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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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堪忍袋の緒

 「我々が領海侵犯した事は確かであるが、戦闘状態を誘発させた訳ではない。少なからず犠牲者も出ている事は揺るがない事実である。ロシアとしては、これ以上の戦火の拡大を広がる事は望んではいないが、損害や犠牲者が増えるようならば日米に対する宣戦布告も検討せねばならない。早急な賠償金の支払いを求む。」

 なんとも無理矢理な主張と言うべきか、論調である。日米両政府としては、こんな横暴を許しては、国際政治は成り立たない。日米両国は、ロシアの領海侵犯に対する正当防衛であり、悪いのはロシア側にあると言う主張を一貫して主張した。

 ロシアとしても日米を相手に勝利を得る事など出来ない事が出来ない事は分かっている。それでも無茶な主張をして、振り上げた拳を何処におろして良いのかと言う事も全く分かっていなかった。日米両国は、領海・領空侵犯に対しては、厳正に対処する方針を打ち出した。

 これに対してロシアは日米両国との国交断絶を宣言。日米とロシアはいよいよ大きな戦禍を交える可能性が出てきた。国際社会はほとんどの国が、日米を支持していた。明らかな領海・領空侵犯に対して日米は行き過ぎた防衛はしていないと言う事である。ロシアとしては世界の声を味方に出来なかったが、これまでのウサを晴らす様に北方四島に陸上・海上兵力を輸送し、まずは日本をこらしめてやろうと、部隊をを送り込んできたのである。

 これに対して日米は北方の守りを強化し、北海道に戦力を集中させた。元々、自衛隊発足の当時最大の仮想敵国はソ連だった。その為北方への部隊展開は慣れたものであった。米国海軍も原子力空母2隻を青森に派遣し、いよいよ日米VSロシアと言う対決は現実味を増していた。過熱した挑発に対して日米両国もこちらとら、いつだって戦うぞと、図上演習を行うなど、緊張は日増しに高まって行くのであった。

 ロシア国防省はついに全軍に対して、対日戦闘準備を下達しいよいよ対ロシア戦争が始まろうとしていた。日本としてはこれ以上の様子見は許されない情勢になった。相手が殺す気満々で来る以上、もう専守防衛等と呑気な事は言っていられない。前線部隊や東京にいる防衛大臣も腹をくくり、覚悟を決めるしか他に方法はない。もう堪忍袋の緒は切れているのだから。

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