牢獄
2話目です。
文章を書くのが苦手なためおかしいところがぽろぽろでてきますね;
難しいです。
"おい!さっさと起きぬか、小僧!"
忌々しい異世界に来る原因となった女の声が
僕が目を覚ました時に聞いた一声だった。
薄暗く、湿った空間。
背中から伝わる堅い感触、石の寝台。
どうやら僕は本当に牢獄に入れられたみたいだった。
ミネルヴァに殴られた頭の痛みと石の寝台で寝て痛む体の感触が夢ではないことを再認識させる。
"この救世を司る高位神!女神べリアース様がこの陰気臭いところに
わざわざ来てやっているのだ!感謝せい!"
キンキンと響く少女のような声のほうへ目をやる。
艶やかな紫色の髪をツインテールにした、周囲に光のオーラをまとう強気そうな少女がめんどくさそうに立っていた。
寝ながら話を聞くのは誰に対しても失礼であると思い、僕は起きあがり寝台に座った。
「それでお偉い神様が何かご用ですか?ていうかはやく元の世界に戻せよ。」
(元の世界も嫌いだけど、肉親と一生会えないのは困る。)
"うむ!いまこの世界は闇の高位神の加護を受けた魔王とそれに従う魔族どもの侵攻によって人間達が滅ぼされそうになっておるのじゃ。
そこで、この救世の女神たるこのワシが救世主を異世界から選び連れてくることになったのじゃ。
しかし問題が起きての・・・。"
そこで一息つくと僕を忌々しそうに
"貴様のように醜い小僧が救世主だったとは・・・小僧の力が膨大すぎ、またリュウジにもかなりの力があるから区別できずにリュウジを召還してしまった所、気を利かせた魔法陣が本来、救世主になるべきだった小僧もひきずって来てしまったようなのじゃ"
「じゃあ隆二に魔王討伐任せて、僕は帰らせてくださいよ」
"いや、それはできん。魔王を倒さん限り戻れないし、能力値A+であっても、かの魔王には敵わぬのじ ゃ・・・。能力値が平均SS以上でなければのう。小僧の横に判定機があるじゃろ?さっき寝ている間に調べさせてもらったのが、平均SSランクじゃった。ちなみに小僧に触れた汚らわしい判定機などいらんので返さなくてよいぞ!"
「それで僕はどうすれば、元の世界に返してもらえるんですか?」
僕は平静を保ちながら従順な態度で質問した。
"リュウジのために陰で魔族討伐を手伝うのじゃ!陰でコソコソ魔王討伐とは小僧、貴様の容姿にピッタ リの役目ではないか! ハハハハ!"
「隆二様の手伝いをするためには、力の使い方が分からないと魔王討伐のお役に立てそうにもありませ ん。どうか私に力の使い方と使える仕組みを教えていただけませんか?」
"むぅ・・・リュウジのためじゃし仕方あるまい!よかろう教えてやるが1度しかいわぬぞ"
女神はリュウジの事を考えたのか、可愛らしい顔を赤く染めた。
"あちらでは人間達の魔力を星から吸収することによって、神々が世界を運営しておるが、こちらの神々は吸収せんでも個々が強い魔力をもっておるのでな。吸収せずとも良いのじゃ。だからお主ら異世界人は世界を運営するための膨大な魔力を持ってこちらへ来るから、あの世界の者がこちらに来れば、誰でもこの世界の者よりも強いというわけじゃ。その中でもリュウジと不本意ながら小僧は飛び抜けた魔力量をもっていたというわけじゃそして能力値とは筋力、魔力、耐久、幸運、敏捷のランクを平均で表した値じゃ。
他にも固有の 能力があったりもするがのぅ"
怒りでこめかみを引きつらせながら更に僕は質問をしていく。
「隆二様は能力値A+とのことですが、どの程度すごいのでしょうか?」
"ランクにはA~Gまであってな、一般的には農民じゃとF、兵士はD~E、騎士はC~Dじゃの。
Bもあればこの世界では英雄クラスじゃ。まぁたまにAを超えた小僧のようなS以上の奴もおるがの。
あとは・・・使い方じゃな なぁに、魔力がSSSSSのお主が念じるだけで、この世界ではなんでも 可能じゃ!SSSSSなど今まで見たこともないぞ・・・。最高神すら凌いでおるかもしれんのう。
まぁ説明はこれぐらいでよいな、小僧のような醜い者とこれ以上話せば口が腐ってしまうわい。"
ある程度情報を聞き出した僕は、これ以上怒りを我慢する事ができなかった。
「教えてくださりありがとうございます、女神様。」
"うむ! それではワシの愛しいリュウジのために頑張るのじゃぞ!"
「はは、ご冗談を。爆ぜて死ね、糞女!」
三日月のような形の笑いを浮かべた僕は怒りをこめて念じた。
"っっっ!!??"
救世の女神は悲鳴すら上げることができないまま爆散しこの世界から消滅した。
「ふぅー生まれて初めてスッキリした気分だ・・・」
ほがらかな気分になりながら僕は判定機の文字の浮かんだ透明な宝玉を見る。
能力値:SSSS 筋力B、魔力SSSSS、耐久D、幸運F、敏捷S
対魔力 SS 狂化 F **** EX **** EX **** EX
称号:神殺し(補正で各数値が30%向上)
「・・・。これはひどい。」
あまりものチート性能に絶句する。
ミネルヴァに簡単に倒されたのはこの異様に低い耐久値のせいかと納得しながら、
文字化けが3つもあることに、判定機が故障しているのではないかと一抹の不安を覚える。
「さぁて・・・これからどうするか・・・」
狭い牢獄の中で一人、堅い石の寝台の感触を羽毛ベットのようなふわふわの感触にし、
これからの事に思いをはせるのだった。