チャーハン屋のドタバタイフリートさん
オス! 信じてもらえないと思うが、俺は【炎の聖霊イフリート】だ。先の大戦の後、【ルージュ】に言われてここシドニーでチャーハン屋をやっている。中華は火力が命! っつーわけで、俺が適任だったわけさ。だが、最近思った。ルージュがチャーハンを食べたいが為だけに俺をこき使っているのではないか?
「へい! チャーシューチャーハン一丁!」
最初は客なんて来なかったぜ。ふふん。まぁ、俺様にかかれば?このように満員御礼(?)なわけよ!
だが、一つ厄介なことが……。
「キー! イフリートの旦那、そっちに【デビルメイ】の巨人が行ったぜ!」
このどこからともなく聞こえる声は【ヤビ】、こいつもデビルメイなんだが、ルージュと暮らしている。ヤビは音を操る。だから、ルージュがスマホ変わりに使っているようだ。
「ったく、デビルメイもこりねぇな!」
そう、これが初めてではない。最初はデビルメイ八王子の一人【アイコン】がシドニーに現れ、槍で人々を殺しまくった。だが、俺がアイコンを倒した! あれ?そういえば、それからチャーハン屋が繁盛したような?まぁいいや、で、殺された人々なんだが、【水の聖霊ウンディーネ】と契約しているルージュが蘇らせたわけだ。水は命を司どるからな! 逆に俺の炎は【死】を司どる。アイコン相手にした時も結局、炎ではなく、死の呪文で倒したのは内緒な?
「ほー、でっけぇな」
ヤビから報告があった巨人のデビルメイだ。……デビルメイの肉って旨いのか?だとしたら、好機!
「イフリートプロトコル、セカ・イ・マルミ・エ(焼き尽くせ炎よ)!」
ゴオオオオオオオオオ! 巨人はもがき、苦しみながら、こんがり焼けた。一口食う。……。……………。旨い!! これはチャーハンに使えるぞ! ん?
「えーん、えーん」
「どうした?小僧」
「おうちがこわれちゃったあ!」
ああ、巨人のデビルメイのせいだな。
「これ食って現金だせ! 間違えた。これ食って元気だせ!」
俺は肉をわけ与えた。