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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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リーダーシップとは?

 雅人は江田島で、人の上に立つ指揮官のリーダーシップについて、言われた事を思い出していた。当時教官であった浅黒大志(あさぐろたいし)元海将の言葉であった。

 「リーダーシップたるものが具体的にあるのか?と言う各種様々な書籍が出ているが、その全ては"経験則"に過ぎない。リーダーシップとは、経験する事により身に付くものであり、経験則を実践しようと思っても、自分の肌には合わない。だから参考にはなっても、それ以上のものはない。只一つ、人の上に立つ人間は心しておかねばならない言葉がある。(名将は弱兵を強兵にし、愚将は強兵を台無しにする。)リーダーシップとは、正に強兵を生み出す為の戦略の一つであり、リーダーシップのある人間は皆弱兵の扱いが上手い。これは、どんな会社・組織にも言える事である。海上自衛隊の幹部となる君達には、果たしてどの様なリーダーシップが必要なのか?それぞれが考えて欲しいと思う。人に言われて身に付いたものは真のリーダーシップにあらず。艦隊の司令官に成る者もいれば、潜水艦の艦長になる者もいる。航空部隊の指揮官になる者もいるだろう。それぞれに必要なリーダーシップは異なるが、君達新米幹部にとって大切な事は何か?守らなければならないのは、国家だけではないはずだ。戦場に立つ人間には、強さが求められる。弱きを助け強きをくじく。それが武士の務めである。君達は海の侍だ。髷も刀もないが、人の上に立つと言う事の重みを理解した時に、真のリーダーシップとは、何かが分かる筈である。現場で揉まれながら人の上に立った時に、私の問いに自信を持って答える事が出来たならば、それが私の答えだ。リーダーシップとは何か?是非部隊の現場で体感してもらいたいと思う。」

 浅黒大志氏は、きっと現場で身に付いたもの以外はあまり意味を成さない。と言う事が言いたかったのであろうと思う。今、部下を率いる立場に自分はいるが、果たして満足な解答が出来るという自信は無かった。それでも、まだうっすらしたものではあるが、何かぼんやりとしたリーダーシップの影はチラチラと少しずつ見え始めた雅人であった。

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