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episode:14 『Final Count Down』


「――ハッ!」


ヴァン=ダムの如く、回し蹴りでゾンビを吹き飛ばし。


「――フッ!」


セガールの如く、ゾンビの頭を捻り千切り。


「ホァタァァァァァ!!」


ブルース・リーの如く、顔を真っ赤にしながらゾンビを打ち砕く。



Devastated City Story

episode:14 『Final Count Down』




――ヴァァァァァァァァァ!!!


「結局こうなるんだよ、畜生っ!」


徒手空拳でゾンビと戦ってみたが、やっぱりと言うか。

当然の如く、映画の様に行くわけも無く。俺は視界を埋め尽くす程のゾンビと追い駆けっこをする羽目と成った。

前から、横から、後ろから――


「って、上からもかよ!」


棚の上から襲い掛かってきたオッサンゾンビを間一髪の所で避ける。

その間にも、周りのゾンビが体制を崩した俺を喰おうと遅いかかって来るのを転がりながら避ける。


――だが、そう簡単に上手くいく筈も無く。


「アァァァァァァァァァ!!」


数匹のゾンビに抑えられ、両手・両足に奴等が喰いつこうとする。

七体のゾンビが、歯を剥き出しに喰い付こうとするが――










「イピカイェェェェェ!クソッタレェェ!!!」








白バイをウィリーさせながらガラスをブチ破るという、ド派手な登場をかましてくれた大矢によって、ゾンビ達は蹴散らされる。

タイヤから派手に白煙を立ち上らせ、所謂"マックス・ターン"を決めながら片手で9mm機関拳銃を乱射する大矢。


「テメェ、何処のハリウッド・スターだこの野郎!」


「助けてやったのにそりゃねぇぞ、滝本ぉ!受け取れ!」


大矢がそう言いながら放り投げてきたM249――ミニミ軽機関銃を受け取る。


「さぁて、ゾンビ共!散々梃子摺らせてくれやがったな?」


「つーか、滝本。お前、俺が居ない間に危機に陥りすぎ」


「言うな。まぁ、あれだ。やっぱ、俺には主人公役は荷が重すぎだわ」


ボルトを操作し、初弾を薬室に送り込む。

隣では、白バイを降りた大矢が同じ様にミニミを構えている。


「ゾンビを蹴散らす準備は宜しいか?」


「オウ、何時でもいけるぜ?」


「それじゃ、始めますか――恐怖に慄くが良い、ゾンビ共。狩の時間だ」







5月3日 午前2時58分


「イィィィィィィヤッホゥゥゥゥゥ!!」


「アーハッハッハッハッハッハッハァ!!」


棚が崩れ、迷路のようになっているフロアを駆け巡りながらミニミをぶっ放し続ける。

照準?んなもん、これだけのゾンビの数だ。銃口を前に向けてりゃ嫌でも当たるってもんだ。


「大矢ぁ!救出は上手くいってるのか!?」


ミニミで目の前のゾンビ集団を薙ぎ倒し、弾切れを起こしたミニミを放り投げる。


「弾切れたぞ、どうすんだ!」


「ほれ、機関拳銃と弾倉だ!」


UZIに酷似しているような気がする9mm機関拳銃を受け取り、再びゾンビ狩を始める。


「それで、救出部隊は!?」


「動いてるっちゃぁ、動いてるがな!」


「どっちだよ――伏せろ!」


大矢を横から襲おうとしていた女子高生ゾンビの頭を吹き飛ばす。


「それで、状況は?」


「あー、耳がキンキンする――簡単だ!救出の優先は各避難所から!ここから一番近いのは中学校だ!」


「そこまで行けってか!?勿論、車両部隊引っ張ってきたんだろうな!」


「んな訳あるか!徒歩だよ!徒歩!途中で面倒くなったから白バイをギって来たんだよ!」


「ちょ、おま、馬鹿だろ!?50人近い女子供をどうやってゾンビの群れから護れと!?」


「そこは大丈夫だ!ちゃんと考えて――」


直後。

大矢の言葉を遮るかのように、突然封鎖していた防火シャッターがゾンビ諸共吹き飛んだ。

……爆音と爆炎に俺と大矢も巻き込まれて吹っ飛ぶ羽目になったが。



「大矢!滝本!大丈夫か!?今助けに――って、何してんの?」


「つー痛ぇな!クソ!なんで防火シャッターが吹っ飛ぶんだよ!」


「何してんのって、誰かさんが防火シャッターをゾンビごと吹き飛ばしてくれたからそれに巻き込まれたんだよ!」


唖然とした表情で立ち尽くしている自衛官――福富に向かって、俺と大矢は固く握り締めた鉄拳を振りぬいた。

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