

 日本国内閣総理大臣山沢明(やまざわあきら)は、次の様に語っている。

 「これを機会に自衛隊を国防軍に改めたい。時代はずれの日本国憲法では国を守れない事を10万人の自衛官には、感じてもらいたい。彼等の生きた証言が、少なからず世論にも影響を与える筈である。この朝鮮事変の後こそ、この悪しき押しつけ憲法を変える最大のチャンスである。仮に自衛官の犠牲者が出るかもしれないが、それはある程度予想の範囲内である。それが戦争である。一人の犠牲者も出さず、勝利の栄冠を得られる程戦争は甘くない。厳しい戦いになる事は覚悟している。この朝鮮事変で、きっと日本国民も何か感じてくれるだろう。違憲行為なのかもしれない。しかし、今ここで北朝鮮を叩かなければ、永久にミサイルや核兵器に怯える事になる。責任は全てこの内閣総理大臣である私が持つ。時代錯誤の日本国憲法を後生大事にしてきたツケが表れたのである。国の最も大切な転換期には、必ず戦いが起こる。これは、歴史の示す宿命である。私も内閣総理大臣として、微力ながらバックアップして行きたいと思っている。」

 山沢首相は就任から2年程立つが、依然として内閣支持率は50%以上をキープ。国民の支持はある程度厚いものがあった。最も改憲派であった彼は、この朝鮮事変参戦は改憲の為の布石でもあった。山沢首相にとっては、日米同盟の維持では米国を越えられない。だから、日本を世界最強にするためには、まず憲法改憲。それから軍備増強しコントロールする。

 そう言う野心が山沢首相にはあった。歴代内閣が成し遂げられなかった悲願。それが憲法改憲である。第二次世界大戦の頃のファシズムに似ていなくもないが、結局のところ、世界を牛耳る為には官民協力した軍事力というものは避けては通れないのだ。まぁ、そんな事は、現場の部隊の人間には思い知る事では無かったが、戦いを経験する事は、軍人にとってはこれほどの最良の教科書はないだろう。

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