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メンタリストは万能じゃない

作者: 明日香狂香

 老人になってわかること、病気にかかってわかること、事故にあってわかることということがある。若者には逆立ちをしても理解できない感情や状況というものが存在する。


 社会に貢献してないものは犯罪者と同じと思うのも、その一つかもしれない。社会貢献したくても手足を縛られていたら、何も出来ないのといっしょで、活躍の場ががそもそもないことも多い。生産性や効率を重んじている世の中では、老人や障害者には活動の場すら提供されないことも多い。


 彼の場合は、自己への貢献度がすべてとしてまるで支配者になったかのような言動になったことは論外であるが。働かざるもの食うべからず。かれが国王だったら問題はなかったかもしれない。しかし、かれはそうではない。人々に仕事を与える立場にはない。なので他人の命の選抜をする立場にもない。


 犯罪者だって何も他人を貶めたくて犯罪を犯すとはかぎらない。政府批判をしている我々のような存在は、いつ犯罪者と言われるかわからない。ただ、自分にとっては、そうなっても言うべきことを言わないほうが悪だという想いがある。


 南部鉄瓶に社会的な思想を感じる人はいないだろう。実用品を生み出す作家には作品に思想を負わせる必要ない。物書きも、幼児絵本を書くのなら社会思想はいらない。だが、大人向けであれば別だ。思想を伝える作家もいるが、基本は社会の矛盾や問題点を伝えることである。問題提起に対し、正解ではなく、色々な解決方法があるということを伝えることをしなければならないと思っている。


 見方を変えることで、世間でいわれていることが正しいとは限らないということを伝える。老人にしか語ることができないこともあるだろう。


 私の作品に、殺人でなく事故死が多いのも、犯人探しではなく、善意が人を殺してしまうことがあることを伝えたいからだ。


 おそらく炎上した彼も、本当に伝えたかったことは別にあったのかもしれない。猫じゃないんだから生かされていることに感謝し人として貢献しようということかもしれないが、その真意は私にはわからない。猫はともかく、猿や猪に苦しめられている人もいるので動物が善とは限らないんだが。


 批判されるは、己の価値感がすべてという言い回しだろう。

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