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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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グローバルスタンダード

 米中新冷戦の時代にあっても、アジア諸国とりわけインド、北朝鮮、中国は総兵力が100万人を越えており、ロシアも100万人を越えている。こうした状況下で自衛隊の存在は無くてはならないものとなっている事が分かる。こうした現状を踏まえた上で、自衛隊法で定められた予算と人員をやりくりして、日本を守っているのが現状である。

 さて、第2航空集団の哨戒部隊は北方ロシアからの脅威を防衛すると同時に、オホーツク海での流氷観測と言った任務もこなしている。冷戦が終わり、ソビエト連邦は崩壊したが、体制が変わってもロシアの領土的野心は消えていない。我が国固有の領土である北方四島を、日ソ不可侵条約を一方的に破棄し強奪。太平洋戦争終結と同時に日本に宣戦を布告。抵抗力の無い多くの日本軍兵士をシベリアに抑留した。ソビエト連邦がロシア連邦になっても中身の人間までは変わらない。

 中国や北朝鮮への哨戒・抑止がメインであった那覇とは勝手が違うようだ。ロシア機に対するスクランブル発進は航空自衛隊の仕事であるが、北方でのスクランブル発進はそのほとんどがロシア機による領空侵犯がメインである。

 さて、雅人が八戸の海上自衛隊第2航空集団に着任した翌翌日の月曜日。この日は雅人が機長を務める第511飛行隊のメンバーと初顔合わせの日であった。

 「私は桐生雅人。階級は三等海佐で那覇の第5航空集団から転属になった。よろしく。」

 そう言うと10人程のクルーが自己紹介を始めた。階級順に紹介すると、副機長の長嶺良治三等海佐。整備部副長の井山野耕次二等海尉。以下山倉一尉、河村三尉、枝川曹長、猪野沢一曹、唐津川二曹、大沢三曹、山井戸、木村、大倉各士長である。比較的若いメンバーだったが、雅人の若さにみな面を食らっていた様だ。

 本来なら副機長の長嶺を機長にするのが、普通だが、海幕(うえ)の人事に関する決定は、とやかく言えなかった。唯の一度実戦で活躍したからと言って、雅人の様な防衛大学校を出ていない航空学生が27歳の若さで三佐をはっているのは、確かに前例が無かった。とは言え、軍隊(自衛隊)においては、戦績を残している者が星を獲得するものである。それは、帝国海軍の頃からの伝統である。自衛隊も世界標準(グローバルスタンダード)で結果を出した者こそが、上に上に上がって行く事自体は悪い事ではない。

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