第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品
自称偽物コレクター
壺やら皿さら掛け軸の偽物は、つまらない。
こんな物の偽物があったなんて!
とか、これは、果たして偽物と言っていいのか?
ってな、醜悪なほどに秀逸な逸品が極稀にある。
フリーマーケットを物色していて、ふと、見た目は同じ2つの箱入りの目覚まし時計が並べて置いてあった。
店主曰く、『片方は、本物。他方は、偽物。しかしながら、何方が本物なのか?わからない。』
だそうな♪
ナゼ、本物か偽物かわからないとは、どういう事なのか?
そして、『目覚まし時計としては、同じ物』だそうな♪
ただ、『目覚ましが鳴ると違う』のだそうな。
けれど、何方が本物なのか、店主にはわからないのだそうな♪
さっぱり要領を得ないけれども、面白そうなので♪
2つとも買って帰った。
偽物コレクターとしては、本物は、無用なので、偽物を見分けないといけない。
とりあえず、目覚まし時計を鳴らしてみた。
ひろ子ボイス目覚まし時計『起きてぇ〜』
ゆいこボイス目覚まし時計『起きなきゃダメだぞ♪』
確かに、何方が本物で、偽物か、わからない。
世には、この様な逸品がある。
だから、偽物コレクターは、辞められない!