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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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超法規的軍事作戦

 ロシア太平洋艦隊も黙ってはいない。ロコナトフ大統領は即座に日本及び米国に対して攻撃を加えると通告。前線では、両軍のにらみ合いが続き近代兵器が使われる気配すらしていたのも事実である。

 日本政府はオライオンやPX-1やイージス艦の他に追加で10隻の汎用護衛艦を現場である北海道札幌市に追加派遣を閣議決定した。日米の戦力で主力となるのは、米国太平洋艦隊所属の第7艦隊の2隻の原子力空母である。「エルレ・サンティアゴ」と、「ジョージ・クラリオン」がその原子力空母である。これに空母艦載機約50機と、フリゲート艦5隻、ミサイルフリゲートが3隻、イージス艦が5隻となっており、この米国海軍の戦力を日本の海上自衛隊の護衛艦及び潜水艦が護衛すると言った形で専守防衛を形としては維持したと見せかけた。

 米国も他国の地域紛争によく2隻の原子力空母を派遣したと思うが、相手がロシアとなると、その力の入れ具合が変わったのは、言うまでもない。日米の強力な戦力に対して、ロシアがどこまでこらえられるか、焦点はそこに絞られた。

 空からのサポートもきちんとある。在日米国空軍のF-35やF-22と言った世界最強クラスの戦闘機らも、青森県の三沢基地から発進している。こうした戦闘機達が虎の子の空母2隻の護衛にあたった。

 これだけの戦力を集めてロシアを叩くというのであるから、恐らく単なる偶発的な領土紛争と見る事は適切ではない。日米とロシアによる新時代の覇権争いとも言えるかもしれない。米国側の司令官は、パストライド・ウェンザット海軍大将、日本側の司令官は後田野竜也(ごたのたつや)海将であり、日米連合艦隊司令官にはウェンザット大将が全権を持って臨んだ。

 過去にここまでの大きな日米の共同軍事作戦は類を見ない。米国も、日本も、演習では共闘した事はあったが、お互いの力を問われる実戦でのタッグは未経験であり、未知の領域であった。日米の共同軍事作戦に最も驚いたのは、他ならぬロシアであった。米国の軍事作戦に日本が乗っかるのではなく、日本側はあくまで米国側に支援を求めたと言う形であり、誰も予想出来ない事であった。そのくらい日本の明らかな攻撃姿勢は、日本国憲法第9条に抵触する超法規的な事案であった。

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