君に花束を
溶けていく氷のように
心も雄弁であれたら
明日には何も残さず
笑えると思うんだ
少女が欲しいのは
そんな魔法みたいな物
御伽噺の世界の
きっと手にできない物
誰もいない部屋の
白いベッドの上で
掴んでしまったら
元には戻れないんだと
少女は寂しく笑った
心を隠すように
僕は気づいているんだよ
そんな君に花束を
逃げ出したい夜や
目覚めたくない朝に
この花たちが君に微笑んで
凍てつく心を
温めてくれるように
祈っているよ
溶けた美しいその水で
咲き続ける温かさ
少女が手にしたものは
そんな魔法みたいな物
それで笑ってくれたら
僕は嬉しいんだ
読んでいただき、ありがとうございました。