表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
噂作成人  作者: 蒼際
7/11

噂の7

 <<絵の噂>> 主演「千里様、カナ様」

 カメラアングル「千里様」


 私の名前は千里と言って、近くの大型デパートで働いています。

 実は、私の娘のカナが、数ヶ月前から奇妙な絵を描いているんです。

 その日も、私が家に帰宅した時にも、その絵を描いてました。


「ただいま。カナちゃん、今日は何が食べたい?」

 台所に鞄を置きながら、いつもと同じようにご飯を支度を始めながら私は言う。

 居間と台所は繋がっているから、すぐに返事が返ってくると思いましたが、返事は返ってきません。

「カナ?」

 すこし、心配になった私は台所から居間に足を運びます。

 居間では、カナが落書き帳一杯に絵を描いてました。

 真っ白な紙には、ごちゃごちゃした赤い大きな丸に黒い丸が二つ。そしてその下には大きな黒い丸が一つ。

 私は、その絵が気味が悪くて仕方がありません。

「ねぇ、いつも何の絵を描いているの?」

 すこし屈んで、ゆっくりとした口振りでカナに質問をする。

 でも、カナは千里の質問は答えずに、無視して絵を描き続ける。

 私はすこし苛立ちを覚えて、

「言いなさい!何を描いているの?」

 荒々しい声で、私はカナに訊ねた。

 カナは絵を描くのをやめて、振り向かずに答えます。


『お母さんが死ぬ時の顔』


 私は、娘のカナの答えに酷く寒気を感じました。

 そして、私は娘から落書き帳を無意識の内に取り上げてしまいました。

「あ〜あ」

 カナはやる気のない呻きのような声を出しながら、私の後ろを見上げます。

 私は振り返った。その先には黒いパーカー姿の人が立っていて、手にはアイスピックが握られています。

 そして――!

 ここで、意識はなくなりました。殺されたのです。


 闇の中、こんな声が聞こえた気がします。

『おい、この絵と殺されたこの死体の顔……』

『似ていますね……誰が描いたんですか?』


『数年前に死んだ。この死体の娘さんだよ』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ