戦
試合、正式名称【八百戦】当日、図書委員会の面々は司書室に居た。時間は午前九時、平日なら教室に居る時刻だが、試合前と言う事で集まっていた。
「初陣でも緊張する必要は無いぞ灯也よ。図書委員会は強い事で有名だからな」
「危険を感じたら、すぐに帝さんを頼って下さいねぇ? 彼女は強いですからぁ」
割とお気楽に事を考える司書さんは、今までの強さを証拠に確信を持ち、薫子は灯也を心配しつつも綾女の強さを信頼していた。
一方の灯也は何も考えられなかった。緊張で昨日からまともに眠れないまま朝日を見る羽目になり、朝食も取る気にはなれなかったが、何かしら食べなくてはとコーンフレークを流し込んで登校した。
眠れなかった理由は明白だった。事前に聞いた緑化委員会の能力は剣のよる斬撃。高校生が剣を持って自分に向かってくるのは恐怖以外にはない。創立以来、八百戦での重傷者および死者は出ていない。学校行事の一つと位置付けられているから安全が確保されている。しかし怖い、と堂々巡りを繰り返していたから眠れなかったのだ。
そんな働かない頭を抱えて開始予定の一五分前になる。
「そろそろ準備を始めましょうか」
綾女が時計を確認して告げる。
その言葉に司書さんが反応して立ち上がり、ふわりとフリルの付いたスカートが揺れる。
「さあ、二人とも立ってくれ」
そう言われ綾女と灯也は司書さんの元へ歩いて行く。
能力の付与の方法は司書さんから差し出された手に自分の手を乗せる事。司書さんの差し出された左手には灯也が左手を、右手には綾女が右手を乗せる。
すると、その手を介して力が流れ込んでくる。練習を重ね、完全ではないにしろ力のコントロールができるようになった能力を二つ、借りうける。
付与が終わり三人とも手を離す。
「私に出来る事は終わった。後は綾女と灯也の武運を祈るだけだ」
司書さんの言葉を受け取り、灯也は頷く。
「九時四十分。第一グラウンドに行くわよ」
綾女は灯也の肩を軽くたたき八百戦の指定場所である第一グラウンドに向かう。
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「あわよくば、相手が棄権してくれている事祈っていたんですが」
第一グラウンドの中央には、予想通り二十人程の男女生徒がいた。しかも全員が一メートル程の両刃の剣を持っていた。
「もうそんな望みは捨てなさい。後五分で相手と戦わなくちゃいけないんだから」
慣れた様子で緊張も無い綾女。灯也を気遣ってか話を続ける。
「あれだけ練習を繰り返した結果を信じなさい。見た感じ相手も大半が一年生よ。どこも一年生の経験に繋げたがってる。誰にだって最初の恐怖は訪れてるもの。なら諦めて全力を出しなさい」
そして一呼吸の後、
「さっき薫子ちゃんも言ってたけど、危なくなったら私の方へ来なさい」
フォローするわ。と付けたしてから話を終えた瞬間に、生徒会の腕章を付けた男子生徒が声を上げる。




