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空を目指して走れ~地下ロボ闘技場でトップランカーを目指す俺の記録~  作者: ユーリアル


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MMW-180


「そんな施設が……運び出せそうかね?」


「記録は取ってあるよ。停止させたときに、なんていうのか、後から設置しただけなのも確認済み」


 メタルムコアはメタルムコアということで、何かに使える可能性を考えてあった。

 さすがに、あの状況で持って帰るのはどうなのかと思っただけなのだ。


 問題は、中身があまり良い状態じゃなかったことだが。

 いくら洗浄するといっても、少しね。

 そのことを伝えると、ベルテクスは首を振った。


「道具は使いようだ。それに、その大きさであれば、より安定して眠っていられるだろう」


「では決まりだな。ベルテクス、大規模輸送用の車両があるだろう。借りられるか」


 どうやら、俺の知らないものはまだたくさんあるらしく、アデルの交渉が始まった。

 ベルテクスも彼の提案には問題ないと判断したらしく、すぐに承諾の返事が出たけれども。


 どういうこと?という俺の視線に気が付いたアデルが笑みを浮かべてこちらを向いた。

 まるでいたずらを説明する子供のようだった。


「コロニーの維持設備として、重量物を運ぶための専用車両がある。簡単な整備・修理しかできない、まさに1点ものだがな」


 以前、アデルの拠点で見た浮かぶボードの仕組みが荷台にある特別製らしい。

 それなら、今回の巨大コアも運べるだろうとのこと。

 そんなものがあるなら、前にも貸してくれればよかったのにと思ったりしたが……。


 その場合、料金は取られただろうなと思いなおす。


「依頼の清算とか、そういうのはリングとしてもらってもいい?」


「ああ、問題ない。アデル、貸出キーだ」


 アデルに渡されたカード状のキー。

 不思議と、今の技術ではないなと感じる見た目だった。


 俺はアデルに促されるまま、建物から出て別の場所へ向かう。

 大きな倉庫のような場所に到着し、アデルがMMWごと中に入るのを外で待つことに。


 しばらくして、出てきた車両は確かに大きい。

 荷台には、アデルの機体が座った状態で鎮座していた。

 どうやら、固定器具もあるようでこれなら例の装置は2台ぐらいは積めそうだ。


「本当は運転手を確保したいが、時間が無い。このまま向かうとしよう。仲間への連絡は今のうちにするように」


「休む暇もないのね、了解。俺は大丈夫だよ」


 ソフィアとリングに、ベルテクス経由で急ぎの仕事を受けたことを伝える。

 機械獣に、待機命令は出したままにしておくことも添えておいた。


「出るにはこちらからだ。少し遠回りだがね」


 さすがに大きな車両だけのことはあり、ここからコロニーに出られる広い道は少ない。

 来たことがない方向の道を進み、コロニーの外へ。

 そのままぐるっと外周を回り、機械獣たちのもとへ。


「何かが襲ってこない限り、待機っと。便利だなあ」


『放置しておくと、エネルギー切れまでこのままだからな。ちゃんと戻ってきたら管理しないとな』


 都合、41機の機械獣(留守番の1機はいつの間にか合流していた!)を待機させ、出発。

 来た道をまた行くだけだから、多少は気が楽だ。

 途中、地揺れでひび割れでもできてないかを気にするぐらい。


 アデルの運転する車両は、そんな心配事は無視するかのように高速だ。

 心配して声をかけた俺に対し、帰ってきた答えは……俺が前にいてくれればいいだろう?とのこと。


「確かにその通りだけどね、うん」


 ドーンスカイの速度を上げ、機械虫の拠点だった場所へ。

 可能な限りの速度で突き進み、目的地へは順調に進んだ。


 2度ほど休憩はしたけど、本当にただの休憩だ。


「アデル、そんなにヤバイ?」


「指導者は大丈夫だろうが……あの施設に何かあってもなと思うのだ」


 2度目の休憩の時に、そんな会話をした。

 彼の言うように、何があるかわからないのは怖い所。

 最悪、別陣営の人間が来ていたり、別の機械虫が来ているかもしれない。


 そんなことを考えながら、再びやってきた機械虫の住処。

 幸いにも、外から見る限りは何も変わっていないように見えたのだった。


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