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ルール

 そして一区切りするように一つ呼吸を置いて、

「生徒会の仕事終了。いきなりごめんね」

 と、言っておもむろに携帯電を取り出す。

「もし良かったらメールアドレス交換しない? 役員同士って事もあるし」

 灯也にとって断る理由は勿論ない。なので、自分の携帯電話を取り出しアドレスの交換をする。


「よし。登録も完了したし、教室に戻って午後の授業も頑張ろう」

 楓は元気よく立ち上がり伸びを一回。そして扉に向かって歩き出す。灯也も後を追うように立ち上がり歩き出す。


                  ●


 試合までの期間、放課後に戦闘訓練が追加された。暇だったら来なさいと言われていた司書室だったが、暫くは毎日通う事になった。

 図書館のカウンターには司書さんが座っていて、業務を開始していた。お互いに軽く挨拶をして灯也は二階に昇る。

 司書室のドアを開ける直前、聞き慣れない女性の声が耳に入る。

「すると、今回の試合に対する意気込みは無い、と。全く、図書委員会が初めて宣戦布告したと思って取材に来たのに、とんだ期待外れだったわ」

 いつまでも廊下に居るわけにもいかず、控え目にドアを開ける。


「お疲れ様です」

「あら、貴方が新しく入った新人さん? 取材しても良いかしら?」

 自分に向けられた質問に答える前に綾女が応じる。

「咲、取材は私だけのはずよ」

 そうでした、と視線を綾女に戻す。

 灯也は他の委員と一緒に、部屋の隅で取材が終わるのを待つ事にした。十数分のうちに取材が終わる。


「お疲れ様でした。取材は以上です」

 綾女は疲れたように首を回しているが、咲と呼ばれた女性は灯也の方に顔を向ける。

「自己紹介しておくわね。アタシは三年の加藤咲、新聞部部長よ」

 よろしくね、と言う咲に灯也も宜しくお願いします、と返す。

「さて、私はこれでお暇しましょうかね。三日後には新聞として発行するから読んでね」

 そう言って咲は司書室から出て行く。その後ろ姿を見送った灯也はため息をついた。


「帝先輩、今日から戦闘の訓練ですよね? どこでやるんですか?」

「まだアポが一件あるから、それが終わったら場所に案内するわ」

 新聞部のような取材がもう一つあるのか、それが終わるまでは動けないようだった。五分程経過した時、ノックの音が響き楓が司書室に入ってきた。

 彼女は深く礼をする。上げた顔には、いつものような朗らかな笑みは無く、真剣な表情を携えていた。


 綾女は空いている椅子を楓に勧め、楓が座る。

「図書委員会に生徒会からの決定事項をお伝えします。日時の変更なし、場所は第一グラウンド、ルールは通常通りです」

 ルールについては生徒手帳に書かれているのを思い出して、灯也は自分の生徒手帳を取り出して確認する。


・戦闘は校憑から付与された能力のみ使用可。能力以外の攻撃は不可。

・戦闘不能もしくは自ら戦意を放棄した場合を敗北とする。ルールに違反した者も同様に敗北とする。

・試合の審判は生徒会に委ね采配の全てを与える。

・敗者は勝者に対し相応の物を支払う。

・これを通常戦闘とし、これ以外に付属させる追加項目がある場合は生徒会を交え協議する。


 以上の事が書かれていた。


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