恋バレ?と部紹介
入学式が終わり、私達はそれぞれの教室へ戻った。教室の中では、すでに席の近い人同士で自己紹介を始めている。
「中学どこだったの?」という声があちこちから聞こえてきた。
そんな中、私の頭の中は石墨創太のことでいっぱいになっていた。
「あーかね!」
突然抱きつかれた。
後ろを振り向くとそこには、幼馴染の橘美月が立っていた。
「え?美月?どうして?」
「あーもしかして茜、クラス分け表みてないな、もぉだめじゃん幼馴染の存在を忘れちゃ」
「だ、だってぇ」
「あーそうだもんね、今日校門の前で男の人とイチャイチャしてたもんねー」
な、なんでぇバレてんのぉ え?もしかして顔に出てた?なんで?なんでなの?
「そんな焦った顔して〜私にはバレバレだよ〜まぁさっきたまたま見ちゃっただけなんだよねぇ〜」
見られた。よりにもよって美月に、、、どうしよう、
「それでそれで!あの人とはどういう関係なの?もしかして彼氏とか?」
美月は私に詰め寄るように質問をしてきた。
「た、ただ道に迷ったときに、助けてもらっただけだから!!」
「ほんとかなぁ〜」
疑いの目を向けてくる美月はニヤけていた。
「ほんとに、ただ助けてもらっただけだから!」
「まぁいいや」
ようやく質問タイムが終わり私はほっと息をついた。
しかしその直後、周りのクラスメイトたちが、次々と教室から出ていく。
「茜、何ぼさっとしてんの!早く行くよ!」
「え?なに、なに???」
「部紹介だよ部紹介!」
美月の後ろを歩きながら私達は体育館に向かった。
体育館に向かうとそこには、在校生が群がっており、各部活ごとに部紹介の準備をしていた。
私は石墨創太がいないか、周りをキョロキョロ見回していた。
「なに、周りをキョロキョロしてんの、あ〜もしかしてさっきの人がいないか探してるんだなぁ〜」
「べ、別にそんなわけじゃないから!!」
なんで美月には、私の思っていることがわかるんだろう。もしかして超能力者なの?
気がつくと、部紹介が始まっていた。
最初に登場したのは、サッカー部だった。
「どうも〜サッカー部でぇ〜す」
そういって始まったのは、部紹介よりもほとんど漫才だった。
美月を含め、体育館中が笑いに包まれていた。
「あははははは何あれ傑作だよ、傑作、茜ちゃんと見てる面白すぎるよあはは」
「あーうん」
私は石墨創太がどこにいるのか、何をしているのか気になって部紹介の内容が頭に入ってこなかった。
「まぁ〜た、さっきの人のこと考えてるの?もう好きじゃん(笑)」
美月の質問に私は、困惑していた。
「え?!!!だ、だから違うってば、」
美月の質問にかまっていたら、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「どうもー写真部でぇ〜す!」
体育館のステージを見るとそこには、石墨創太がいた。
私の目は石墨創太に釘付けだった。
「あ〜あの人がねぇ〜」
美月はニヤけながら私を見ていた。この子にはホント懲り懲りだ。
「あ〜そうだよ、私はあの人に助けてもらったの」
認めてしまった。
「えぇ〜と写真部では、写真を撮るだけですが、その一枚一枚を撮る瞬間が美しくて、感動的なんです。」
石墨創太の部紹介に、体育館の空気が引き込まれていく。
「すごいねぇ〜あの先輩」
私は、なぜか誇らしげにしていた。
「以上で写真部の説明は終わります」
気がつくと、写真部の紹介はもう終わっていた。
その後も、野球部や軽音部などの多種多様な部活動があり、とっくに部紹介は終わりに近づいていた。
「部紹介はこれで以上です。これから部活動見学に入ります。」
私は、石墨創太のことを探していた。
「やっぱり茜は、さっきの先輩のところに行くの」
「え?!あ、うん」
「あれれ?あっさり認めちゃった?」
「う、うん。その代わり協力してよね!!」
「任せときな!この美月ちゃんに、と言いたいところだけど、あれ見てみなよ」
美月が指を指す先には、女子に囲まれる石墨創太がいた。
私は、唖然とした。時の流れが残酷に感じた。別に付き合ってもないのに、まだろくに話したこともないのに、なぜだかもやもやする。心が苦しい。
「茜......だ、大丈夫だって、そ、そう。ただ話しているだけだから」
美月は励ましてくれていたが、頭に入らなかった。
私よりも可愛い子だってたくさんいたし、もう勝ち目なんてないよ。
同じ部活に入ったところで私なんかに見向きもしないだろうし、もう諦めて帰ろう。
「あれ?茜ちゃんじゃん」
へ?わ、私呼ばれた?
「え?せ、先輩ど、どうしたんですか?」
「てっきり写真部の見学に来たと思ってたんだけど、違った?」
もしかして私がいたの気づいてたとか?なんか恥ずかしいな、
「あ、はい少し気になったというか、、」
「じゃあ、入る?」
へ?、は、入る?わ、私に言った?
「で、どうする?入る?」
「は、はいりましゅ」
か、噛んじゃったよぉ〜何?ましゅって、恥ずかしいよぉ〜、でも先輩、こうやってさっきの女の子たちも落としてきたのか、ちょっと複雑な気持ち.....
「じゃあこれからは、同じ部活ってわけだ!楽しみだね!!」
「は、はい」
先輩はずるい。
私なんて、好きでもないのに、勘違いさせるようなこと言って、私をまたその気にさせる
「あの〜お二人さん、勝手に二人で、話進めちゃってぇ私もいるんですけど、」
美月が呆れた顔で、話しかけてきた。
「ごめんね、どう?君も写真部入らない?」
そりゃそうだよね、目的は部紹介だもんね、それでも少しもやもやする。
「い〜や、私は、世界の平和を守る役目があるから遠慮しておくよ」
「え?」
先輩は相当困惑していた。そりゃこんなおかしい子、どこ探してもいないもんな、それよりも美月ナイス!
「ハッ!助けを求める声がした!」
「えぇ〜」
先輩は相当引いていた。でも美月ナイス!
「さらば!!!」
美月は茜にウインクをして、その場を去っていった。
「お、面白い子だね、あはは」
「ほんとに、面白い子です」
でも美月ナイス!!
「ま、まぁ......これからよろしくね!」
「は、はい!」
このときの私は、まだ知らなかった。
この先、私の前に大きな障害が待ち受けていることを――。




