約束とは
~王城~
「やぁ,エルナさん 国王様に謁見しに来たんですが 今はどちらに?」
「これはこれは,バジル様 お伺いしております 中庭の方でお待ちしていますよ♪」
「ありがとう,それと 先ほどウィル様に町でお会いしましたが,なんでも友達のところへ行くと」
「ウィル様が?!今はサーヤ様とのお勉強のはず...また勝手に抜け出して!」
今度という今度はこの私も心を鬼にしてお伝えしないとッ!
お友達,この間楽しそうに話していた森のふもとの村で出会ったっていう
たしか リル様 だったかしら...
「ありがとうございます!私,迎えに行ってきます!!」
「それがいいでしょう あ,町で私がお会いしたというのはご内密に 約束してしまいましたから国王様には言わないと」
「それで、私に,重ねて感謝の気持ちを...では,失礼します!今からでは夕刻になってしまいます,急がないと!」
ウィルよ
あいつには話さないといったが給仕は約束の範囲外だ
それにしても慌てて出ていったが...夕刻?
まさか,森の方に向かったんじゃないだろうな...まさかな
~王城 中庭~
「いつきてもここの庭は素晴らしいな」
「あぁ,来てくれたのか 今日は相談があってな」
「もうそんな時期だろうと思っていたよ 約束だからな」
様々な花の中を転々と蝶が舞い
鳥の声が木霊する優しい木漏れ日が包み込む中庭にて
かつて,共に世界を見て回るとこの国を飛び出した者たちの
話し合いが行われた。