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第35話 俺が告白されなかった理由

 とある夕方。


「俺ってほんと幸せ者だよなあ」


 ふと呟いた。


「急にどうしたの?」


 怪訝(けげん)な様子のミユ。

 例によって、俺に膝枕されている。


「高校の頃、俺って告白されたことないだろ」


「う、うん」


 なんだか、ミユの様子が変な気が。


「で、今はミユみたいな可愛い彼女がいるわけだ。出来過ぎっていうか……」


「そのことなんだけど。実は、私のせいなんだ」


 ミユのせい?どういうことだ?


「リュウ君と私って、よく一緒に居たでしょ?」


「そうだな……言われてみればそうかも」


「だから、女の子たちは、私たちがデキてると思ったみたい」


「な、なんだって!?」


 大学生になって初めて知る驚愕の事実。


「ひょっとして、それが理由か?」


「そう。たぶんだけど、ね」


 幾分(いくぶん)気まずそうに答えるミユ。


「なるほどなあ。言われてみると納得だ」


 確かに恋人がいる男子にコナをかけにはいかないか。


「ごめんね。チャンス奪っちゃって」


 ぽつりとミユはつぶやく。


「いや、別に昔から好きだったし。今更だろ」


「ん。ありがと」


 気を取り直した様子のミユ。

 ミユは元気なのが一番いい。


 ぎゅっと抱きしめて、軽く口付けをする。


「んっ……」


 唇を離すと、ミユの頬が上気している。

 あ、これはスイッチが入った奴だ。


「あ、今はエッチはなしな」


「えー?なんで!?」


 不満げなミユ。


「ここのところ、連続だったろ。さすがに疲れる」


 たぶん、2日に1回くらいだったか。


「わかったよ。さすがに、やり過ぎたったかも」


「俺としても応えたいのは山々なんだが……」


 絶倫というわけではないので、限度がある。


「じゃあ、もっと精のつく料理作るね!」


「なんで、そっちの方向性に行くんだ……」


 そんな穏やかな夕方だった。

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