テンプレ異世界召喚にはテンプレヤンキーは付き物
とりあえず街中にある、モンスター素材、鉱石、薬草類等をまとめて買い取ってくれる店、買取屋へと来ていた。
「じゃあ、これとこれとこれを」
スライムから取れたゼリー、蜂の刺を渡していく。
「230ルソーだよ、コレからご贔屓にね」
ルソーはこの世界、と言うよりこの地域の通貨である、感覚としては日本円と変わらず、分かりやすいので助かった。
何故、買取屋へ足を運んだのかと、言うとこの世界の靴の物価が分からないため、はじめに貰った軍資金で足りるか分からなかったため、多いに越したことは無い、と思い立ちお金を増やしに来た。
買取屋へ行ったその足で、最寄りの靴屋を住民に聞きながら探す。
探している途中に気が付いたのだが、この世界の言語が何故わかるのか、と思っていたが、勇者特有のスキルで一番聞き覚えのある言語に翻訳される様だ、ステータス画面にしっかり書いていました、これからはしっかり確認せねば。
そんな事を思いながら靴屋へ到着、女性用、子供用をメインで扱う店である、
「着いたぞー、エリシア好きに見てきていいよ」
遠慮気味のエリシアを促す、因みにおんぶの格好である。
「良いんですか?本当に?」
「いいのいいの、逆に転んで戦えないとかになっても困るから」
「は、はい、じゃあその、降ろしてもらえます?」
おっと、俺としたことが降ろすのを忘れていたぜ、別に抱えている時の太ももの感覚が気持ちよかったとかでは断じて無いからな、無いからな
店内は落ち着いた感じのモダンな内装である。
靴を買ったらどうしようか、次はエリシアに護身用の武器でも買わなきゃな、近づかれたら大変だもんなぁ
そんな事を考えていると、選び終わったようだ。
「あの、コレで」
「分かった、払ってくる」
想定より随分と安かった、これなら安めの防具も買ってあげれるな
「エリシアは装備出来る武器と防具の種類何?」
「えっ、装備出来ないとか有るんですか?私は重くなければ何でも」
ここである可能性が浮上する
勇者には装備の縛りが存在する
もしかしたらエリシアが特別なのかも知れないけどな、正直勇者装備縛り説の方が有り得そうだなぁ。
そして武器屋
「どんなのにしたい?」
エリシアはうーんと悩むと店内の刃物を扱う方面を中心に眺めていた
暫くしてキラキラ目を輝かせてこちらに向かってきた
「あのっ!私アレがいいです」
指を指した先にあったのは
エリシアの身の丈程あるバスターソードと呼ばれる部類の大型の両刃剣
その選択に武器屋のおっちゃんも苦笑しながら
「嬢ちゃんにはキツいぜ、アレは」
エリシアは頬を膨らませてこちらを見てくる、とっても可愛いですはい
「そんな大きな剣ちゃんと振れんの?」
「大丈夫ですよ、大型剣扱える様にするスキルありますから!」
悩んだがここで断ったところで他の剣で満足してくれるとも思えない
「冒険家の兄ちゃんよ、あの剣謎の魔石がハマってんだが、誰がいくら魔力を注いでも反応しねぇんだ、これ以上も置いとけねぇし、買い取ってくれるなら安くするぜ」
安くすると魅力的なセリフがあったがまず
「魔石ってなんだ?」
おっちゃんは少し驚いた顔をして
「魔石ってのはな、魔力を通すと魔石に封じられた効果が発動する魔法道具だ、例えば火が込められた魔石の嵌った剣がある、それに魔力を込めると、刀身に火が纏う、こんな感じだ、要するに発現者の少ないエンチャントスキルの代わりに武器に属性攻撃を付与できるようにしたって訳だな」
「尚更買って欲しいです!浪漫です浪漫があります!」
一段と目を輝かせていらっしゃるぞこの幼女
こいつ絶対1匹はポケ〇ンに、はかいこうせん覚えさせるタイプだわ
「使えるって言ってるし、値段しだいだが、買わせてもらう」
「あいよ、待ってな」
ざっと靴三つ分の値段でした、安いね。
在庫処分とはいえこんな値段で良いのかと思ったがおっちゃん曰く
「誰が置いてったか分からねぇ、魔物からのドロップ品だ」
とのこと、おっちゃんが小さい頃にはもうあったそうだ。
で
「カズマは何か買わないんですか?」
「ん?あぁ、俺杖と軽い衣服位しか装備出来ないから平気、この街だとこれ以上強いのはなさそう」
悲しい現実である
「そうなんですか…あっ、そうでした、ギルドですギルド、登録すれば依頼が受けれてお金も手に入りますよ、行きましょう」
この幼女自分のしたいことには押しが強いな、口調に騙されちゃいけない
という訳でギルドへ来ました
受付と思われる窓口へ向かう
「こんにちわ、本日は何の御用でしょうか」
可愛らしい受付嬢さんに見とれながらも話を進める
「冒険者になりに来た、なれるか?」
「はい、大丈夫ですよ、こちらの用紙の必要事項をご記入したら窓口へまた持ってきてください」
そして紙を二枚もらい空いている休憩室、と思わしき場所で書き始める
正直創作物とかだとギルドで絡まれるのが定番である、そして力の差を見せつけ、周囲から1目置かれるという展開が多い、そういうのは避けたいし、勝てる気もしないだからと言って相手の条件とか飲むつもりもないし、エリシアが変な目に遭うなんてもの避けたい
なんて考えていたら
「テメェ見てぇなヒョロいガキが、邪魔なんだよ!」
こう言わせていただきたい
テンプレ乙
「えー私が何かしましたかね、記憶にございませんが?」
適当に返しながら窓口の受付嬢に用紙を渡し、冒険者カードをもらう
一緒にパンフレットの様な物も貰った。
エリシアがもうオロオロしている可愛い
そんな調子でガン無視していると
「チッ、テメェ無視してんじゃねぇぞ!」
見た目世紀末の絡んできたヤンキーが掴みかかってくるが
「よっと」
身をかがめて回避、そして右足で、がら空きになった股を蹴り上げる
「オゥゥッ!?」
ヤンキーが変な声を上げ蹲る、視線が怖いすげぇ眼力
「エリシア手掴んで!」
「は、はいっ」
そのままエリシアをこちらに引き寄せる。
「テメェらイチャイチャしてんじゃねぇぞ、あ"ぁん」
ヤンキーが拳を振りかぶりこちらに走ってくる
そして俺は蜂を倒して貰った経験値を使って取得した新たなスキルを言い放つ。
「身体強化敏捷」
そのまま、手をつかんでいたエリシアをお姫様抱っこの形で抱き抱え
走ってギルドから逃げ出した、逃げるが勝ちとはこの事。
ざまぁみろフゥハハハハハハハ
この後 逃亡時に見せた逃げ足の速さからとある盗賊に目をつけられるのは先の話である
これまでよりちゃんと書けていた気がします
告白調のセリフ辞めにしました、それで修正しました




