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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六
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航空技術の基礎基本

 訓練とは言え、この第5航空集団司令部のある那覇基地は、地政学上非常に重要な場所にある。中国や北朝鮮と言った仮想敵国や、その他国籍不明の潜水艦等が好き放題に出入りする場所であり、海上自衛隊の基地の中でも精鋭が配置されてきた海域でもある。

 当然ながら、雅人にも実力が求められた。しかし、実際にコックピットに座り操縦すると、駄目だしのオンバレードで、航空学生とは言っても大した事ねぇな、と言われた。たまたま自衛隊に入るきっかけが航空学生と言うカテゴリーであっただけであり、並みの防衛大学校卒の士官より腕は良い。

 その議論はともかく、自分の操縦技術が通用しなかった現実が、悔しかった。こればかりは何度も搭乗して、身に付けるしかなかった。せっかくこうした最前線に配属されたのだからと、雅人は気合いが入り過ぎていたのかもしれない。船乗りはともかく、航空機は載った時間に実力は比例するのは間違い無く言える。

 現実問題として、エネルギーのほとんどを輸入に頼っている日本の飛行機乗りは、その無駄が許されない。航空自衛隊や、海上自衛隊の航空部隊が北朝鮮や中国空軍にひけをとらないのは、充実した訓練時間を多く確保出来ている為である。機体も米国から常に最新の機体をアップデートしてもらえる環境にある。

 作戦可能機と良質なパイロットを増やせれば、言う事はない。航空兵士の育成は万国共通の課題である。たった5年で副機長をやれと言う方が無理難題であり、雅人の様な20代の若手パイロットは、センスに頼るきらいがあった。それはそれで、ありなのだが、まずは基礎基本。それは誰にでも言える。どんな機種であろうが、座学で学んだ基本を空の上で試す。その繰り返しだったのである。直面する課題は人それぞれだが、とにかく目標を立てて、飛行機に乗る。その中にスパイスとしてセンスを入れるのが、飛行機乗りの実力になる。

 まぁ、今の雅人には、シビアかもしれないが、実力云々よりも、まずは基礎基本を身に付けて欲しかったのだろう。と、横尾三佐は言いたかったのであろうと、察する事が出来る。

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