4章 第3話 ライト・ノベル強化計画 (試運転)
翌日、ライトが朝食を食べ終えて食後のコーヒーを飲んでいるとき、部屋のスピーカーから声が聞こえてきた。
《ライト君~、パワードスーツが完成したわ~。作業場まで~来てくれる~?》
(コーヒーを飲んでるはずなのに、エルメスTの声を聞いたら眠くなるなぁ)
のんびりと間延びした声を聞いてクスリと笑ったライトは、カップに半分ほど残ったコーヒーを一息で飲み干してから立ち上がった。
「二人とも、聞いての通りだから俺は作業場に行ってくるよ」
ライトは、食器の片付けをするミリィちゃんとライトのベッドに横になって無双ハーレム小説を読んでいる五所川原Jに一声かけてから部屋を出て、作業場へと向かった。
『ナーロウのアトリエ』と書かれた扉をくぐると、目の前には2メートルほどのサイズの、鎧と宇宙服を合わせたような物が立っていた。
「わあ……もしかしてこれが?」
「あ~、ライト君~、来てくれたのね~。見て~、基本部分は完成したわ~」
「ん? 『基本部分は』って事は、全部が完成したわけじゃないってこと? 見た感じは完成してるように見えるんだけど」
「う~ん。完成と言えば完成なんだけど~……メイン装備を何にするかで~、三人の意見がまとまらないの~。 ライト君~、あなたが決めてくれな~い?」
「えっ? メイン装備?」
なんの話かと思って様子を見てみると、クッコローネR、ノジャロリーナS、そしてエリザベスXが討論をしていた。
「やはり、メイン装備と言えば、一番オーソドックスな剣であろう! ライト卿本人も剣技への興味があるようであるし、ここは剣に決めるべき! 技術は私が……その、て、手取り足取りコーチをだな……」
そうクッコローネRが力強く主張した。
「剣は地味なのじゃ! やっぱり目からビームが一番なのじゃ! カッコいいし遠距離攻撃だから安全なのじゃー!」
次にノジャロリーナSがキツネ耳をピンと立てて主張する。
「フフッ、分かっていませんわね。我々がいる以上ライト・ノベルが直接戦う事など、ほぼありませんわ。
ならば、ここで必要なのは、戦闘力よりもロマンです。 つまり、選ぶべき装備は……ドリルですわ!」
最後にエリザベスXが不敵に笑いながら主張した。
「いやいや、これは作業を手伝うためのものだから、武器とかいらないよ!?」
ライトが武器はいらないと言うと、クッコローネRとノジャロリーナSは残念そうにしたが、エリザベスXは何故か勝ち誇るように胸を張った。
「つまり、ドリルを選ぶということですわね? 剣やビームは作業には向きませんわ。 その点ドリルは元々工具ですから、作業用としても使えます!」
「クッ……確かそれは正論だっ、言い返せない……!」
「うう、今回は譲るのじゃ……ドリルでいいのじゃー……」
「あ、あれ? これ、もうドリル装備は決定しちゃった感じ?」
ライトとしては別にドリルも欲しくはなかったのだが、なんかもう言い出しにくい感じになっていたので黙っていることにした。
(まあ、あって困るわけじゃないからいいか。 いや……別に無くても困らないと思うけど)
「じゃあ~、私はこれからドリルを作るから~、ライト君は~、先にパワードスーツだけでも試運転してきてくれるかしら~? 実際に動いてみてからの感想が聞きたいから~」
「あ、うん。 でも、何をすればいいの?」
「まずは~、普通に歩いたり飛んだりしてみて~、動きのクセとかを確認してくれる~? 安全性は確認してあるけど~、ライト君が使いやすいかどうかは分からないから~」
「うん、分かった」
ライトは早速着てみようとするが、それは宇宙服とパワードスーツを兼任しているタイプのため、かなりしっかりした作りになっている。
そのため一人では着るだけでも手間取り、結局はクッコローネRに手伝ってもらってやっと装着できたのだった。
その様子を見ていたエルメスTは、何かを思い出したように、ポンと手を叩く。
「あ~! うっかりしてたわね~。まずは装着のアシスト機能もつけなきゃ不便よね~。 ドリルが完成したら、そっちも作っておくわ~」
「うん、できればドリルよりそっちを先にお願い」
ライトはダメ元で希望を伝えておいたが、エルメスTはすでにエリザベスXと二人でどんなドリルにしようかの相談を始めているので、確実にドリルが優先されるだろう。
苦笑いしながら、ライトはとりあえずその場で軽く屈伸運動をしてみる。
パワードスーツはかなり重いはずなのだが、アシストのおかげでむしろ普段より軽々と動ける。
まだ少し動いてみただけだが、今のところ問題は無さそうだ、
「うん、もう少し本格的に動いてみたいかな」
「では、外に出来た土台の部分を一周りしてみてはどうだろうか? 僭越ながら、私が同行しよう」
そう言ってクッコローネRがライトの横に並ぶと、それを見たノジャロリーナSもパタパタと駆け寄ってくる。
「抜け駆けはダメなのじゃ! 妾も一緒に行くのじゃー!」
「ははっ、じゃあそうしようか。 宇宙空間に出るのは少し怖いから、二人が居てくれると心強いよ」
三人は研究所の出入口へと向かった。
以前、A・リアンに破壊された搬入用ゲートではなく、正面玄関の方だ。
ライトは、エリザベスXも来るかと思っていたのだが、彼女はドリルの作成を手伝う方を優先したようだ。
ドリルにこだわるのは悪役令嬢の本能なのである。
玄関の分厚いゲートが開くと、ライトの目の前に宇宙空間が広がる。
この時代の人間にとって宇宙はそれなりに身近なものだが、それでも圧倒されるものがあり、ライトは立ち止まった。
「……ライト卿、もし怖いのならば無理する必要は無いのだぞ? 人間にとって宇宙空間は恐ろしいものであろう。
少しずつゆっくりと慣らしてからでも、誰も文句は言わんぞ」
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫、怖いわけじゃなくて、なんかちょっと圧倒されちゃっただけだよ。 ……さあ、行こう」
心配するクッコローネRに向けて軽く微笑んでから、ライトは一歩踏み出した。
スティーブン舞倉が小惑星の欠片や周囲の瓦礫などを固めて作り出した地面は、完全に一つの岩盤のようにしっかり固定されている。
足をガッシリ受け止めるその地面を二歩、三歩と踏みしめてから、ライトはある事に気づいた。
「……あれ? もしかして、ここって重力がある?」
その場で軽くピョンピョンと跳ねてみると、少しふわふわする感覚はあるが、少なくとも無重力では無さそうだ。
ライトに釣られたのかただ遊んでいるのか知らないが、ノジャロリーナSもピョンピョン跳ねながら説明を始めた。
「うむ、土台の真ん中に重力発生装置をつけてあるのじゃー。後々この土台部分にも何かを建てるつもりなのじゃ。
何をするにしても、少しくらいは重力が無いと不便なのじゃ」
「そっか。俺も完全な無重力は落ち着かないから、この方がありがたいな……っと。 うん、動きは問題無さそう」
ライトは喋りながらも体操のように軽く全身を動かしてみる。
生身と比べると色々と違和感はあるが、思っていたより普通に動けそうだ。
「良かった、このパワードスーツって、思っていたより無難な調整になってるみたいだ。 ナーロウ博士の研究所に配備されてるもので、エルメスTが調整し直したものだから、人を選ぶような特殊なスペックかと心配していたんだよね」
「フフッ、私はそのパワードスーツの事は詳しく知らないが、流石に量産型の作業用にピーキーな特殊能力はついていないと思うぞ?」
「のじゃ。エルメスTならやりかねないけど、流石に一晩の調整でそこまで変な能力はつける暇は無いはずなのじゃ」
「はははっ! まあ普通に考えたらそうなんだけどさ、なんか『ハイパーモード起動!』とか、そんなのが実装されてるかも? とか、わりと本気で思ってたよ」
ピピッ!
《音声を認識しました。 ハイパーモードを起動しますか?》
→ Yes
No
「なんか表示されたーっ!?」
「む? ライト卿、突然大声を出して……何かあったのか?」
「い、いや、ちょっと予想外と言うか、ある意味予想通りと言うか……」
どうやらカーソルは視線で操作できるようだ。
ライトは迷わずNo を選択し、決定する。
ピピッ!
《そんな事を言わずに起動してくれませんか?》
→ Yes
No
「いや、だからNo だよ、No !」
ピピッ!
《そんな事を言わずに起動してくれませんか?》
→ Yes
No
「RPGか!? No だってば! No !」
ピピッ!
《そんな事を言わずに起動してくれませんか?》
→ Yes
はい
「遂にNoが消えたーっ!?」
「ライト兄上、本当にどうしたのじゃ?」
ノジャロリーナSが心配そうに尋ねた。
「あー……ねえ、ちょっとエルメスTに通信を繋げてもらいたいんだけど」
「のじゃ? わかったのじゃ。 えーっと、ちょっと待つのじゃ」
直後、ノジャロリーナSが魂の抜けたような無表情になる。 おそらく通信しているのだろう。
しばらくするとライトのパワードスーツのスピーカーからエルメスTの声が聞こえた。
《ライト君~? どうかしたの~?》
「ねえ、ハイパーモードの起動を拒否したいんだけど、コレってどうすればいいの?」
《わあ~! ライト君ってば凄いわ~。まだ教えてないのに自分でハイパーモードを見つけちゃったんだ~。
どうかしら~? 男の子はそういうの好きでしょ~う?》
「格好いいとは思うけど問題はそこじゃなくて、拒否できないところだよ。 このまま目の前に選択肢が表示されたまま放置してても大丈夫なの?」
《ゴメンね~、プログラムが未完成で、拒否はまだできないのよ~。だから教えてなかったんだけど~、ライト君ったら自分で見つけちゃったんだもん、困ったわ~、悪い子ね~》
「えっ、俺が悪いの!? い、いや、誰が悪いかはこの際いいや。それより、このまま選択肢を選ばなければ時間切れでキャンセルされたりとか……」
ピピッ!
《時間切れです。ハイパーモードを起動します》
「時間切れで起動しちゃうの!? キャンセルじゃないの!?」
困惑するライトを他所に、パワードスーツはゴゴゴゴッ、っと金色の光を放ち始め、全身に真っ赤に燃えて轟き叫ぶようなエネルギーが満ちてゆく。
そして右手の甲にハートと王様のマークが浮かび上がった。
「おお! ライト兄上、格好いいのじゃー!」
ノジャロリーナSはキラキラした目ライトを見つめているが、本人には格好いいとか言っている余裕は無い。
ライトは全身に無駄に溢れるパワーに不安しか感じていなかった。
試しに腕を動かしてみたが、軽く手を上げ下げするだけのつもりが、まるでカンフーアクションのようなスピーディな動きになってしまった。
「か、体が軽すぎる。マトモに動ける気がしないよ、これ。
ねえ、途中で解除とかできないの?」
《あら~、起動しちゃったのね~。今はまだ途中で解除できないから~、エネルギーが足りなくなるまで適当に動き回ってくれる~?》
「あー……うん、なんかそう言われる気がしてた」
このあとライトはしばらく動き回ってみたが、パワードスーツの性能に引っ張られてしまい、歩くだけでもぎこちない動きになってしまった。
クッコローネRとノジャロリーナSの二人に支えてもらいながら、ライトはまるでスキーやスケートの初心者のような頼りない足取りで周囲を歩き回り、なんとかエネルギー切れになって、無事ハイパーモードが解除されたころには、肉体は疲れていないはずなのに、精神的にクタクタになってしまっていた。
「ふう……力がありすぎるのも大変なものなんだな……」
研究所の中へと戻り、パワードスーツを脱いだライトは力尽きたように椅子に座ると、ため息と共にそう呟いた。
そこに困ったように眉をハの字にしたエルメスTが小走りで近づいてきた。 その後ろにはエリザベスXも居る。
「ライト君~、大丈夫~? ゴメンね~、もう少し制御しやすいように調整するべきだったかしらね~?」
「……制御のしやすさより、まずモード起動の拒否をできるようにして欲しいかな……っていうか、そもそも作業用のパワードスーツにハイパーモードは必要ないと思うよ?」
「え~? でもエリザベスXが絶対に必要だっていったから~……プログラムも基本部分は彼女が作ってくれたのよ~」
「ええ、私はハードウェアは整備くらいしかできませんが、ソフトウェアの方は中々の腕前と自負しております」
どうやらハイパーモードを実装したのはエリザベスXのアイデアらしい。
……そうなると、モード起動を拒否できなかったのは未完成だったからではなく、わざとそういう仕様として作ったものという疑惑も浮かんで来る。
「……うん、納得した。道理で愉快犯じみた匂いを感じると思ったよ」
「あら、愉快犯とは失敬な。私は悪役令嬢です。一緒にされては困りますわ」
「どちらにせよ、からかわれる側としては大差無いけどね……」
ライトは疲れたような顔でそう言った。
すると、その様子を見たエルメスTが心配そうに提案する。
「う~ん、ライト君、疲れてる~? どうせパワードスーツのエネルギーも空っぽだし~、補給とライト君の休憩時間を考えて~、ドリルのテストはお昼過ぎにしましょうか~」
パワードスーツのアシストを受けていたライトに肉体的な疲労は少なかったが、精神的には疲労していた。
心配してもらうようなものではないが、一休みしたいのは確かだ。
「じゃあそうしようか……って言うかドリルはもう完成してたんだ?」
「試作品だけどね~。微調整は~、試運転の結果を見てからやるわ~」
「試運転は後でやるとしても、取り付けだけは先に終わらせておきましょうか。 ライト・ノベル、貴方は休憩していても構いませんわ、試運転は二時間後に始めます」
試作品のドリルを手に取ったエリザベスXは、製作担当であるエルメスT以上に張り切っているように見える。
よほどドリルが好きなのだろう。
それから二時間が過ぎた。
昼食を終えたライトが作業場に戻ってくると、パワードスーツが動いていた。
誰かが入っているようだ。
「む、ライト卿、戻って来たか」
そう言ってパワードスーツから出てきたのはクッコローネRだった。
「あれ? なんでクッコローネRが入ってたの?」
「ああ、それは……」
「さっきまでライト・ノベルが入っていたぬくもりと残り香を堪能するためですわ」
クッコローネRが言いかけた言葉にエリザベスXが被せた。
すると、クッコローネRの頬が赤く染まった。
「ち、違うぞっ、ライト卿!! ドリルをライト卿にテストしてもらう前に、安全のための動作確認をしておくという話になったのだ! このパワードスーツはライト卿の体格に合わせてあるから、一番身長が近い私がやったというだけで……」
「ぬくもりと残り香を堪能したのは、あくまでもついでだったということですわね?」
「そ、そうだ! あくまでもついでにやっただけなのだ!」
「なるほど、堪能した事は認める……と」
「ち、違う!? いや、違わないが……違うのだ! ……ええい! エリザベスX! お前は一緒に居たのだから経緯を知っているだろうが!?」
ワタワタと焦るクッコローネRをニヤニヤしながらからかうエリザベスX。
良くも悪くも真っ直ぐで分かりやすいクッコローネRは、エリザベスXにとってはからかいやすい相手なのだろう。
ライトは助け船を出すつもりで話を進めた。
「と、とりあえず動作確認はできたんだよね? じゃあ次は俺が使ってみるよ。俺にとって使いやすいかどうか試してみなきゃいけないし」
そう言ってライトはパワードスーツを装着した。
するとエリザベスXは、今度はライトの顔を見てニヤリと笑った。
「今度はライト・ノベルがクッコローネRのぬくもりと残り香を堪能する番だと? なるほど、それはフェアですわね。クッコローネRから先にしたことなのですから、貴方もどうぞ気兼ねなく堪能するとよろしいでしょう」
「へ、変な事言わないでよ!? 残り香の堪能とか、そんな事……!」
ライトは否定しようとしたが、改めて言われたことで過剰に意識することになり、動揺してしまった。
実際にパワードスーツの中にはほんのりと甘い香りが残っていて、気にしないようにと思っていても、どうにもドキドキしてしまうのだ。
ちなみに、ナーロウ博士のこだわりで、女性アンドロイドたちは個別に違う香りがするように作られている。
(男性アンドロイドは無臭で固定)
当時、女性アンドロイドそれぞれの体臭をくんかくんかしながら調整していたナーロウ博士の姿を、女性スタッフたちが生ゴミを見るような目で見ていたというのは研究所内では有名な話だが、博士の名誉のために外には伏せられていたらしい。
ライトはブンブンと首を振って雑念を追い払い、予定通りドリルの使い心地を試してみることにした。
パワードスーツの右腕には、午前中の試運転の時には無かった四角いケースのようなパーツがつけられていて、その側面にあるスイッチを押すことで、そのケースの中からドリルつきの籠手のようなものが出てきて右拳に装着された。
「あっ、普通に工具のドリルが用意されてるかと思ったのに、わざわざ拳と一体化するデザインにしたんだね……」
「その方が格好いいではありませんか。私のデザインに何か文句でも?」
「あー、やっぱりエリザベスXのデザインか。……いや、まあ、別にデザインには文句は無いよ。 ただ、ディスプレイに……」
ライトがすっぽり被ったフルフェイスのヘルメットの内側はディスプレイのようになっているのだが、その右下の端の方に、『ドリルナックル発射』という項目があるのだ。
「…………いや、やっぱり何でもないよ」
非常に気になるが、突っ込んだら負けな気がしたライトはあえてスルーしてそのままドリルの試運転を進めることにした。
まず、ドリルを装備した右腕を動かしてみて、重さや動かし難さがないかをチェック。
次に、スティーブン舞倉が作っておいた石のブロックをドリルで壊してみて、腕に負担がかからないかを確認した。
その途中でも何度か『ドリルナックル発射』が気になったが、最後まで見て見ぬ振りを続けて試運転を終えた。
「うん、ハイパーモードを使わなければ動きに問題は無いし、ドリルも思ってたより使いやすいよ、まあ実際に使う機会があるかは分からないけどね」
「問題が無くて良かったわ~。もし何かあったら言ってね~、すぐに調整するから~」
エルメスTは微笑んでそう言ったが、そこにツカツカと不機嫌そうなエリザベスXが近づいて来た。
彼女はライトを睨んでいたが、その目付きはいつもの冷たいものではなく、むしろ少し子供っぽく見えた。
「……ガッカリですわ、ライト・ノベル。時には見えている地雷を笑顔で踏み抜くのが男というものでしょう!?
それを保身に走って回避して終わりとは……貴方は本っ当につまらない男ですわねっ!
もしも芸人がオンエアでそんな事をしたら、あとで先輩芸人の楽屋に呼び出されて正座で説教のレベルですわよ!?
私は少々不愉快です! 今日はここで失礼しますわ!」
それだけ言うとエリザベスXは足早に立ち去ってしまった。
その背中を唖然と見送ったライトは、ボソッと呟いた。
「もしかして、いたずらを無視したから……拗ねた?」
エルメスTとクッコローネRもクスクスと笑っている。
(いつもとのギャップで、なんかちょっと可愛く見えたかも?)
ライトはこの日、パワードスーツとドリルという力を手に入れたが、その事よりも珍しく子供っぽく拗ねるエリザベスXを見れた事の方を嬉しく感じていた。
次回の投稿も金曜日の予定です。




