貧困
すいません!また寄り道してしまいました・・・。決戦はもう少し後に
なりそうです。申し訳ありません;
他の方の書いてる小説があまりにも楽しくて、私も何か書いてみたなという不純な動機で計画もなにもなく書き始めたこの小説ですが15000PV到達、お気に入り数66です!ありがとうございます><
P.S今回の冒頭の、空袋云々は前話の後半に少し書き足したものです。
こういう事が時々あると思いますが生暖かい目で眺めてやってください!
「うーん、宿はどこにしようかなぁ」
(ふむ、城でよいのではないか?あそこならふかふかの布団においしいご飯がタダでついてくるぞ?)
(隆二との決着がついたら住もうかな。今はこの街の観光をしてみたいんだ。)
(なるほど、異世界から来たお主には珍しい物も多かろう。まぁ妾はどこでもよいがのぅ。ベリアーセならふかふかの布団においしいご飯じゃないと嫌じゃぁと駄々をこねておるだろうが・・・。)
街中を悩みながら歩いていると、どん、と体に軽い衝撃が来る。
「ごめんねローブの人!」
「・・・。」
ぶつかってきたボサボサの髪に質素な服を来た少し痩せ気味の子供が通り過ぎ裏通りに入っていく。
(ヨシオ、あの少女・・・。さっき食堂の外でお主をじっと見ていた子じゃな。)
(うわ、クソ!財布がわりの袋盗まれた。幸運の数値がFランクなだけあるな・・・。)
(別に空の袋くらい取られてもよいではないか。恐らくいくらでもお金が出てくるマジックアイテムとでも思われたのじゃろうな。)
(んー、しかし聖とか国名の頭につくくせにあんな子供がスリしてんのか・・・。気に食わないな。)
そう言って僕はカメレオンのように体を周囲に擬態できるよう念じた。
(あの少女をつけるのか?お主の事じゃからダンボールでつけるのかと思うたわ。)
(性欲をもてあます。)
(お・・・おいまさかとは思うがもしやお主、ロリコンか?)
(冗談だよ。僕はガチホモだから。)
(な・・・なんじゃと・・!!)
そういいながら頬を染めながら自分の身を抱きしめるエイシア。
(いや、お前女だろ?安心してくれ、僕は普通に女が好きだし、同じ位の年の子が好きだ。でもまぁ
相手にはされないけどね、あはは。)
(・・・・。)
頬を染めながら黙ったままのエイシアに、僕の顔は凍りつく。
(ま・・・まさか・・・?)
尋ねるのが恐ろしくなった僕はそのまま少女を追う。気まずい空気の中、あとをつけていた少女が建物の中へと入っていく。
(ん?あやつ、この建物に入って言ったぞ・・・結構広いがぼろっちいのぅ。)
扉の前に立ちノックをする。
「すいませーん、少しお尋ねしたいことがありまして。」
そして控えめにドアが開く。
「あの・・・返済のほうはもう少し待っていただけないでしょうか。」
長い赤茶色の髪を後ろで束ねた少女がでてくる。貧乏なのか継ぎはぎの多い服を着ているが
凛とした雰囲気をした子だった。
「僕は借金取りじゃありませんよ」
中を覗くと、沢山の子供達が僕を見ていた。その中で1人の子供が僕を見て小さく悲鳴を上げて机の下に隠れる。
(孤児院のようじゃの・・・。しかしこれほど貧乏とは・・・国は何も支援をしとらんのか?)
「僕の財布をスっていった子をつけていたらここに入っていくのを見まして。今、机の下に入った
子なんですけれど。」
「ま、、、まぁ!それはすいません!こら、リース出てきなさい。」
「エリカお姉ちゃん、財布っていうけどこれ元から空の袋だったもん!リースそんなに悪くない!」
「そういう問題じゃありませんっ! あれだけ悪い事するなっていってるでしょう!!」
「うぅ・・・うわぁぁ~~んわぁぁんっ」
腕をひっぱられ、泣いているリースを見かねた僕は、2人の前に行こうとする。
すると目の前にいかにもガキ大将っぽい男の子が立ちふさがる。
「ま、待ってくれ!俺がリースに無理矢理させたんだ。殴るなら俺を殴れ!」
そういいながら僕を睨む。僕は手を少年のほうに伸ばし・・・
「くるなら来・・・ふぇ?」
頭を撫でられながら素っ頓狂な声を上げる少年を見ながら頭を撫でる。
「お前、いい奴だなぁ。僕の名前は・・・<リュウジ>っていうんだけど君の名前は?」
「<リュウジ>・・・?お城にいう救世主様と同じ名前だ! 俺はレイン。ところで、なんで俺を殴らないんだ?」
「確かに盗みは悪いことだけど、レインがカッコいい所見せてくれたから許すよ。」
ニッと僕はレインに笑う。ローブを被っているからあまり表情は見えないだろうが、雰囲気は伝わったみたいだ。泣かせてしまったリースを抱きながらあやすエリカがこちらを見て申し訳なさそうに微笑む。
「あ・・あの・・・お詫びに豪華なものはありませんが晩御飯一緒にいかがでしょうか?」
「ごめんなさいおにいちゃん、一緒にご飯たべよ?」
そういいながらリースが空袋を渡してくる。
「<リュウジ>、今日は泊まってけよ!」
「うん、そうしようかな。今日はここでお世話になるよ。」
その声をかわきりに子供達がわらわらと集まってくる。
なんか痛いぞ・・・。子供達が僕によじのぼりながら関節技をかけてくる。
「いたっ・・・痛い・・・痛いから!」
(懐かれてしまったようじゃのう・・・ふふふ)
(ちょ・・・笑い事じゃないから!耐久Dの僕にはつらいです!!イタイイタイ!でも・・・こんなに他人と触れ合うなんて初めてだからさ・・・嬉しい。)
僕は目を潤ませながら苦笑する。
(うむうむ。)
そういいながら嬉しそうに微笑むエイシャ。
(でも、僕の元の姿をみたら皆・・・。)
目に溜まった涙がこぼれて頬に伝う。嬉しくて出た涙なのか悲しくて出た涙なのか僕にはよく分からなかった。
『いただきまーす!』
「やったぁ今日はいっぱいあるよぉー!」
「えへへ、このスープお肉ある~」
「・・・。」
一応想像はしていたが、ここまでとは思わなかった僕は唖然とした。食卓には10cmくらいのフランスパンのようなものが1つに、小さい肉の欠片が1つ浮いたスープが浮かんでいる。
「あの・・・すいません、これが精一杯でして・・・」
エリカが僕の様子を見て、怒っていると思ったのだろうか謝ってくる。
「ん・・・誤解させてごめんね。別に君達に怒ってるわけじゃないんだ。」
そういいながらテーブルに料理が出てくるように念ずる。
ポン!ポン!そんな音を立てながらテーブルに次々と料理がでてくる。
「わぁ!!見たことないような料理がいっぱいでてきたよー♪」
「ねぇ、おにーちゃんこれ食べていいの?」
「うん、遠慮せずに食べてね」
きゃっきゃっと喜ぶ子供達。
「リ・・・<リュウジ>さん・・・これ・・・」
目を見開きながらエリカが尋ねてくる。
「僕は魔法が得意でね。ちょっと料理を召喚してみたんだ。」
「りょ・・・料理を召喚・・・?」
(もしや・・・隆二達のご飯か・・・?)
(イグザクトリー、その通りでございます。)
「ところで<リュウジ>さん、その黒いローブ、ご飯の時でも外せないんでしょうか。」
「顔にひどい火傷があってね。あまり見せたくないんだ。」
「すいません、不躾な事を聞いてしまって・・・。」
「いいって、気にしないで!ほら早く食べよう!」
子供達のベッドの感触をフカフカに変えてから、僕も床につく。
「おやすみ、エイシャ。また明日もよろしく頼むよ。」
"うむ、任せるがよい。おやすみヨシオ"
子供達と遊んで疲れていたのか、すぐに睡魔が襲ってきた。
感想も一気に4件もいただきまして・・・誠にありがとうございます!
話を膨らまそうとしてどんどん日和っていってますが、面白いのかなぁ・・・。どうなんだろう。よくわかんないなぁ・・・。って感じで
疑心暗鬼になりながら書いてますので、こうしたら面白いと思うなど
感想ありましたら宜しくお願いします!!