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ノー学歴  作者: リル
2/2

One

あたしは勉強ができない。


みんなは実際にどう考えるのかな?


学歴。


あたしは考えることが苦手で、考え出すとまとまらなくなるから結局のところ

『どうだっていいじゃん。』

『楽しけりゃ。』


いつも答えはそれで終わるから論議は退屈だ。


あたしは何でもいいと思う。

何に対しても。


答えを出す必要があるのは、自分の進むべき道のみ。



そんなあたしが、今いる場所で、答えのない答えを探してる。


そんな自分が嫌でたまらないのに、家に帰るとき、眠る前に、頭の中で独り論議が交わされてしまう。


あたしが今いる場所は一体何?


考える程に答えがわからなくなって、今いる場所がわからない。

自分が遠くなる。

そして日に日にそんな思いが大きくなっていくんだよ。


ねぇ、あなたはどう思う?





学歴はやっぱり必要だと思いますか?


この時代、学歴なんて必要ないと考えますか?


あたしは今まで後者の考えしか持たなかった。


『イケてない美学』を推進するあたしにとって、学歴なんて一番腐ったものだと考えてたから。


あたしは専門学校を卒業した。


もちろんあたしの周りの身近な友達はほとんど、専門卒や高卒が多かった。


学校外でできた先輩には、大学生もいた。そのせいかあたしにとって大学生は、先輩的な存在に感じてしまう。

あたしの家族はあたし以外はみんな大学を卒業している。


父親と姉が日大。

母親が女子美。


深く考えたこともなかった。


あたしの人生で色んな経験を積み重ねて、考えた。


考えたくなくても考えてしまう。


それは誰かを否定するわけもなく、自己否定の立場にたったあたしの考え。


あたしは勉強ができない。


なぜ?


もっと勉強をするべきだった。


特に今のままで困ることなんかないはずだ。

大卒と比較をされたことなんて一度たりともなかった。

なのに..今いるこの場所で、ひとまわりも年の離れた高校生を見て、

【戻りたい】


なんて。


あの頃のあたしになんて戻りたくもないはずなんだ。


なのに、どうして?


今、学歴が欲しくてたまらない。


喉から手が出るほど。


そう。

まるで、あの時に味わったカルチャー・ショックだ。


アングラのhiphopにであった時と同じだ。



こんな世界があった‥知る術もなかった。



もちろん。

あの頃のあたしは、馬鹿にしていた。

勉強なんてしなくても人との出会いがあたしを育てた。


暗闇で育ったあたしは、気づかぬ間に、陽のあたる場所を避けていたんだね。



視野の狭さに愕然とする。


あたしは通りすぎてから気づくんだ、いつも。


今、できること。

あたしは、目の前のあの子達を応援するだけしかできない。




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