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しゃぼんだま飛んだ、義弟までトんだ








例えば鳥、


それから飛行船、


それから風船、


虫は苦手だけれど…綺麗な蝶々、


あとはシャボン玉。






とにかく私は空飛ぶものが好きで好きで仕方なかった。





私はサリー・サンドレアル。

10歳の女の子。

静かな湖畔の森の側にある大きなお家にお父様とお母様とそれから私が3歳の時にお父様が連れて来た弟のローレンス。

本当の弟じゃないらしいけれど、私には難しくてわからない。


さらさらの金色の髪、お母様の適当な散髪のせいで切り過ぎた髪。うちに来た時は長過ぎる前髪がキノコのようでそれはそれで可愛かったのに、あれはもう見られないのかもしれない。残念。

同じく金色の瞳はとっても綺麗。

赤茶色い私の髪と瞳と交換して欲しいくらい。


まぁ、人里離れた田舎なんだもの、私は一度会ったら友達で、毎日会ってたら姉弟だと思うようにしているから、ローレンスは立派な家族の一員。

お父様たちも今はそれでいいよと言ってくれるし、3歳年下のローレンスはいつも私の周りをうろちょろしていてとっても可愛らしい男の子だ。

今は7歳。やんちゃをするでもなく相変わらず私の近くでにこにこしている。

ぼんやりしてそうなローレンスだけれど、ローレンスには私しか知らない秘密がある。



ローレンスは魔法が使えるのだ。



とは言ってもまだ幼いからか火を出すにも水を出すにもその勢いや量は大したことない。

マッチのような小さな火だったり、井戸水を汲み出すポンプより弱い水圧の水をちょろちょろ出せるくらい。

それでも特別な力だもの。すごいすごいと褒めると嬉しそうにするローレンスが一際可愛くて私は彼をいつもなんやかんや甘やかしてしまう。

ローレンスは本当に可愛い。

服装にはまるで無頓着で、私のおでかけの服を選んで貰ったことがあるがその時も酷いセンスだった。しかし、愛らしい顔が何もかもを許させてしまう。

先日は転んだのが痛かったのか、痛くて泣いちゃったローレンス。たまにケンカだってするが、ケンカがばれて怒られて2人でごめんなさいをしたのも記憶に新しい。が、翌日にはけろっと忘れて笑いあっている。つまりふたりは仲良しなのだ。





そんなローレンスが最近私の何かを探している。




今日も今日とて、何時ものように私の所へ来て彼はじっと私を見つめている。

何か欲しいものでもあるのだろうか。

私はその時大好きなシャボン玉をしていた。

以前ローレンスもやる?と誘ったが、どうやらローレンスは私がシャボン玉をしているのを見ている方が好きらしいからシャボン玉目当てではなさそうだ。




ふぅうう、と幻想的なシャボン玉がいくつもいくつも空に浮かんでいく。




「きれい…」



私はうっとりと高くたかく飛んでいくシャボン玉を見つめていた。

ふいに後ろから声がかかる。




「ねぇ、サリーねえさま。」


「んー?」



なぁに?とシャボン玉が割れる瞬間まで目を離したくない私はローレンスの方を見もしないで気のない返事を返した。




「シャボン玉好き?」


「ええ、大好きよ。」


「鳥も好きでしょ?」


「ええ、自由に飛べるっていいわよね。」




ぷかぷか、ふわふわ、風に揺られてゆらゆらと飛んで行くシャボン玉。

これはなかなかの記録になりそうだ。




「僕が飛んだら、僕のことも好き?」


「ふふ、ローレンスったら何言って…ローレンス!!!」



おかしなことを言う弟だ、と振り返ると同時に彼の影が私の真上を通り過ぎていく所だった。




「ろ、ローレンス!!危ない!おり、降りてきて!」





なんと弟は空を飛んでいたのである。

持っていたシャボン玉液と輪っかを投げ出して駆ける。

ふよふよと浮いていくローレンスはシャボン玉の方へ飛んで行く。

青ざめる私をよそにローレンスのその表情はひどく嬉しそうだった。






「サリーねえさま!ぼくやっと飛べたよ!ねえさま、僕のこと好きになっ」








シャボン玉飛んだ、屋根まで飛んだ。

弟まで飛んで壊れずに消えた。








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