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おなじ空のした、同じほし見上げて。  作者: る
王子の旅立ち
8/10

魔の森

~魔の森?~


昂る気持ちを抑え込めずに一心不乱に

ふもとの村を駆け抜け、森の中まで来ていた


「リルー!居るんでしょ!?」

「すごいんだ!勇者様の伝説が!あったんだよ!」

「聞いてよ!リルーー!!」


この気持ちを共有したい!

誰かに伝えたい!そう思った時に頭をよぎった

唯一の同じ年くらいのお友達

リルは僕がこっそり森に入った時に出会った女の子だ


「ウィル?私はここに居るよ」

「それに、そんな大声で森の中に進むのはよくない…また迷うよ?」


「リル!!」

「良かった会いたかったんだ!」


振り返ると透き通るような青い髪の女の子が木の陰から出てきてくれた

また…というのは実は出会った時僕は迷って帰れなくなってたからだ

でも,今はそんな事より!


「リル!実はね!僕の王国にある噴水が,勇者の石で!落として皆を救ったときの!」


「ウィル、わかったから落ち着いてよ」

「ここはもう森の中、最近だと危ない獣が出るんだよ」


「わ,わかった,,,ごめんね 少し興奮しちゃって」


「うん、それで?なにがあったの?聞かせてよ」


僕は昂る気持ちを抑えて王国の名物にもなっている噴水の下に

星の欠片が埋まっていることを,勇者物語が本当にあった歴史の話だと

いうことをリルに語った


「本当のお話だったんだね!すごい!」

「じゃぁ、もしかすると物語に出てくる世界が全部本当なんだったら、、、」


そうだ,リルも僕と同じことを考えてる!

あるんだ,,この世界のどこかに,空に浮かぶ国も,滝の中に住まうドラゴンも,幻のダンジョンも,雲の上まで伸びる樹も!それに…


「あるんだよ!勇者様が集めてた各地のお土産も!」


「、、、ウィルは本当に勇者様が好きなんだね」

「私も、見てみたい、行ってみたい所がある」


「行ってみようよ!2人で!世界を見て回るんだ!」


そんな話をリルと2人盛り上がっていると

日は沈み、森の中はもう真っ暗になっていた

楽しい時間は本当にあっという間だった

サーヤさんのお勉強はすごく長いのに…


「楽しみだね,帰ったら早速エルナさんに相談して…あっ!」


何も言わずに出てきてしまったんだ…大変なことになった,,,

今から帰ったら怒られないかな,,,でも,

話に夢中でもう目の前の茂みの先すら暗くて見えない

どうしよう,,,


「ごめんね、私も少し時間を忘れて話し込んじゃった、、、」

「大丈夫、私がふもとの村まで送っていく」

『ライト』


そういうとリルは手のひらから

光る丸い球を出した あたりを照らす魔法だ

すごい,,,僕もリルの前で怖がってる姿を見せられないや

そう思い少し小走りに前に出た


その時


ガサガサガサッ


「な,なに?!」


「ウィル!ダメ!何か来る!こっちへ来て!」


暗闇の先、草木の中をものすごい速さで何かか近づいてくる

手足が震えて,声が出ない,

あまりの恐怖に息が上がってくる

リルの方を見るが体がうまく動かない

勇者様ならこんな時――


ワオォォォーーーーン―――


「あぶない!!リル!!!」


その瞬間,時間が止まっているかのように感じた

僕達に迫っていたなにかは,まるでライオンのような獣だった

リルの背後から現れ,爪で薙ぎ払おうとしている

全てが止まっているかのようにゆっくりと流れる光景に

僕は手を伸ばし駆け出していた

まにあえ――。


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