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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六


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激動の一日

 第一次攻撃隊の攻撃前に山田内閣総理大臣が、中国側に速やかに接続水域から出る様に、でない場合は攻撃を加える。との事実上の最後通告を行っており、前線の部隊はゴーサインを待っていた。

 旗艦「ちょうかい」は、複数の中国籍の船舶及び軍艦を視認。それを海上幕僚長に報告。次に統合幕僚長に報告され、防衛大臣及び山田内閣総理大臣に報告。ゴーサインが海上幕僚長に下達され、前線にコールサインが送られた。すぐさま、2隻の護衛艦から艦対艦ミサイル2発が発射された。潜水艦からも魚雷2基を発射した。

 装甲の薄い中国海監の船舶は、着弾後爆発炎上沈没した。10分もかからない出来事であった。海上には助けを求める中国人が多数海に投げ出され、2隻の護衛艦が出来得る限りの救助を試みた。最終的に30人以上の中国人が死亡。10人が行方不明、救助をされたのは30人に留まった。こうして、尖閣諸島周辺海域にいた中国海監の船舶はいなくなった。

 当然これは世界中でビックニュースになった。しかし、日本人に批判的な論調は少なく、日本側の"堪忍袋の緒が切れた"とワシントンポストは伝えた。真っ向から反論したのは中国メディアと朝日新聞くらいであった。メディアの口撃合戦ならまだ、可愛げがあったが、事態はよからぬ方向へと向かっていく。

 「これは宣戦布告も同然だ。」

 そう答えたのは、中国外務省の高官である。

 死亡者が出た事により、中国の国内世論は「大中国小日本」、「日本鬼子」と言う声が大勢を占めた。中国は何らかの報復措置を取るべきとの声も多数上がった。心中穏やかではなかったのは米国である。日本が何の相談も無しに戦争の火種を巻いたことに不快感を示していた。

 当事者の日本は涼しい顔をしていたが、マスコミはやかましかった。日中戦争になるかもしれないと、危惧していたようである。日本側の誰もが、これはヤバイぞ。と、中国との決定的な関係悪化は避けられない情勢になるという見方をしていた事は言うまでもない。

 中国が日本をターゲットに空母を使い米国をも巻き込むのか、あるいは核兵器や弾道ミサイルを使い日本を殲滅しにかかるのか、詳細は分からないが大国の思惑が飛び交う事が予想される不安定な情勢になる事は、九分九厘間違いの無い事であった。

 そんな激動の一日が終わろうとしていた。

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