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空を目指して走れ~地下ロボ闘技場でトップランカーを目指す俺の記録~  作者: ユーリアル


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MMW-054


 メタルムコア、MMWの動力源にして、全体の性能上限を測る目安になるパーツ。

 中には、特別な加工を施した宝石に、力を増幅するための配線。

 それらを、正体をよく知らない金属で作った箱の中に収める。


 あとは、人間が起動の意思を込めて接触すると動いてしまう。

 そう、動いてしまうのだ。


 始まりは偶発的にメタルムコアとなったものを、うっかり触ってしまったからだと言われている。

 仕組みを人が解析したのは、地上から追われる前だと教育では教わった。


 地下世界に移り住んでからも、人の生活にメタルムコアは欠かせないものになっている。


「そんなメタルムコアなわけだが、ランク1や2程度では、その精度も甘い」


「そりゃ、そうだよね。数が違いすぎるもん」


 ひとまとめに教育を受け、命がけの戦いに挑む戦士たち。

 そんなランク1の人数は、数えられないほどいるはずだ。


 1人1人、MMWに乗るとなればコアもその分必要。

 そんな1機1機が、しっかりしているかというと……うん。

 いつ死ぬかもしれない相手に、しっかりしたものを使わせるだけ無駄だ。


(それこそ、もう乗る人がいない中古のMMWを解体して……いや、考えるのはやめよう)


 訓練ができる機材のそばにある椅子。

 そこに俺とリング、アデルで座りまずは座学のような時間。


 その間、お嬢様とエルデは、どこからかやってきたお手伝いさん?と話し合いをしている。

 泊まり込みがどうとか聞こえてるから、そういうことかな。


「そういえば、参加しそうなランカーの装備とかはわかるの?」


「どうせ戦わないからと見てないだろ? ちゃんと見れるぞ」


 言われ、タブレットを操作すると……本当だ。

 広告めいた描かれ方をしてるのが、ちょっと面白い。


 これを見る限り、上位のランカーは多くない。

 アデルやその1個下でさえ、10人いない時もありそうだ。

 試合回数が少ないのも納得だし、当然だな。


 ほぼ毎回、見知った相手と命をかけて戦えと言われて、気分がいいわけはない。

 大体、そのころになれば自分を買い戻せるぐらい稼げているはず。


 上位に行くほど、訳アリも多かったりするのだ、とプレストンが教えてくれた。


(俺にはわからない話だけどねぇ……)


「ほとんど遠距離中心の編成だ……アデル以外」


「近接武器は、決まると試合がすぐ終わるんだよな。だから、撃ち合いがいろんな意味で好まれる」


「装甲も分厚くなり、よほどうまくやらないと貫けん。やり方を間違えなければ、問題ないが」


 2人の話に納得しつつ、俺はタブレットを操作する。

 今の俺の機体、プレストーンで使用可能なブースターたちから、よさそうなのを選び、画面操作。


 データ上では、その性能通りに動くものが出来上がるわけだ。


 ランク2のベース機体であるMMWプレストーン。

 汎用性が重視され、バランスがいいといえば聞こえがいいが、逆に言えば特徴がない。


 メタルムコアの出力限界も、低くはなく、高くもない。


(そこでどうやって上位ランカーに勝つ状態にするか……これだ)


「背面武装は最小限でいいや。その代わりに、MMWに特殊な加工をしたいかな」


「特殊……私はほとんどやらなかったな。どれどれ……」


「ものによっちゃ、戻せねえからなあ。で、どうする……これは……」


 2人に画面を見せると、揃ったように押し黙った。

 頭の中のプレストンも、笑ってばかりで突っ込んでこない。


 俺が今回選択した装備は……普通じゃないもの。


「武装のスペースにメタルムコアを増設、連結して起動させる、か。確かに可能だ」


「可能つってもよぉ、これじゃ後ろから食らったらそのままドカンだぜ?」


「どうせ後ろに食らうときは、ほぼ負けだよ、リング」


 そう、出力が足りないなら補えばいい。

 妥協した装備では、妥協した結果しか残せない。


 メタルムコアを増やし、ブースターのための出力を確保しつつ、武装もしっかりしたものを。


「それもそうだな。となるとブースターは贅沢にいけるな。あとは手持ち武装と、腰あたりにくっつけとくか」


「久しぶりに調整にわくわくするものになりそうだ。ああ、残弾の心配がいらない、少々変なのもある。使ってみろ」


「残弾の心配がいらない? エネルギー銃? いや、これは……飛ばせる刃?」


 アデルのコレクションから選ばれた近接武器は、エネルギー剣。

 しかし、それは専用の操作で刃を投てきのように飛ばせるものだった。


 武装は貸出だから、お金はかからない。

 あとはコアの増設だけが問題だ。

 勝つつもりだからと、ここまでアデルに借りるのもな……。


『忘れたか? タルクスの予備機扱いがあるだろう。コアは量産品だが、買っておいたはずだ』


(あっ、そうだ!)


 前に撃破した相手のMMWを、予備機兼修理部材取りとして残してあった。

 そのことをアデルに伝え、作業依頼を先にしておく。


「先に習熟訓練を始めててくれ。俺も機体をよく考えないといけない」


 真剣な表情のリングに頷き、俺は先に始めることにした。


 さて、どこまで動けるか、楽しみである。



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