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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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ロコナトフ大統領の判断

 翌日、いよいよ対ロシア最前線での、ミッションが始まる事になった。とにかく、絶対に相手を調子づかせてはいけない。

 ロシア海軍駆逐艦「トラノフ」をレーダーで捕らえたのは、雅人の所属する日米航空戦隊のF-2戦闘機であった。全軍に敵勢力の位置が示されてそこに戦力を集中させる。

 既に日米両国も、現場海域で航空戦隊及び海上艦艇に対して、攻撃許可及び海上警備行動の命令が下っていた為、発見したF-2やF-15戦闘機は、「トラノフ」に対して攻撃を加えた。日米両国の20機以上の大編隊の攻撃により、「トラノフ」は撃沈する。海上に投げ出されたロシア海軍水兵は全て捕捉し、捕虜とした。

 まだ「トラノフ」の他にも日本領海内で活動している艦艇がいる恐れがある為、引き続き日米両航空戦隊は、警ら活動を継続した。

 その頃、ロシアの首都モスクワでは、ロコナトフ大統領が全世界に向け記者会見を行っていた。どうやら「トラノフ」の件が大統領の耳に入ったらしい。どうやらロシアはこの戦争に乗り気な様だ。

 だが日本としては、ここは引けない。日本領海内でロシア海軍の艦艇が意図的な悪意を持って領海侵犯をしていた事は、明らかであるし、ロシアとしては攻撃を受けてもやむを得ない事をしているのが、国連を通じて日本をはじめとした西側諸国に報道されていた為、ロシア側に冷ややかな視線が送られていた事は確かであろう。

 さて、日米航空戦隊に同伴していた雅人のオライオン(P-3C)もしっかりと任務をこなしていた。すると、レーダーにはロシア海軍の潜水艦と思われる2隻の国籍不明艦が写っていた。どうやら、この辺りの海域での海上自衛隊の潜水艦はおらず、米国海軍にも確認したところ、米国海軍潜水艦もこの海域にはいないとの事。直ぐにハープーン対潜水艦ミサイルの準備を始めた。

 現場判断だったが、ここは撃ち漏らせない状況になっていたし、ここで何もしなければ、日米両国の国益を損なうかもしれない。その為、雅人は初めて部下に対してハープーン対潜水艦ミサイルを発射するよう命じた。バシューン、バシューン。2発のハープーンは命中した。何故ならレーダーから2隻の潜水艦の反応が消えた為である。

 言っておくが、これは演習では無い。実戦である。その後も、ロシア空軍機による領空侵犯及びロシア海軍の潜水艦による領海侵犯が繰り返された。その度に日米の部隊は高い緊張状態を強いられた。

 無論、日米露3か国の政府としても、これ以上の戦火の拡大は望んではいなかった。そこで、3か国による会談を行う事になるが、その前提条件としてロシアは、500億ルーブルもの賠償金を払えと言って来た。ロコナトフ大統領の声明によるとこうである。

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