住処
住処
わたしが止まってしまっても
時間が止まることのないことが本当に嬉しい
こんなに美しいものに溢れているこの星が
わたし一人のために消えることがないことが嬉しい
天皇が死んでも 王様が死んでも
お寺の和尚さんが死んでも 司教さまが死んでも
大統領が死んでも 総理大臣が死んでも
ベートーベンとモーツアルトが死んだ時も
シュワイツァー博士とマリーキュリーが死んだ時も
父と母が死んだ時も
時間は止まらなかった
森があり 山がそびえ
砂浜があり その向こうに海が広がり
種があり 花を咲かせ
雨が降り 風が吹き
霜が降り 氷が張り 雪が降り
月が夜道をわずかに明るくし
太陽が地球に生きる力を与え
くりかえし くりかえし
そして くりかえし くりかえし
この美しい星は生き物たちに
限りなく生きるチャンスを与えてくれている
それを当たり前だと思っているのか
誰もが気がつかないのか 無視しているのか
くりかえし生きるチャンスを
奇跡というか
進化というか
習慣というか
運命というか
虹が半円を描く真下に
住処がある