小さな世界の
イタタタ…
いつもの訓練の3倍くらい厳しかったなぁ
今日の勉強は絶対に寝ないようにしなくちゃ
「…サーヤさん怒ると怖いもんな―」
「あら?ルーウェル王子様」
「ッ!サ,サーヤさん!おはようございます!!」
「おはようございます,どうやらたっぷりと指導を受けて来られたようですね」
「お食事がすみましたら私の研究室まで遅れないように来てくださいね」
「はいっ!よろしくお願いします!」
「では,後ほど お待ちしております」
今日はきつい1日になりそうだ
たしか,王国の歴史についてだったよね
昨日教わったところを読んでから行かなくちゃ…寝ちゃってたから
…いっそ抜け出して街に行こうかな
「そうそう,エルナからこちらの本を預かっていますので 逃 げ な い で くださいね」
ははは――
笑顔が怖いよサーヤさん
~食堂~
「遅かったですね,ルゥ様♪」
「エルナさん,僕の宝物の本サーヤさんが持ってたんだけど...」
「はい,少しでも早くお返ししたく,お食事の後のサーヤ様のお勉強の時にお渡ししていただこうと思いまして♪」
「ルゥ様の宝物ですから♪」
なんでだろう...(勉強を抜け出したり,訓練に遅れたり,苦手なニンジンを残したり...)
お城を抜け出して町に行ってる事ばれてるのかな...思い当たるのはそれしかないけど
みんなが厳しい!
「さぁさぁ,早く席についてください」
「ルゥ様の思っている通り,抜け出したことも,寄り道して遅れたことも,料理長にニンジンを出さないで―ってお願いしたことも,全部筒抜けですよぉ?」
「…」
「ごめんなさい!!」
「ふふ♪それに,こっそり町に行ってることも♪」
終わった…。