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少女の事情

少女の口調の変更、前話にも反映済み

「ただ今帰りました王よ」

ギィと大扉を開けて入ってきた上下ともに黒い軽装を身につけ顔まで隠した女性、まさに暗殺者と、言える格好だ

「うむ、して、どうじゃったかの?」


「あの者は杖での物理攻撃をメインに、攻撃魔法は使わず、使っていて身体強化だけでした」


「そうか…」

ハズレか……




____________________



少女を連れて城下町へ帰ってきた。

とりあえず宿屋へ行き部屋を取り、話せる環境を整える。

部屋備え付けの椅子に少女を座らせ自分も、もう一つある椅子へ腰掛ける。

改めて見るとこの少女、可愛い。

長く腰ほどまである銀髪、黒いミニ着物と言ったか、丈が短くミニスカートのように見える着物だ。

正直俺はこの格好好きだが、割と着ている側の神経を疑う、そしてこの少女下駄であった、下駄ではモンスターと戦う時も不利であっただろう、それに履きなれていないのか指の間が赤くなっていたので、城下町に来るまで無理やりおぶってきた。


「ま、まずありがとうございました、エリシア・シル・アリマと申します」

そう言うと少女、エリシアは頭を下げた。

「俺は谷村一真だ、んで、あんな草原にこんな戦う気無さそうな装備してんの?下駄なんて慣れて無さそうだし、その服だって防御力無さそうじゃん?」


「気づいた時にはもうこの格好でした」


「気づいた時?どういう事だ」


そしてエリシアは語り始めた。

「そのままの事です、気づいたらあの草原にいました、今まで何所に居たのかも覚えていなくて…」

エリシアは顔を伏せ

「覚えているのは生活に必要な物事、結晶心を集めなければならない事、そして」



「私が一度死んでいるということです」


一度死んでいる?ならここに居るエリシアは何なんだアンデット、ゾンビなのか?


「一度死んだ記憶はあります、でも、アンデットなら日の下を歩けないし、体も冷たい」


ほら触ってみて下さい。

と手が差し出される、その手に触れる


「温かいな」

この世界の事には疎い、この少女が嘘をついている可能性だってあるが、アンデットの弱点がこの世界の共通認識なら、俺が勇者、異世界から来た者と知らない限りしない嘘

引っ掛けて得するもんでも無さそうだし、それに嘘をつくタイプの人間には見えない甘い考えかも知れないが……



質問を再開する

「んで次の質問、結晶心って何」


「私にも良くは分かりません、でも黒い結晶が心臓に埋められている人が居ます、その結晶が結晶心です。ほら私も」


そう言ってエリシアは着物を少しはだけさせる。


胸、両乳房の間になる場所に不思議な痣の様な紋章があった。(大事なところはしっかり隠しているのであしからず)


「心臓に結晶が埋め込まれている人にはこの紋章が浮かび上がるそうです」

顔を少し赤らめて着物を着直している。

「そして、こんなに話したのは理由があります、大変迷惑な話かと思いますが結晶心集めの手伝いをしてくれませんか?」


「別に俺は構わない、だが初対面の俺を信用しても良いのか?」


「目が…」


「ん?目?」


「真っ直ぐな目をしていらっしゃいます」


「そんな理由で信用していいのか?」


「それだけではないです、助けてくれましたし、履物の事を考えておぶってくださいました、だから私は信じたいと思います」


それが彼女の本心だとしても、甘い

「んぁぁもう、そんな理由で懐くなちょろイン、世の中には危ない人間だっているんだよ、お前みたいな年の子を捕まえて人身売買したとりとか、そんな連中がいるんだぞ、俺がそうゆう連中じゃないって言いきれないだろ?」

少し大人気ない気もするが語彙を強めてしまった、怒っていると、捉えられても仕方の無いくらい。


「ちょろ?分かりませんが、いえそうではなくて、人々が抱えている闇には鋭いです、そういう人攫いのような人たちは何人か見ました、その度抑えきれないような闇が湧き上がっています。ですが貴方にはその闇が少ない」


「そんなん分かるはずが『わかります』」


「わかるんです、多分結晶心を得てから、人のお腹の中に抱えている闇が視覚情報としてわかるんです。それに貴方が悪い人ならそんなに怒ってくれていないでしょう?」

彼女が微笑みを浮かべ、そう言った。


「わかったよ、手伝ってやる」


「ありがとうございます。カズマ様」


「そんな畏まらなくていいし、名前で読んでくれない?一真でいいよ」


「はいそれでは、カズマよろしくお願いします、それなら私の事も名前で」


「おう、エリシア」



ともかく明日はレベル上げになるだろうし、仲間も確保できたし、あの鎖の魔法を見る限り実力もないことは無いだろう。


「あの、明日は何かするのですか?用が無いのならギルドに冒険者登録をしに行ってはいかがですか?」


「ギルドなんてあるのか、それならギルドで登録した後、レベルでも上げに行こうか」


路銀も尽きるだろうし、ギルドなんて名前なら依頼を受けば報酬金が貰えるだろう。

ふと思いついた


「そうだ、下駄じゃ歩き辛いでしょ、靴買いに行こ」



ショッピングを提案したのは、エリシアが歩き辛そなのは目に見えてわかるし、こんなんじゃ戦闘にも支障が出る、助けた美少女に目の前で死なれでもしたら気分が悪いからな



少ない持ち金だが靴くらい買えるだろう。

エリシアとのやり取りを増やしました

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