表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/27

RFO1-7 【過去との相対】

「……あるといえば、一応ありますね」

「ほう? なにかな?」


 言っていいものか、若干迷った。が、ここで変に誤魔化すことも良くはないだろうし。


「知り合いにエルフがいるんです。しかもエクサエルフ」


『わたし……のことは、別に……隠さなく……ても大丈夫』と言ってた記憶があるし、大丈夫だろう。


「え……エ、エクサエルフ!?」

「それって……確かエルフの中でも最上位な……」


 先輩勢が見事に驚いている。星斗はいまいち何のことか掴めてないみたいだが。

 これは俺も知っている……いや、そのエルフから聞いたことなのだが。エルフにも強さ毎に段階があるらしく、それに応じて人間側が勝手にSI接頭辞を付けた。

 曰く、普通のエルフからキロエルフ、メガエルフ、ギガエルフ、テラエルフ。ここまでが基本的らしいが、それですら表せない強さを持つエルフにはペタエルフ、そしてエクサエルフ。


 普通に数字として置き換え、エルフを10とすればエクサエルフは10の18乗、つまり100京。どれだけ桁が違うかはこれだけで分かるだろう。


「まあ、恐らくソイツに上級元素とやらを入れられたかも知れませんね。エクサエルフなら持ってそうですし」

「う、うむ……まあ確かに上級元素を持っていれば他人に入れることも可能だが……。ちなみに見た目は?」


 見た目……しばらく会ってないからぱっと思い出すことが出来ずにしばし記憶をひねり出し……。


「鮮やかな緑色の髪で、確かサイドテール。同じ色の瞳の女性。身長は低めの150cm。年齢は聞いたら無言の圧力で潰されそうになったので知りません」


 エルフは人間と比べると圧倒的に長寿。が、見た目の成長は個人差があるので小学生位の見た目でも実は歳が3桁行っててもおかしくはない。


「へぇ、璃緒ってエルフの知り合いが居たんだ」

「お前には……説明したわけでもなかったからな」


 彼女と会ったのはもう8年前の完全にガキの頃の話。以降たまに連絡を取ったりはしているが、直接会ったことは片手で数える程で最後に会ったのは3年前ぐらいだろうか。

 あの人は俺ら兄妹にとっては師であり、大切な友人であり……そして命の恩人。


「ちょうどいい。食事を進めながらちょっとその人のこと話してくれないか? 上級元素を入れられたタイミングも分かるかもしれない」


 先輩に促され、8年前へと思考をワープさせる、確か世界改変が行われた1月1日の……3ヶ月後。


 ***


 世界改変が行われた後、即座に外出禁止令が政府から発令。だが1ヶ月くらいでそれは解除され、学校にも普通に行っていた。


 妹の風菜は世界改変後から完全に臆病になり、何をするにも俺にベッタリとくっつくようになっていた。

 最初は俺もビビっていた……が、3ヶ月もする頃にはそんな感情も消え失せ、どちらかと言えば魔法障壁外エリアへの興味を持つようになっていた。

 当然障壁外エリアは立ち入り禁止となっている。モンスターがウロチョロしているから。


 が、俺は好奇心の方が勝っていた。ある休みの日に向かった先は魔法障壁の前。風菜も付いてきた。


「お、お兄ちゃん……ホントに行くの?」

「行くつもりがないなら30分も歩いた意味がねえよ。どうすんだ、帰ってもいいぞ」


 風菜は10秒ほどの葛藤を見せていたが、


「……私も行く」


 あの無駄に真っ直ぐな瞳。何を考えていたのかは知らんが、『帰れ』という言葉を飲み込むには十分だった。

 こんな性格の俺だが、兄として当然妹の事は好きなのだ、一応な。死なれても目覚めが悪いのは間違いない。


「……何をそこまで必死になるんだよ。ただの探検だ」


 二人同時に障壁外へと出て……呆気にとられた。

 荒れすぎている。


 アスファルトはボロボロで、雑草が生え放題となり、民家であっただろうものも崩れ去って原型を留めていない。


 風菜が俺の服の袖をぎゅっと摘んできた。


「さっきも言ったが怖いなら帰って大丈夫だぞ」


 さっきよりはトゲがない言い方をしたつもりだったが、風菜はふるふると首を横に振っただけだった。


 今思えば8歳児と7歳児がよくもこんな所まで、とは思う。


 歩き続けて5分後ぐらいだろうか。


 災厄がやってきたのは。


 最初に感じたのは獣が発するような唸り声。ビクッとしながらそちらを向くと、小型の狼型モンスターが居た。

 明らかにこっちを睨みつけながら威嚇してきている。

 脳はさっさと走って逃げろと叫んでいるのに身体が動かない。大見得を切っておきながら、いざ目の前に死の危険が迫ると、ただただ恐怖に負けていた。


「お……兄ちゃ……!」


 風菜の怯えきった声がきっかけだったのか、モンスターがこっちへと走ってきた。狙いは風菜。

 そこから先はあまり覚えてはいない。狙ってるのが風菜だと分かって、咄嗟に引き寄せて庇うように抱いていたことぐらいだろうか。


 ただ目を瞑って襲いかかってくるであろう痛みに備えていたが、いつまで経っても何も起こった様子がなく、恐る恐る目を開けると、


「な、なんだ……?」


 襲いかかってきていたモンスターが3m程先で倒れていた。まだ少し動いていたが、反対方向から飛んできた魔法が直撃し、トドメとなって息絶え、光の玉となって消えていった。

 ここらへんはファンタジーっぽいなと場違いなことを思いつつ、魔法が飛んできた方を確認。


 こちら……いや、モンスターの方に掌を向けたまま動きが止まっているエルフが居た。助けてくれたかどうかは分からんが。

 そのエルフが緩慢な動作で手を降ろし、こちらの方へとゆっくり歩いてきた。

 風菜がビクッとしたのを背中で感じつつ警戒する。味方だと決まった訳でもない。

 そして俺たちの目の前で止まり、口を開いた。


「人間……の、こど……も? なん……で、こんな所、に? ここらへん……危ない、よ?」


 聞き取りにくい……とは思ったが、日本語で喋ってくれてるだけ有難いと思うべきなのだろう。警戒は解かずに答える。


「……ただちょっと寄ってみただけだ。 アンタ誰だ?」

「私……? 名前は、フェルト……フェルト・バンディオン……見ての、通りエルフ族……よろしく……ね」


 いきなり宜しくされてもこっちとしては困るのだが、別に俺たち二人を取って食おうという訳でも無さそうだった。


「大丈夫だ風菜。悪い人ではなさそうだし」

「ん……」

「襲われて……たから助けたけど……大丈……夫?」

「ああ、大丈夫。お前が居なければ間違いなく死んでたろうけど。ありがとな」


 日本語に慣れていないのかそれとも素なのか、ところどころ切らしながら喋ってるせいか余計に危険な人だと思えなくなった。

 ショートカットより少し長いくらいの緑色の髪と緑の瞳、エルフ特有の長い耳。顔立ちも相当整っている。


「取り敢、えず……ここは危な、い……から、障壁内……戻ろう」


 その言葉に俺も風菜も素直に頷いた。次に障壁外に来るときは……


「少しは戦えるようになっとかないとな」

「そうだね……」


 実はこの時から既に俺は父さんから武器を貰っており、指導もしてくれていたのだが、どうも8歳のガキの身ではやる気になれなかった……が、考えが変わった。少し本気で取り組んでみよう。


「私も父さんに武器お願いしようかなぁ……」

「お前が戦えるようになる未来が全く見えないんだが」

「うわ、ひどい! 絶対お兄ちゃんより強くなる!」

「はいはい、つかそうなってくれると有難い」


 すると俺たちの前を歩いていたエルフ……フェルトが振り向いて、


「二人は……兄妹……?」

「あぁ……そういえば名前教えてなかったっけ……。俺は夕凪璃緒、でこいつが」

「夕凪風菜です。よろしくね」

「璃緒……と風菜……うん、よろしく……ね」


 そこからしばらく他愛もない話をつづけ、目の前に再び魔法障壁が。


「そういやフェルトは何でこんなところに居たんだ?」

「ただの……お散歩。地球の風景……気になってた……から……あ、璃緒……しゃがん、で」

「?」


 理由が俺たちと似てる……と呆けてたところに謎の言葉。取り敢えず素直に従うと、


「……【エクスプロージョン】」

「キャウンッ!」


 背後で爆発が起きた……と思ったらさっきと同じモンスターが倒れていた。知らず知らずのうちに付いてきていたらしい。


「あれ……? まだ生きて……る。【アイスバウンド】」


 今度は巨大な氷柱が空中……倒れてるモンスターの上に現れ、そのまま重力に従い落下。見事にぐしゃっと潰れた。そのまま光の玉となって消失。

 容赦ねぇ……と風菜共々少し震えてると、


「モンスター……はしっかり、倒しておかない……と、危ない……から」

「……肝に命じておく」


 まぁ理屈はわかる。中途半端なダメージで放置して逆に狂暴化されても困る訳だし。

 その後は障壁内へと戻り。


「二人……とも、魔法に……興味……ある?」

「まぁ、そりゃあな……」

「手から火を出したりとかって楽しそうだもんね」


 そこまで聞いてフェルトが顎に手を添えて『ふむ……』と唸り、


「魔法……教え、ようか?」


 風菜の目が輝いたのを心の中で苦笑しつつ、気になってた疑問をぶつけた。


「それは有難いけど……人間に魔法が使えるのか?」

「惑星の……合体時に、魔力が地球にも……充満してる……から、体内に魔力はある……はずだから、後は……練り方を、覚える……だけ」

「じゃあ! じゃあ! 是非教えて!!」


 滅茶苦茶ハイテンションになってる妹……まぁ気持ちは分からんでもないのだが。


「あ、その前……に……体、調べ……る。そのままで……いい、よ」


 そう言うとフェルトが右手を俺の頭に、左手を風菜の頭に乗せ、何やらぶつぶつ唱え始めた。

 途中でフェルトの目が一瞬だけ見開いたように感じたが、普段あまり瞳を大きく開いていないせいか確信は持てなかった。


 30秒程で頭の上から手を離し、フェルトがうなずいた。


「うん……二人……とも、大丈……夫。結構……あっさりと使え……るようになるかも……ね」


 その後、近くに建ててあったフェルトの家へとお邪魔し(エルフ領から家ごと魔法で転移させたと真顔で言っていた)、魔法の彼是を教えてもらった。

 フェルト本人は俺たちの才能がぶっ飛んでいる、と言っていたがフェルトの教え方が上手いのだろう。2時間後ぐらいには俺は光属性最初級魔法【クレインライト】、風菜は水属性最初級魔法【ウォータースイール】が使えるようになっていた。当然最初級である以上、戦闘には何の役にも立たない魔法だが、子供だった俺たちは相当喜んでた記憶がある。

 流石にそれを覚えた後は時間も遅いということですぐに家に帰り、親には相当怒鳴られた後、魔法を見せるとなぜか笑顔で褒めてくれた。

 子供ながら……いや、子供だからこそそれが嬉しかったのかもしれない。フェルトがわざわざ日本語訳してくれた魔法関連の本を見ながら独学で色々と学んでいった。

 フェルトとの最初の出会いのエピソードは……


 ***


「まぁ、こんな感じです。いつ入れられたとかこれでわかりますかね?」

「うーむ……」

「考えられるとしたら『体を調べる』で触れた時ぐらいじゃないかな?」


 気付けば15分ほど話し込んでしまっていた。目の前の料理はすでに空となっている。


「ていうか璃緒……8歳でよく障壁外に行こうとしたね……」

「猛省してる。今でも障壁外だと油断は全くできない状態だしな」


 あんなに危険だとは思ってなかった。こうして考えるといつ死んでもおかしくない状況になってること多いな俺。


「ふむ……璃緒くん、最近そのエルフと会ったのは?」

「もうしばらく会ってないですね。エクサエルフだけあってエルフ領でも結構やることがあるらしく、なかなかこっちには来れないそうで」

「あ、そうだ質問いいかな?」


 若松先輩が手を挙げた。視線でどうぞ、と促す。


「さっきの模擬戦で準最上級魔法使ってたけど……もしかすると妹さんも何か使えたりするの?」


 さすが……鋭いな。あまり聞かれたくはない質問だった。


「……すいませんがノーコメントで」


 こんな答え方じゃ肯定してるに等しいが……そう、使えるのだ。アイツも水属性準最上級魔法が。十中八九、アイツの体内には上級属性の水蓮が入ってるんだろう。

 魔法に関してはアイツからきつく口止めをされている。正直な話俺も【サンダーアトラクト】を使う予定ではなかったのだが……。本当にプライドって邪魔でしかないな。


「ん。魔法はある種の切り札だからね。深くは突っ込まないよー」


 素直に引き下がってくれた先輩に感謝しつつ、今度は星斗が口を開いた。


「あの先輩方……。璃緒は光属性に高い適応力を持つ……って言ってましたよね。属性ごとの適応力ってわかるものなんですか?」

「私みたいに魔力を調べることが出来ればわかることはわかる……が、逆に言えばそれ以外で調べる方法はないね。実際に魔法を使っていきながらどれが得意属性なのかを自分で感じ取るぐらいだ」


 なるほどね……。


「星斗、お前自分の適応属性がどれか気になってるだろ?」

「うぐっ……」


 などと会話してると深緑先輩が「ん?」と声を発して。


「あぁ、そういえば璃緒くんの体内に星斗くんの魔力らしきものも入ってたからついでに調べたよ。間違いなく土属性だね」

「野菜。プライバシーの侵害」


 深緑先輩が若松先輩に対してギャーギャー言ってるのを横目に見つつ、


「だとさ、少し努力してみたらどうだ? いや、お前のことだからすでに結構してるんだろうけどな」

「そうだね……魔法全般で練習してたのがマズかったのなら次は土限定でやってみてもいいかもしれない……」


 俺が知る限り星斗は土と火の属性が最初級のみ使えて、その他の属性は一切行使できなかった記憶がある。魔法と相性が悪い訳ではなく、全般的にやろうとしてたから伸びしろが悪かったのだろう。

 思い返せば俺と風菜も、魔法の成長が行き詰った辺りでフェルトと再会し、フェルトから適応力の高い属性を教えてもらった記憶がある。そこからはその属性に集中して学んでいたが……。結果準最上級まで扱えることになった。適応力の高い属性を集中的に練習するのはかなり効果的なのかもしれない。

 だがそれだと相性の悪い属性の魔法とは戦いにくくなるため、俺も風菜も一応全般的に扱えるようにはしている。せいぜい準中級ぐらいまでだが。


 ちなみに後で先輩から教えてもらったが、俺の体内に星斗の魔力が入っていたのは単純に行動を共にすることが多かったかららしい。風菜の魔力も入っていたようだ。別に珍しい現象でもなんでもなく、深緑先輩と若松先輩の体内にも互いの魔力が少なからず入っているだとか。だからといって相手の得意属性の魔法が使えるようになるわけでもないらしいが。


「ぜー……ぜー……と、とにかく華! 星斗くんの得意属性が土だとしたら……」

「息切れするほど慌てちゃって可愛いなぁ♪ わかってるって。星斗くん?」

「は、はい!」


 また散々いじられたらしい。本当にいいコンビだな。


「実はあたしの得意属性も土なんだ。なんなら教えてあげれるけど、どうする?」

「ほ、本当ですか!? 是非お願いします!」


 星斗にとっては千載一遇のチャンスだ。逃す理由がどこにもないだろうな。元々の馬鹿げた身体能力に加えて、魔法適正まで追加されるかもしれないと……マジで化けるなコイツ。


「じゃ、善は急げってね。取り敢えず知識は必要だから、図書室行こうか」

「分かりました。じゃ璃緒、またね。深緑先輩、ありがとうございました」

「おう、頑張れよ」

「ん、頑張りなよ」


 そうして二人とも食堂を出ていった。


「さて……前置きが非常に長くなったけど……本題に行こうか」

「例外モンスター……ですね?」


『あぁ』とうなずいてから。


「唐突な質問で悪いけど……君らを最初に見たあの時。例外ボスモンスターとなっていたブルーナイト・ラージを相手にしてたけど、私が来るまでにどれくらいの間相手をしていた?」

「……5分ぐらい、でしょうか」

「もうその時点で君ら二人があり得ないぐらい強いというのがわかるんだ。全国の魔法が使える子供たちで比較したら間違いなくトップ50には入れるレベルでね……。だからこそ手伝ってほしい。だがこれは本当に危険すぎることであって……巻き込みたくないのも事実なんだ」

「……」


 独白に近いその言葉を、俺は黙って聞いていた。


「……本当に死ぬかもしれない……それでも、手伝ってくれるかい?」

「そのつもりで俺は今ここにいるんです。そうでなければファミレスでのあの言葉、無視して今頃家で涼んでますよ」


 深緑先輩が苦笑した……ように感じた。


「……ありがとう。人間で戦闘力の高い人なんてそうそう居ないし……かと言って協力を頼めるエルフの知り合いがいる訳でもない。君らみたいなのが居てくれて本当に助かったよ」

「まぁ……星斗もどうせ二つ返事で了承しますよ。アイツのお人好しっぷりは俺が保証します」

「ふふ、それ……と……」

「先輩が俺らを巻き込みたくない、と言ったのと同じですけど、俺も妹は巻き込みたくはないです……が、アイツ、俺が出掛ける前はホントにしつこく何するのだのどこ行くのだの聞いてくるんでですね、どうせ誤魔化しは聞きません。ましてやアイツは俺と真反対の性格……事情を理解すれば『私も行く! 絶対行く!』の一点張りでしょうね。俺から説明しときますよ」


 残念なことに俺と風菜は小さい頃……フェルトに助けられたその少しあとぐらいに約束してしまっている。


『兄妹の間に、隠し事は絶対にナシ』と。


 なんであんな約束しちまったのか、小さい頃の自分の殴りたいが……アイツに内緒で危険なことをして帰ってきたら間違いなくみぞおちへの頭突きが待っている。まぁ本当に危険なことならアイツには黙ってるつもりだったのだが……。


 深緑先輩が顔を俯かせ、


「……本当にありがとう。終わったら何か奢らないといけないな」

「……それならあのファミレスのパフェとか、アイツすげぇ喜びますよ」

「とかいって実は自分が食べたいとか?」

「ち、違います!!」


『別に男性が甘い物好きでも悪くもなんともないだろうに。むしろ顔立ち的にしっくり来る』と精神攻撃をいただいたところで。


「それなら風菜ちゃんも交えて説明した方が早そうだ。今はどこに?」

「間違いなく家でしょうね。冷房の効いた部屋でさぞくつろいでることでしょう」


 ふむ、と先輩が顎に手を添えて考え……あぁ、この人とフェルト……何か似てると思ったらこういう動作だ。


「なら君の家、お邪魔してもいいかな?」

「……え?」


 一瞬思考が止まったが……まぁ妹も交えて話すならそれが一番早いだろう。高校に来いつっても『場違い感が凄いからやだ』という建前で来ないだろう。本音は『暑いからヤダ』だろうけど。

 食器を返却し、鞄をもって俺たち二人は相変わらず暑すぎる外へと出た。

1話分が短かった1-2~1-7までを二つに分けて統合、改稿しました。

話数が一気に減りましたが文章量そのものは変わっておりません。(ていうか少し増えてる)

厳密には旧1-1も統合されたといえるのですが、プロローグにあたる部分だったため、まとめて削除し、プロローグは新1-1に改めて執筆しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ