青薔薇の焼却日和
「声劇台本」兼「会話小説」です。
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私個人の規約は以上です。では、ごゆっくりお楽しみください。
追記:SEの有無は任せます。
上演目安時間
〜30分
設定
茅原:女性
なんちゃって死にたがりメンヘラ女モドキ
学校内なら野上がどこにいても見つけ出してくる
高校三年生
野上:男性
テキトー人間
喫煙者。お気に入りはマルボロ赤のソフト
高校三年生
配役表
茅原:♀:
野上:♂:
茅原「やっぱりここにいた」
野上「んぉ?」
茅原(ため息)
野上「どーした?天気のいい日に授業サボってまで殺風景な屋上に来てさ」
茅原(ため息)
野上「おまけに、ドブみたいな顔色してる」
茅原(ため息)
野上「あー、もしかして俺に会いに来たの?」
茅原(ため息)
野上「なんだよー無視ー?」
茅原(一際大げさなため息)
野上「ちょっと?聞こえてるー?もーしもーーし!!」
茅原「うっさい!!何考えてるかくらい察してよ!!」
野上「えー、逆ギレぇ……」
茅原「悪い?」
野上「悪いっちゃ悪いかなぁ…。心臓にさ」
茅原「なんで心臓?」
野上「びっくりしたし」
茅原「ばかっ!!」
野上「えー、理不尽すぎん?」
茅原「ばかぁ……」
野上「どうせいつものだろ?」
茅原「どうせってなによ……。そんな言い方……」
野上「流石に飽きてきた」
茅原「私だって真剣に……考えてるのに…」
野上「やー、前から割とどうでもよかったからなぁ」
茅原「ならここから飛び降りりゅ(噛む)……いひゃい……」
野上「舌噛んでるやつには無理だな」
茅原「うるさい うるさい うるさーい!!!」
野上「痛い痛い!殴んないで!悪かったって!」
茅原「ばかっ!!」
野上「はぁ…。んで、今回はどーしたのさ?」
茅原「別に……」
野上「別に…なに?」
茅原「今日は天気が良かったから」
野上「へぇー」
茅原「昨日は雨降ってたから」
野上「やっぱ昨日も来てたのか」
茅原「一昨日は自転車で転んだ。一昨々日はカップルが目の前でイチャイチャしてた……」
野上「毎日だな(笑)」
茅原「そう……だったね……」
野上「理由はなんでもありだったな」
茅原「なんでもじゃないよ……」
野上「天気が〜とか、カップルが〜とか…。そんなので毎日ここ来てどうすんのさ?」
茅原「わかんない…」
野上「まー、止める気はさらさらないけどな」
茅原「なんで!!止めてよ!!」
野上「えー、だって邪魔くさいし?」
茅原「なにそれ最低…」
野上「お前が言えたことか」
茅原「言えるし…」
野上「ふーん」
茅原「また飛びたくなった」
野上「飛べば?」
茅原「飛ばない」
野上「あっそ」
茅原「……あーあ、なんでこんな奴と幼馴染なんだろ……」
野上「こんな奴とはなんだ。自分のことを棚に上げて失礼な奴だな」
茅原「私と同じって自覚あるんだ……なんか意外」
野上「いいや、全くない!」
茅原「ないんかーい」
野上「お前と同じなわけないだろ。馬鹿か」
茅原「めっちゃ失礼……」
野上「なんちゃっての死にたがりメンヘラ女モドキ相手に失礼もなにもない」
茅原「女モドキって何!?私は女よ!!」
野上「そうじゃねえよ……」
茅原「じゃあ、今ここから飛ぶし!!見とけよ!」
野上「あぶねーぞー」
茅原「今フェンスよじ登るから……」
野上「ふーん」
茅原「よじ登るからね!!」
野上「いつ?」
茅原「今!!」
野上「どうやって?」
茅原「み、見たらわかるでしょ!!」
野上「手も足も使わずにどうやって…………まさか顎か!!」
茅原「あほか!!」
野上「ぐへぁ………みぞおちに入った……」
茅原「顎でどうやって登るのよ!!」
野上「だからって飛び膝蹴りはナシだろ……」
茅原「安心して。愛のあるツッコミだから」
野上「っ……茅原、お前一回辞書で"愛"もしくは"愛情"って単語を調べてこい」
茅原「それくらい調べなくても知ってる。
"愛"は、『対象をかけがえのないものと認め、それに惹きつけられる心の動き』。"愛情"は、『人や物を大切に思う温かい気持ち』でしょ?」
野上「わかってるなら俺にも是非実行してくれ…」
茅原「なんで?」
野上「(ため息)…。元気になったんなら早く授業に戻れよ」
茅原「やだ」
野上「はぁ?」
茅原「授業なんて出ても面白くないもの」
野上「あー、それもそうか。お前頭良かったもんな」
茅原「ふふん。もっと褒めてもいいのよ?」
野上「別に褒めてねーよ」
SE:(ライターの音)
茅原「あ、煙草!いけないんだー!!」
野上「ほら、ここに居たら煙草臭くなるぞ」
茅原「煙草臭くなったら洗ってね」
野上「やだよ。めんどい」
茅原「ケチ!!」
野上「(ため息)…。にしても、学校側はどう思ってるんだろうな」
茅原「ん?」
野上「かたや学年主席のイケメン天才不良」
茅原「自分で言うんだ」
野上「かたや品行方正で人望も厚い学級委員長。最終学年のこの二人が揃いも揃って毎回授業をフケるもんだからな」
茅原「そう考えるとなんか面白いね」
野上「授業フケるのが?」
茅原「野上みたいな不良が学年主席なのが」
野上「それは俺も不思議だと思う」
茅原「授業はサボるし屋上で煙草も吸うのに」
野上「そーゆーお前は、俺がどこに居ても見つけてくるよな」
茅原「当然!!簡単だからね」
野上「幼馴染だから?」
茅原「発信機つけてるから」
野上「……は?」
茅原「冗談」
野上「ふざけんなよ…。お前のは冗談に聞こえないんだからさぁ…」
茅原「まー、いいじゃん!」
野上「よくねぇよ…ったく」
茅原「またくるね」
野上「好きにしたら?」
茅原「そうさせてもらうね」
ーーーーーー
野上「数日後」
茅原「急にどうしたの?」
野上「なんとなく」
茅原「そっか」
野上「今日は雨だから屋上行けねーんだよな…」
茅原「濡れちゃうからねー。それで今日は旧校舎の空き教室なんだ」
野上「あー、タバコ吸いてーなぁ…」
茅原「流石に室内はバレるよ」
野上「その前に臭いでバレてるよ」
茅原「あ、ほんとだ。煙草臭い…」
野上「んー、しゃーない。しばらく禁煙するか…」
茅原「それ何回目なの?」
野上「まだ一回目」
茅原「ダウト!」
野上「信用ないなぁ…。(棒読み)悲しいよー」
茅原「はいはい」
野上「んで、今日はどうしたのさ?」
茅原「へ?」
野上「何かあったんだろ?俺に話したいことが」
茅原「あー、うん。まぁ………」
野上「話したら?勝手に聞いてるから」
茅原「………」
SE:(ライターの音)
野上「吸う?」
茅原「吸わない」
野上「そっか」
茅原「野上は……。あんたは、進路決めた?」
野上「いや、まだ」
茅原「大学行くの?」
野上「行けないことはない」
茅原「皮肉?」
野上「お味は?」
茅原「嫌味?」
野上「正解」
茅原「なんかすごく子供っぽい」
野上「子供でいいんだよ。俺たちはまだ学生だからな」
茅原「いつまでも子供じゃいられないけどね」
野上「どうだろうなぁ」
茅原「へ?」
野上「大人ってさ、ずるいってよく聞くけど、別にそんなことないと思うんだ」
茅原「急にどうしたの?」
野上「だって、"大人になる"って簡単に言うけど、結局のところは"子供の気持ちを忘れ始める"ってことなんだよ。大人の知性と、子供の心は両立できない。だから、理不尽を経験値にしてみんな背伸びして子供を見下ろすのさ」
茅原「なにそれ、屁理屈?」
野上「かもな」
茅原「認めるんだ」
野上「少なくとも、大人だって"大きな子供"ってのに変わりはない。だから、お互い歩み寄ることはできても交差せずに終わる。その関係が、先生と生徒だろうが、親子だろうが、他人だろうが、何一つ変わらない。ずっと緩やかな平行線の幅を狭めていくだけだ」
茅原「じゃあ、子供同士とか、大人同士とか、似たような価値観の人なら交差するの?」
野上「さぁ?できないんじゃない?」
茅原「どうして?」
野上「簡単さ」
茅原「?」
野上「交点の生み出し方を知らないからな」
茅原「………難しい」
野上「そのうちわかるようになるさ」
茅原「なーんかスッキリしない」
野上「あぁ、もう17時か」
茅原「それがどうしたの?」
野上「ちょっと行くとこあるからな。俺帰るわ」
茅原「あっそ」
野上「……着いてくんなよ?」
茅原「心配しなくても行かないよ」
野上「じゃあな」
茅原「またねー」
ーーーーーー
茅原「あれ?屋上にも居ない……。どこ行ったんだろ……?」
野上「居るぞ。こっちだ」
茅原「うーん………まぁいいや」
野上「ちょっと待ってろ。今タバコに火つけるから」
茅原「もう夕方だねー」
野上「あ、これで最後か……。また買いに行かないとな」
SE:(ライターの音)
茅原「……あれ?このタバコの匂い……」
野上「よぉ」
茅原「……居るなら居るって言いなさいよ!」
野上「聞き逃したお前が悪い」
茅原「なにそれ酷い!」
野上(軽く笑う)
茅原「ところで、禁煙するんじゃなかったの?」
野上「あー、忘れてた。明日からするわ」
茅原「やっぱり私の言った通りじゃん」
野上「うるせ」
茅原「……タバコさ、なに吸ってるの?」
野上「お?興味あるの?」
茅原「ない」
野上「即答かぁ…」
茅原「いいから答えてよ」
野上「マルボロ赤のソフト」
茅原「……呪文?」
野上「いやかなり短いだろこれ」
茅原「もう一回お願い!」
野上「マルボロ、赤、ソフト。海外産のタバコ」
茅原「へー」
野上「お前さして興味ないだろ」
茅原「うん」
野上「なんで聞いたんだよ…」
茅原「なんとなく?」
野上「………そんな話しに来たんじゃないんだろ?」
茅原「え……?」
野上「放課後まで俺に何の用だ?」
茅原「……あんたの担任が今日一度も会ってないって言うから探してたのよ」
野上「それなら普通は家に行くもんじゃないか?」
茅原「さっき行った」
野上「で、わざわざここまで探しに来たの?」
茅原「うん」
野上「お前……本当に馬鹿だな」
茅原「………なんで今日来なかったの?」
野上「なんとなく」
茅原「昨日行ったところと関係あるの?」
野上「……なんのことだ?」
茅原「昨日、学校から家に帰ってないの知ってるよ」
野上「………」
茅原「ねぇ、どこに行ってたの?」
野上「この話は終わりだ」
茅原「待ってよ!!」
野上「これ以上俺に関わるな」
茅原「そっちに扉ないけど………あれ?居ない…」
野上「………あと少しなんだ。あと少しで……」
茅原「野上……」
ーーーーーーー
茅原「………結局、あのあと家に行っても居なかったし……。というか、おばさん達私のこと知らないって言うし……。子供も居ないって言ってたし……。ねぇ、どこに行ったの……野上」
野上「よっ。久しぶりだな」
茅原「………」
野上「なんでむくれてんの?」
茅原「………」
野上「あー、そうそう。やっぱ禁煙失敗したわ」
茅原「………」
野上「黙ってないでなんとか言えよ」
茅原「聞きたいことがあるの」
野上「……いいよ。わかる範囲でなら答える」
茅原「あなたは誰なの?」
野上「あー、うん。それだと思ってた」
茅原「家に行ってもおばさん達はあんたも私の事も知らないって言うし、二週間もずっと音信不通だし、生徒名簿にもあんたの名前なかったし…」
野上「そりゃそうだろうな」
茅原「………?」
野上「俺は死んでるからな」
茅原「……なにそれ、冗談?だったら全然笑えないんだけど……」
野上「冗談に聞こえた?」
茅原「……意味わかんないんだけど……。え?じゃあ、私はずっと幽霊のあんたと会話してたって事?」
野上「そう言うことになるかな」
茅原「いつから…だったの?」
野上「………さぁ?あれはいつだったか…。茅原の方が俺よりよく知ってるはずだけどな」
茅原「………」
野上「まだ幼かったあの日。あの雨の日に、公園の砂場で俺を殺したの。覚えてない?」
茅原「………覚えてない」
野上「俺の顔を砂に埋めて、息ができなくてもがく俺を上から押さえつけて窒息死させたのに?」
茅原「………知らない」
野上「ふーん。まぁいいや。じゃあ、自殺ってことにしといて」
茅原「……なにそれ、意味わかんない…」
野上「……きっと、そんなに難しい話じゃない。誰でも、建前の正義さえあれば、人殺しだって平気でする。結果、それは自責の念を加算させて、また新しい建前を探すきっかけになる。そんなくだらないループを生む世の中に嫌気がさしたから…かな。いや、本当は自分でもよくわかってない」
茅原「……どうして私はあなたのことが見えるの?」
野上「どうしてだと思う?」
茅原「……放っておくと危ないから?」
野上「自惚れんな。って言ったら、酷すぎるかな?」
茅原「………」
野上「へー、あっそう」
茅原「だって私、あんたの前で死んでやろうって思ってたのに……。あんたの前で飛び降りて、あんたの記憶に残りたかったのに…。なのに……」
野上「流石にそれはキツイな。多分、一緒忘れられない」
茅原「さっきからずっと茶化して……。あんた、絶対私のこと嫌いでしょ!!」
野上「あぁ、大嫌いだ」
茅原「っ……」
野上「大して器用でもないのに色んなこと背負い込んで、頼んでもないお節介焼いて陰口叩かれて、感情表現が極端なやつ。そんなの、誰が好いてくれると思う?」
茅原「それって好いてるやつの言い分じゃないの?」
野上「おーけー、言い方が悪かったな。馬鹿なお前にもわかるように訂正しよう。茅原、俺はお前に興味もなければ関心もない。人間的には鬱陶しくて大嫌いだ。よって、今後俺には一切関わるな」
茅原「意味わかんない…。全然何言ってるかわかんない……」
野上「お前が俺を嫌いなように、俺もお前を嫌いだ。ただそれだけの"簡単な話"だろ」
茅原「違う…。別に嫌いなわけじゃない…」
野上「俺の目の前で死のうと思ってた。さっきそう告白したよな?」
茅原「それは……。あんたが私を見ないから…」
野上「お前は俺に見られてると幸せなのか?」
茅原「なんか言い方がアレだけど…。そう」
野上「じゃあ、見ててやろうか?」
茅原「へ?」
野上「お前が、ここから飛び降りるところを」
茅原「そう言うつもりで言ったんじゃない…」
野上「(遮って)飛べよ」
茅原「……やだ」
野上「俺に見られて死にたいんだろ?ここから頭を地面に打ち付ければきっちり死ねる。俺もお前のことを見てる。そして、茅原の死体は鮮明に俺の記憶に刻みつけられる。それが本望だろ?」
茅原「……違うの」
野上「なにが違うんだ?日頃から死にたいって思ってたろ?」
茅原「思ってない!!」
野上「毎回俺に会いに来るたびに深刻な顔してつまらない愚痴をこぼして、死にたいって言い寄ってくる」
茅原「死にたいなんて一度も言ってない!!」
野上「(被せめ)言ってるも同じなんだよ!!」
茅原「っ……!!」
野上「………もういいよ。もう、飛ばなくていい」
茅原「野上?どこ行くの?」
野上「……見てればわかる」
茅原「フェンスの…外?……なにしてるの?」
野上「なぁ、茅原」
茅原「な、なに?」
野上「幸せってなんだと思う?」
茅原「知らないわよ!そんなことよりこっちに戻ってきて」
野上「そんなこと……ね。まぁいいや」
茅原「早く戻ってきなよ、危ないからさ」
野上「例えば、国内総生産や国民総生産。所謂、GDPやGNPは数値がよくわかる。なにより、"数値化できる"からわかりやすいっていうのはあるよな」
茅原「はぁ?」
野上「じゃあ、国民総幸福量はどうやって数値化してると思う?」
茅原「確か……精神面での豊かさ?」
野上「それっておかしいとは思わないか?」
茅原「へ?」
野上「無作為に選ばれた国民に五時間のアンケートを行う拷問で国民全員の幸福量の平均がわかるか?GDPやGNPならまだ理解できる。数値として出し、その数値を計算するだけだからな。しかし、国民総幸福量はそれらとは全く違う。対象が初めから数値化されてない分、はっきりと何がどうって言うのは言い切れない」
茅原「ちょっと待ってよ」
野上「なに?」
茅原「その話と、あんたがフェンスの外側にいるのと、なんの関係があるの?」
野上「話は最後まで聞くもんだぞ、茅原」
茅原「先に教えてよ」
野上「黙って最後まで聞いてろ」
茅原「………」
野上「話は少し戻るが、幸福の数値化は基本的に曖昧で不可能だと俺は考えてる。各々感性が違うのに、他人の尺度で幸福なんて測れやしない。できるわけないだろ?」
茅原「………」
野上「これはとある経済学者が言ったことだが、"自身を幸せだと言う人の割合を記録することは、単に人々の言葉の使い方がわかるにすぎない。そのように社会の表象を描き出すことは、物理学において、人々に今日の天気は暑いか寒いか尋ねるようなものである"だとよ。とんでもない皮肉だよなぁ……。笑える」
茅原「……もうなに言ってるかわかんない…」
野上「わかんないよな。茅原にはさ」
茅原「っ…!!」
野上「俺は俺に。"野上"という人間に幸福を与える」
茅原「待って!!」
野上「あぁ、最高につまらない人生だったな」
ーーーーーーーーーー
野上M「人間は何度死ぬのか。前に誰かとそんなくだらない話をしていた気がする。
確か、結論として出た回数は……三回。
一回目は"肉体"。老化でも事故でも病気でもなんでもいい。肉体は朽ちていく。
二回目は"魂"。幽霊のような存在で、それが死ぬのかどうかという矛盾はどうでもいい。死ぬんだ。どうあがいても、どうやっても。
三回目は"記憶"。忘れられたらどうしようもない。いつかはきっとこの存在はなかったことになる。
たった今、二回目が終わった」
茅原M「どこで間違えたんだろう。何を間違えたんだろう。そもそも、間違いってなんだろ……」
野上M「俺は。野上は幸せに生きれただろうか…。茅原は自分を責めるだろうか…」
ーーーーーー
茅原「野上……。私……私は………」
茅原「……あれ?私…どうして屋上に……」
ーーーーーー
野上M「幸せ。その大きな意味や形を知らずに多くの人が目の前を通り過ぎていく。その無知は罪か、果ては罰なのか…。当の本人達はそれを知る機会も与えられずにいなくなる。
塩ひとつまみにも満たない小さくてくだらない話をあなたに贈りましょう。荷解きするかはご自由に……」
ここまで読んでいただきお疲れ様でした。
さて、色々書きたいことはありますが、今回は私の頭の中を一部書き写したみたいな感じになりました。
自分の思考を書き出すって難しいですね…(笑)
久方ぶりに長めの話が書けたので個人的には満足しています。
それと、随時感想等お待ちしてまーす( ◜௰◝ )