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かげろうのシーマン  作者: 佐久間五十六
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P- 3C哨戒機 オライオン

 「P-3C」この機体は米国ロッキード・マーティン社から日本の川崎重工業によりライセンス生産された海上自衛隊の哨戒機である。初飛行は1962年8月、愛称はorion(オライオン)。初飛行から60年たつが、今尚現役の我が国周辺海域を毎日の様に飛行して、海中に潜む潜水艦や他国軍艦の監視を中心に、日本の領海が侵犯されていないか目を光らせている。最近では後継機のP-1等が主流となって来ているが、日本の海上自衛隊の対潜水艦哨戒作戦能力は、世界トップクラスと言われている。この物語はそんな哨戒機に乗り組む海上自衛官の日々を追うものである。※ちなみにこの物語はフィクションである。

 このP-3C哨戒戦闘機は、米国ロッキード・マーティン社の民間機であった、「エレクトラ」と言う民間機がベースとなった。一機50億から100億円(推定)もする高価な機体であったが、日本はP-3Cシスターズ(EP-3、P-3)を保有する事になった。米国海軍もオライオンによる哨戒監視には積極的で、オライオンはその中核をなした。近年になり、ようやく自衛の為のフレア発射器が装備された。フレアはデコイ(囮)を撒き散らす事で敵ミサイルの赤外線シーカーを欺瞞し、無力化させる兵器であり、対空ミサイルから身を守る為には欠かせないものである。

 そして、この機体にはもう一つ大きな特徴がある。MADと呼ばれるもので、長い尻尾が"かげろう"の様に見える。MADは、長いMADが地球の磁力を探知して、潜水艦のような大きな鉄塊が深海にいても、地球のわずかな磁力の歪みを感知して、潜水艦を見つけるのである。このかげろう(MAD)がP-3Cの高い対潜水艦哨戒能力を支えている。

 この機体はハイテク兵器の塊であるが、アップデートが不可能な機種は随時退役させ、XP-1等の後継機にバトンタッチしているのが近年の流れである。しかし、利用価値は存分にあり、海上自衛隊航空部隊では、訓練機としてもP-3Cを活用したりするなど、試行錯誤(やりくり)が行われている。

 前置きが長くなったが、そろそろ、かげろうのシーマンのストーリーに入って見たいと思う。桐生雅人(きりゅうまさと)27歳。一等海尉は、航空学生出身のパイロットで、現場に来て8年目の若手エースパイロットで、あった。本来は航空自衛隊のF-15戦闘機に乗りたかったが、合格したのは海上自衛隊の方であった。海上自衛隊にもヘリパイや哨戒機等を操るパイロットは必要であり、全国各地に航空基地が存在する。

 これは、一般の方には理解しがたい事かもしれないが、帝国海軍の時代から、海軍には(陸軍も)航空部隊はあった。現場に雅人がやって来たのは22歳の頃。最初の頃は何でこんな民間機みたいな航空機に乗って哨戒任務をやらなくてはならないのかと、戸惑った雅人であった。

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