電車通学生
疲れすぎて現実逃避
「はぁはぁ…」
駅の改札を抜けて一人の青年が走っている。
学生服を着ていることから学生だと分かる青年は良くある黒い鞄を右手からぶら下げて走っていた。
『プルルルルルル…間もなく2番線に電車が参ります…』
駅構内に放送が流れホームに電車がやってくる。
「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!」
青年は階段を駆け上がり一つ向こうのホームまで連絡橋を渡る。
今日あの電車に間に合わなければ今月5回目の遅刻になり夏休みの補習が確定してしまうのだ。
青年が階段を降りようとした時に電車から降りてきた客たちが上がってくる。
まるで青年の邪魔をするのが目的の様に階段に広がって登ってくるその光景に泣きそうになりながら青年は叫ぶ!
「すみません!通してください!」
階段を半分ほど降りた所で電車が発車する警告音が鳴り響く。
青年は階段の端を手すりをなぞりながら駆け降りた。
そして、無情にも降り立ったタイミングでドアは閉まってしまった。
「終った…」
絶望に沈みそうになった青年の耳に予期せぬ悲鳴が響いた。
「開けて!服がドアに?!」
一人の女性の衣類がドアに挟まって叫んでいたのだ。
このまま発車すれば事故は免れない。
だが幸いにも駅員が叫びに気付きドアを開いたのだ。
服を引っ張っていた女性は転倒し駅員が駆け寄った事でドアが完全に開いたのを見て、すかさず青年は電車に飛び乗り青年は無事に電車に間に合ったのだ。
「ふぅ~」
思ったよりも空いてる車内に安心し空いてた座席に座る青年、隣のおっさんが新聞を開いて読んでいるが空いてるので気にせずに鞄を膝に乗せて座った。
ガタンガタン…ガタンガタン…
春先でまだ涼しかったのもあり青年は汗をかいておらずリラックスをした時であった。
「君っここは女性専用車両だよ」
「えっ?あっすみません」
隣のおっさんが新聞を開いたまま指摘してきたので素直に謝って立ち上がり隣の車両へ移動した…
「あれ?んんん?…ってそれより座れないな…」
青年は何かがおかしいことを気にしながらも座れる席が無いことに溜め息を吐く…
仕方なくつり革に捕まってドアの近くに立つと隣にOLだろうか、綺麗な女の人が立っていた。
多分次の駅で降りるためにドアの側まで移動したのであろうが青年はそれに気付いてしまった。
女の人のつり革に捕まる手の甲にメモらしき物が書いてあったのだ。
『牛乳・玉子・醤油・まこと、殴る』
青年は青ざめた。
偶然か青年の名も『まこと』だったのだ。
今日もまこと青年は電車に揺られて学校へ向かう。
明日は一体どんなドラマが待ち構えているのか…
完
これで終わりです。
えぇおわりですとも!(笑)




