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悪役令嬢型アンドロイド・エリザベスX ~ ティータイムは宇宙要塞で ~  作者: 鷹山 涼
6章 クラスタウォーズ・エピソード1 ファントム・アラシ
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6章 第2話 強敵の正体

遅くなってすみません。

 研究所を狙い撃つ砲台を破壊しようとした禍流真WとクッコローネRであったが、そこにクラスタの切り札と思われる謎のアンドロイドが現れる。

 禍流真WはクッコローネRに砲台の破壊に向かわせて、自分は謎のアンドロイドと戦うためその場に残った。



 「オレを狙うならそれでよし。もしオレを素通りしてクッコローネRを狙おうとするなら、その時は容赦なく背後から攻撃させてもらう。 さて、どう出る?」



 謎のアンドロイドは二手に別れた禍流真WとクッコローネRを見てどうするか考えるような仕草を見せたが、どうやら禍流真Wと戦う事を選んだらしく、宇宙空間を切り裂くように高速で飛来すると、丁度そこに漂っていた瓦礫の上に降り立った。


 謎のアンドロイドと禍流真Wの距離は、4メートル程だろうか。



 「おいでなすったか。……どうやらオレの相手をしてくれるつもりのようで嬉しいよ。念入りにもてなしてやらなくちゃな」


 禍流真Wは軽口を叩きながら、目の前の相手を姿を確認した。


 その人影は漫画やゲームに登場する吸血鬼が着ていそうな、襟のある大きなマントをまとっていて、顔は鼻から上の部分をベネツィアンマスクのようなデザインの仮面で隠していた。

 マスクがあるため目元は見えないものの、露出している頭部と口元を見た限りでは黒髪の若い男のように見える。



 「仮面にマントか……フン、そんな妙な格好をして、よく恥ずかしくないものだ」


 黒いロングコートに十字架のネックレス、眼帯&指ぬきグローブに腕に包帯という自分の服装を棚に上げて言い捨てる禍流真W。

 完全にブーメラン発言である。


 

 「そうかい? 自分では気に入っているんだけどね。……じゃあ参考までに聞くけど、どういうファッションなら君のお気に召すのかな?」


 禍流真Wに対してそう返す仮面のアンドロイド。

 言葉のイントネーションも話す時の仕草も自然で、エリザベスXたちと比べても遜色無いほどに人間らしいものだった。

 

 「聞いてどうする? どうせこれから死ぬ身だ。ファッションなんて気にしても意味ないだろう?」


 禍流真Wは愛用の刀をスッと相手に突きつけるように構え、ニヤリとした笑みを浮かべた。

 すると仮面のアンドロイドもそれに応えるように左手に握る武器を禍流真Wに向けて構える。


 銃だ。見たところ旧世代のリボルバー式拳銃に見えるが、もちろんわざわざそんな骨董品を実戦に持ってくるとは思えないので、古いのはデザインだけで性能は別物と考えるべきであろう。



 「銃か。飛び道具を持っているくせに先制攻撃を仕掛けずにこうして近くまで来てくれるとは、随分と親切なもんだ。

 ……後でその余裕の態度を後悔することにならなければいいな」

 


 そう言いながら、禍流真Wが眼帯を外す。

 すると彼の瞳が怪しく光り、目の前の相手の情報を読み取り始めた。

 禍流真Wの特技の1つであり、仲間たちの間で『ステータス鑑定』と呼ばれている能力だ。


 目で見たものの情報を解析して数値化する機能というのは、それなりのスペックを持ったアンドロイドであれば搭載されていることも珍しくない機能ではあるが、禍流真Wの『ステータス鑑定』は一般的なアンドロイドが持つ解析能力などとは比較にならない量の情報を読み取ることができるのだ。


 ロボットやアンドロイドなどを対象とすれば、強度や武装、出力やエネルギー残量などから導き出される総合的な戦闘力に始まり、ある程度であれば思考さえも読み取ることさえも可能なのである。


 ちなみに余談だが、生身の人間に対して使えば衣服の上からでもあらゆる身体的特徴や体重、体脂肪率、肌年齢なども正確に測定して数値化することが可能なのだが、研究所の女性スタッフ全員から猛抗議を受けたナーロウ博士が泣く泣くリミッターをかけたため、人間相手だと本人の許可なく使うことはできないようになっている。

 


 「鑑定完了……」


 禍流真Wは仮面のアンドロイドのステータスを鑑定し、その数値を確認した。

 

 「戦闘力たったの5……」


 ゴミめ。……と言おうとした禍流真Wだったが違和感に気付き、再び気を引き締め直した。

 戦闘力5と言えば農家の中年男性くらいの戦闘能力だ。 単体で宇宙空間を高速飛行できるアンドロイドがその程度の戦闘力であるはずがない。



 「なにか面白いものでも見えたかな?」


 そう言ってわざとらしく首を傾げる仮面のアンドロイド。

 その仕草は自分が鑑定された事……そして禍流真Wがそのデータに疑問を感じている事に気がついているように見える。


 「……まさかステータス偽装スキルを使っているのか? オレたち北斗七星(グローセ・ベーア)以外にその能力を持っているアンドロイドがいるとは驚いた。

 ……だが鑑定ができないならこの手で直接実力を確かめるだけのことさ」



 そこまで言い終わると禍流真Wは一気に相手へ飛びかかり、刀を素早く振り下ろした。

 それは全速力ではなく、相手の出方を探るため7割ほどの速度で繰り出した攻撃ではあったが、規格外のスペックを持つ北斗七星(グローセ・ベーア)の中でもスピードタイプ分類される禍流真Wの7割だ。

 普通の相手なら避けるどころか反応すらできないだろう。だが……


 「甘いよ」


 仮面のアンドロイドはこの攻撃に合わせて身を屈めながら斜め前に滑るように踏み込み、攻撃を避けつつ禍流真Wの側面に回り込み、刀を振った直後にできた隙を狙って禍流真Wの脇腹に右の拳打を繰り出した。


 「なっ!? ……くそっ!」


 禍流真Wは相手の予想以上の動きに焦りながらも、咄嗟に飛び退いてそれをギリギリ避ける。

 小手調べのつもりで手加減していたお陰で、攻撃を避けられたときの隙もそれほど大きくなかったのが幸いしたようだ。

 だが仮面のアンドロイドの反撃はまだそれだけでは終わっておらず、続いて放たれた上段回し蹴りが禍流真Wの眼前まで迫っていた。

 

 「チッ……!」


 禍流真Wは左腕でその蹴りを防いだ。

 おそらく必死に避けようとすればなんとか避けることはできただろう。だが、直撃さえ食らわなければ大したダメージは無いだろうと考え、正面から受け止めたのだ。 


 だがその蹴りには彼が予想していた以上の威力があり、ガードした左腕に強い衝撃が走る。


 「ぐっ……! だがっ!」


 禍流真Wは想定よりも大きかった左腕のダメージに耐えながら右手に握る刀を横一閃に振り抜くが、仮面のアンドロイドはいわゆるバク転のように回転しながら大きく飛び退いたため、その斬撃は彼のマントの端を数センチほど切り裂いただけで体に傷をつけることはできなかったようだ。


 『攻撃を避けるためにわざわざバク転する必要性はあるのか?』

 『そんな動きをするくらいならその分の力でもっと素早く避けられるだろう』

 ……などという野暮な事は言ってはいけない。

 アクションシーンでは、必要以上にアクロバティックな動きをして格好つけなくてはいけないというのが暗黙のルールなのだ。

 


 「逃がすか!」


 禍流真Wは飛び退く仮面のアンドロイドを追い、再度距離をつめようとする。

 だが仮面のアンドロイドはクルクルとバク転しながら手に持った銃を連射し、追撃を狙う禍流真Wを牽制する。


 「チィッ!」  


 禍流真Wは迫り来る合計6発の弾丸を刀で全て切り払った。


 無傷で銃撃を防ぎきる事には成功した禍流真Wだったが、足を止められた一瞬の間に距離を取られ、追撃のチャンスは失ってしまった。

 だが、対する仮面のアンドロイドも銃に弾をこめ直しているため続けてすぐに銃を撃ってくることはできないようで、2人の攻防は一時途切れる事となった。



 「……仕切り直しか」


 そう呟いた禍流真Wの表情は先程までよりも真剣だった。

 今の攻防で仮面のアンドロイドの実力が想像以上だと気づき、警戒レベルを大きく引き上げたのだ。


 「さっきは甘く見ていて悪かったな。次は本気で行く」


 禍流真Wは左手を軽い上げ、手のひらを広げた。

 するとその手に光の粒子が集まり、ゆっくりと日本刀の形になっていった。


 その刀は元々使っていた1本目の刀とほぼ同じ見た目だが、1本目が『罪』と書いてあるのに対して、2本目は『罰』と書かれている。

 『罪』と『罰』の二刀流……これが禍流真Wの本気の戦闘スタイルなのである。



 「見せてやるよ。これがオレの切り札だ!」


 仮面のアンドロイドに向かって踏み込んだその動きは、明らかに先程よりも速かった。

 どうやらただ単に刀が増えたことで攻撃回数が増えたというだけではなく、戦闘能力全般が1段階引き上げられているようだ。


 「おおおおおおぉぉぉっ!!」


 「!……なるほど、速いな。これは手強い」


 気合いと共に繰り出される猛烈な連続攻撃に仮面のアンドロイドは防戦一方となり、次第に避けきれない攻撃がその体にかすり始める。


 「見えた……そこだっ!」


 仮面のアンドロイドが僅かにバランスを崩した隙を見つけると、そこへ目掛けて禍流真Wが鋭い斬撃を放った。


 避けきれるタイミングではなかった。……だが、確実に仮面のアンドロイドを切り裂くかと思われたその斬撃は、いつの間にか仮面のアンドロイドが右手に持っていた白銀色の片手剣によって防がれていたのだ。


 「おっと、今のは危なかった」


 「剣だと!? くっ……そんな物、どこに隠し持っていた?」


 自分も謎の技術でどこからか2本目の刀を取り出したということを棚に上げて驚く禍流真W。完全にブーメラン発言である。



 「……まあいい。お互いに手の内を晒したなら、あとは互いの手札のどちらが強いかっていうだけのシンプルな話だ。

 さあ、そろそろケリを着けるとしようか!」

 

 「フッ、お互い……か。俺はまだ手の内を全て晒したとは言ってないんだけどね。 でもまあ決着を着けるって事には賛成だ。

 それじゃあ……終わりにしようか!」


 

 1人は黒いコート・指ぬきグローブ・腕に包帯という姿で二刀流を操り、もう1人はベネツィアンマスクに襟つきマント姿で剣と銃を同時に操る……

 

 今……星の海を舞台に2人の中2病アンドロイドがぶつかり合う。

 



 ーーーー


 

 研究所からモニター越しにその戦いを見ていた者たちは、驚きを隠せない様子であった。



 「……ねえ。速過ぎて俺の目じゃあ戦況がよく分からないんだけど……あの相手、凄く強いんじゃないの?」

 

 愛用のパワードスーツが破壊されたライトは今は普通の宇宙服を着ているため、身体能力や動体視力は本来のレベル……つまり一般人レベルになっている。


 そのため今の戦いは人影が高速で飛び回っているようにしか見えなかったようだが、それでも今まで敵の戦闘ロボット達を一瞬でスクラップに変えてきた禍流真Wと戦い、今もまだ決着がついていないという時点で相手がただ者ではないというのは理解できた。



 「あのアンドロイド、禍流真Wと正面から互角に戦っているのじゃ! すごく強いのじゃ! 妾たち以外にあんなアンドロイドがいるなんて知らなかったのじゃ!」


 「……正直、驚きましたわね。あんな戦力があるとはクラスタの開発技術は想定していたレベルよりも上だと考えるべきですか」



 子供のように素直に驚くノジャロリーナSに対して、険しい表情で相手陣営の戦力を分析し直そうとするエリザベスX。

 リアクションに違いはあるがどちらも共通して、『クラスタがナーロウ博士のアンドロイドに対抗できる技術を持っている』と受け取っているようだ。


 彼女たちはナーロウ博士の技術の高さを信じてはいるが、自分たちの生まれた時代から50年以上経っている現在では、自分たちに対抗しうる技術があってもおかしくはないと考えているのだ。

 

 ……だがこの時代で生まれ育ち、世間一般の技術レベルがどの程度なのかをよく知っているライトは、そうは思わなかった。



 この時代の技術は、まだまだナーロウ博士のレベルに追い付いてなどいない。


 もちろん大きく進歩した技術もあり、その中にはナーロウ博士が驚くようなものもあるだろう。だが、少なくともアンドロイドのスペックに関しては比較にもならないほどの差があるのだ。

 大国の軍事開発施設などならまだ可能性はあるかも知れないが、クーデター軍の残党を母体とした一組織に過ぎないクラスタに、禍流真Wと互角に戦うようなアンドロイドが造れるとはとても思えない。


 ……ナーロウ博士以外に、ここまで強いアンドロイドは造れない。

 だが、現にここに敵として存在している。 ……なら、このアンドロイドは何者なのか?


 ライトの頭には、ある可能性が思い浮かんでいた。



 「……ねえ、もしかしてなんだけどあの仮面の男って、実はナーロウ博士のアンドロイドで、50年前の戦いの時とか、その後ナーロウ博士が亡くなったときのどさくさとかでクラスタの手に渡った……なんて事はない?」


 ライトがその仮説を口にすると、エリザベスXはハッとした顔をしてから小さく頷いた。


 「……なるほど、確かにそれもあり得ますわね。何らかの理由でクラスタの手に渡った仲間が、プログラムを書き換えられて敵になっている可能性はありますわ」


 「やっぱり。……それで、もしあれが元・仲間だとしたら、一体誰なのか心当たりはある?」



 ライトがそう質問すると、エリザベスXとノジャロリーナSの2人はお互いに顔を見合せ、そして再びライトの方を向き直した。

 ……2人とも困ったような表情をしている。



 「のじゃ~……あんな仮面をつけていると、誰だか分からないのじゃ」


 「ええ、残念ですが仮面のせいで顔が分かりませんから現段階ではなんとも言えませんわ」


 「えっ? あのマスクって目元しか隠れてないから、知り合いならなんとなくでも分からない? それにさっき喋ってたから声も聞こえたし……」


 「不思議な事を言いますわね、ライト・ノベル。確かに口元や髪は見えていますし、大まかな体格も判断できます。それに声も聞き取れましたわ。ですが仮面を着けているのですから、誰なのか分かるはずないではありませんか」


 「あ……あれ? 普通は口元と髪と体格と声が分かるなら、少なくとも知り合いかそうじゃないかくらいは判断できると思うんだけど……」


 「それだけ情報があれば簡単に判断できるのじゃ。でも仮面をしているから今回は判断できないのじゃ~……」



 なにやら話が噛み合わないが、エリザベスXもノジャロリーナSも冗談を言っている様子には見えない。どうやら本当に相手の正体が分からないようだ。

 

 彼女たちの頭にはナーロウ博士の造り出した仲間たち全員のデータがしっかりと記録されている。その上、物の形やサイズを正確に判断する目も持っているのだから普通なら仮面を着けた程度で誤魔化されるはずがない。

 なのになぜ今こうして相手が誰だか判断できないのか?

 それは、例によってナーロウ博士の余計なこだわりによって起きている事だったりする。



 ナーロウ博士は、いわゆる『お約束』というものを大切にしていて、自分の生み出したアンドロイドたちにもその思考をプログラムしてある。

 それによって彼女たちは、かつての仲間が仮面を被った姿で敵として現れた場合、たとえどんなに外見が似ていても、明らかに声が同じでも、実際に仮面の下の素顔がハッキリと見えて、

 『な……!? まさかお前は! そんな……なぜお前がここに……?』

 『フッ……やっと気づいてくれたのかい? そうだよ、俺だよ』

 みたいなイベントが発生するまでは、相手が誰なのか特定できないように思考を制限されているのである。



 今まで何度もナーロウ博士の妙なこだわりを目の当たりにしてきたライトは、エリザベスXたちの様子を見て、今回も多分そういうものが関係しているんだろうとなんとなく察したようで、苦笑いしながら「あー……そっか、分からないなら仕方ないね、うん」……と言って話を終わらせると、モニターへと視線を戻した。

 ……そして次の瞬間、ライトは思わず声を上げてしまった。


 「ああっ!?」

 

 モニターに映し出されていたのは、禍流真Wが左手の刀を弾き飛ばされ、完全に態勢を崩してしまっているシーンだったのだ。



 ーーーー




 「くっ……しまった!」


 仮面のアンドロイドと一進一退の戦いを繰り広げて来た禍流真Wであったが、戦いが続くにつれ先ほど回し蹴りを防いだときのダメージがじわじわと響いてきたのか、左手の握力が少しずつ弱まっていき、ついには攻撃を防ぎきれずに刀を弾き飛ばされてしまったのだ。


 「勝たせてもらうよ!」


 「っ……! まだだぁ!」


 仮面のアンドロイドの斬撃を、敢えて武器を失った左腕で防ぐ。

 何とか剣を止めることには成功したものの禍流真Wの左腕には刃が深々と食い込んだ。

 その傷口からは流れ出すオイルと時折青白くスパークする電流が確認でき、一目見ただけでも本格的な修理が必要だと分かるほどに酷い状態だ。


 だが彼は大破状態にある左腕を気にもせず、捨て身の覚悟で残された右の刀を全力で突き出した。


 「うおおおぉぉぉ!」


 「っ……!」

 


 禍流真Wが左腕を犠牲にして繰り出した捨て身のカウンターだったが、仮面のアンドロイドは咄嗟に上半身を大きく反らすことで直撃を避けた。

 攻撃は仮面の端に当たり亀裂を入れたが、本人にはダメージを与えることは出来なかったようだ。



 「……今のは危なかったよ。でも俺の勝ちだ」


 その言葉と共に禍流真Wの胸元に銃がグイッと押し付けられ、至近距離から弾丸が撃ち込まれた。


 「ぐはっ……!」


 禍流真Wの防御力であれば、大型の重火器ならともかくハンドガン程度であれば至近距離から撃たれてもさほど大きなダメージは無い。

 だが、なぜか禍流真Wは今の一撃で全身から力が抜けていくのを感じた。



 「この弾丸にはアンドロイドの機能を停止させるコンピューターウィルスが組み込まれている。……以前から俺が愛用していた物だから、君も知っているはずだろう? なあ、兄弟」


 男はそう言って笑った。

 その時、男の顔を隠していた仮面にピキピキと亀裂が広がっていったかと思うと次の瞬間パリンと砕け、男の素顔が(あらわ)になる。


 その正体を見た禍流真Wは、ウィルスの影響で満足に動かなくなった体を引きずりながらも驚愕に目を見開いた。



 「なっ……まさかお前は! そんな……なぜお前がここに……?」


 「フッ……やっと気づいてくれたのかい? そうだよ、俺だよ」



 そのアンドロイドは、ナーロウ博士の傑作、北斗七星(グローセ・ベーア)の一員であり、かつてのクーデターを終わらせた立役者。

 そして、その戦いの最後で自爆技を使い、アラシ・クレームメールと共に炎の中に消えたとされていた伝説のアンドロイド。


 ……勇者型アンドロイド・タロウDSであった。




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