偽者
PVが・・・6000超えてるよおっかさん!
お気に入りも25件に・・・!
ありがとうございます!!
今回少し日和ってしまった感がありますが、
お時間あればお付き合いくださいませ~。
「よぉ・・・偽者さんよ!」
目を見開きながら、固まる隆二、王女、女騎士団長にメイド。
「な・・・本物は俺だ!どうせ魔族が俺に変装して来ているんだろう。」
「むむむ・・・だがこうもそっくりでは、どちらが本物のリュウジ様か区別がつかぬ・・・判定機もいつのまにかどこかに行っているし・・・」
「大丈夫ですよ、ミネルヴァ。真実の女神様を召喚すれば一発です!魔族ごときが変装していても一発で解除できますわ。」
「さすがだな、ミリアリア!よろしく頼む」
「えぇ、リュウジ様のためにありったけの魔力をこめてこの無礼者の正体を暴きますわ!」
ミリアリアの足元に魔方陣が展開されロングのさらさらした金髪がふわふわと揺れる。
「真実の女神"エイシア"我が招きにこたえよ!"召喚"」
"なんじゃ・・・妾を呼んだのはお主か?聖アークティア王女ミリアリアよ。
あの高慢ちきな奴の後釜を据えるまで、業務が溜まってしまって大変なのだぞ?"
ミリアリアの召還に応じて、シャギーの入った肩先までの焦げ茶色の髪、菊をあしらったヘアピンで前髪をとめた少女が、腰に手をあてながら出てくる。
「申し訳ありません、エイシア様。現在、救世主様の姿を模した不埒者が姿を現し、どちらが
本物か判断がつきませんで・・・。救世の女神様は最近お呼びしても出てこられませんし・・・。」
「ふむぅ・・・・」
偉そうに隆二と僕を見やるエイシア。そして僕のところで目をとめ、目を見開く。
"き、きき、きさまは・・・"
震えだす女神様。
(分かるの?)
できるか分からないが念話を送ってみる。
(わ・・・わかりますぅ・・・)
ビビりまくっているのか話し方が変わっていた。
(解けないと思うけど、もし解いたら分かるよね?運命の女神(名前忘れた)と同じように
北斗神拳的な消滅をさせてあげるから。悲鳴は”ひっ!! ひでぶっ!!"に決定)
(ヒィッ、勘弁してください・・・そもそも私の魔力ランクじゃ貴方の構造組換を元に戻すことできませんし、ベリアースちゃんみたいに死にたくないです・・・それにそれは女の子にさせる悲鳴じゃないです・・・。)
(仕方ないなぁ、それじゃあ"あわびゅ!!"にしてあげるよ。)
(・・・。それもいやです・・・。)
「どうなさったんですか、エイシア様?どこか調子でも悪いのですか?」
狼狽するエイシアを不審に思ったミリアリアがたずねる。
「む・・・なんでもないぞ。大丈夫じゃ。(うぅぅ~、どうしたらいいのじゃぁ・・・)」
エイシアが困っているようなので彼女に対して僕は指示を出した。
(どちらかが竹下吉雄が化けている。しかしどちらが偽者かは分からないが、2人を戦わせれば
分かるって言って)
(むむ、それは良い案じゃのう。分かったぞ!)
「最近忙しくて調子が悪くてのぅ、どちらかが竹下吉雄に化けているのは分かるのじゃが、
どちらが偽者かは分からぬのじゃ。しかし、救世主は魔王を倒すことのできる唯一の者じゃ。
2人を戦わせれば一目瞭然じゃろう。」
「なるほど!それは名案ですね。リュウジ様であれば、あの醜い下賎の者など一瞬で倒されてしまう
でしょう!」
「えぇ、私もリュウジ様があの気味悪い生き物を駆除するお姿を見たいですわ!」
「そういう事なら仕方ないな・・・観客も呼んで皆に楽しんでもらわないとな!」
僕を晒し者にして楽しむつもりなんだろう。
「別に俺も構わないよ。沢山呼んできてくれ。」
そしてお前の恥ずかしい姿をたっぷり楽しんでもらうといい。
【救世の日 運命の刻 闘技場において救世主様による不埒な救世主を騙る偽救世主への断罪を行う。
観戦自由。我らの救世主の雄姿をご覧あれ! 聖アークティア王国 王女 ミリアリア】
チラシが城下町に貼られ、ばら撒かれる。
『キャー!!リュウジ様~♪』
『救世主様、がんばって~♪』
宣伝のため街中を周る隆二は街中の女達の声に手を振ってこたえていた。
背筋のゾッとする黄色い声を浴びるのが嫌だった僕はローブを目深に着、城下町の飲食店で
メニューを眺めていた。
(おい、ヨシオ。おぬしが本当の救世主じゃろうに何故こんなことになったのじゃ?)
誰にも見えない状態で手乗り状態となったエイシアが僕の肩に乗りながら問いかける。
(んー、僕の姿は元々チビでブタでブサイクでさ。一緒に隆二と召還されたんじゃ、僕は救世主には見えないでしょ?隆二も隆二で能力値がA+だったから救世主だって勘違いされたってわけ。)
(ふむ・・・外見は確かに大事じゃが、本質を見抜けないようではのう・・・。
あのベリアーセもどうせ外見にウツツを抜かして隆二を召還してきたんじゃろう。女神失格じゃな。)
(ところでエイシアさんは、どうして僕について来てるの?天界に帰れば?)
(うぐ・・・連れないのう・・・。本来は救世の女神がお主について回る予定だったのじゃが、最高神に後釜決まるまで変わりをせよと言われてな。お主の話相手・相談役をするから、よろしくじゃ。)
(うげ・・・あんなのが着いて周る予定だったのか。僕自身もそうだけど、紫ツインテも救世の女神として人選ミスだろ・・・。まぁエイシアは僕の話聞いてくれるし良いかな。こちらこそ宜しくね。)
(ベリアーセの名前くらい覚えてやれ・・・まぁ、あやつについては妾も同意見じゃが、お主については別に人選ミスだとは思ってはおらんぞ?)
(・・・嬉しいこといってくれるじゃないの。)
(うっほ、いい救世主・・・って妾に何を言わせるのじゃおぬしは!)
「おばさーん、このベウフレテーっていうのください。」
「あいよー!そういえばお兄さんもリュウジ様を見に来た口かい?」
「・・・ソウデスヨー」
「あの方は本当に女の子達に人気でねぇ。荒くれ者の男達が不満を言わないのが不思議なくらいだよ。
はい、ベウフレテーお待ちどうさま!」
「・・・ソウナンデスカー。ところで彼が着てから犯人が不明の犯罪とかは増加していませんか?」
「あぁ、不思議なんだけどさ、救世主様が街にくるようになってから犯人の分からない犯罪が増えてるみたいだねぇ。女の子も時々いなくなったりとかするみたいだし・・・。救世主様のイメージダウンをさせるために魔族が街の住人に化けてまぎれこんで、やってるんじゃないかって噂だよ。今回の偽者の件もあるし、早く救世主様に魔王を討伐してもらいたいねぇ。」
「ふーん。」
荒くれ者達を隆二がまとめて、犯罪行為をさせているんだろう。女の子がいなくなるのも隆二に寄ってきた女を食った後、荒くれ者達にまわして・・・。相変わらず吐き気のする野郎だ。
(エイシア、ベウフレテーの400リュネのリュネってどういう単位なんだ?)
(まさかヨシオ・・・お主、無銭飲食か? 1リュネが銅貨1枚、1万リュネが銀貨1枚、10万リュネが金貨1枚になっておる。)
(わかった、ありがとう。この世界のお金召喚!)
空だった布袋が一気に400リュネ分に膨らむ。
(え・・・えー?・・・セオリーとしてはギルドで働くのでは・・・?ところでどこから
召喚したんじゃ?)
(隆二の財布。)
「おいしかったよ、おばちゃん。お代、ここにおいていくからね」
「はいよー、また来てね!」
(ところでエイシア、救世の日 運命の刻っていつになるの?)
(お主の世界で言うところの明日の正午じゃな。お主が負けることはないじゃろうが、まぁがんばれ。)
(ああ、隆二に生き恥かかせてやるぜ!)
(そ・・・そういう意味でいったのではないのじゃが・・・)
いかがでしたでしょうか。
感想も2件もいただいていまして!
嬉しくて手がぷるぷる震えましたwありがとうございます!
主人公の理解役が欲しいと書かれていましたので
追加してみましたがいかがでしたでしょうか。
次の5話で隆二との決着!!になるといいなぁ
といきあたりばったりで書いてる作者でした。