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魔法少女☆メリル〜異世界転移します!

作者: 上杉満

「キキッ、今日も闇のエネルギーをどんどん集めまくるゼ!」


ここは日本のとある街の上空。

そこに悪魔のような姿をした化け物が現れ、人間を襲おうとしていた。彼の名はデメス。彼らの組織アクデアールの目的は人間の負の感情から生まれる闇のエネルギーを集め、闇の王バハデル・アクデアールを復活させることだ。


「さぁ、人間共! 悲鳴をあげて闇のエネルギーを生み出すがイイ!」

「そうはさせないわよ!」


デメスが地上にいる人間に攻撃をしようとした瞬間、1人の少女が彼の前に現れた。


「魔法少女メリル参上! アクデアール! 今日もボコボコにしてあげるわ!」


彼女の名前は魔法少女メリル、怪物達から人間を守る正義のヒーローだ。まるで漫画やアニメのようなピンク色のロングヘアが特徴的であり、同じくピンクを基調とした衣装を着ていた。


「ゲゲッ、また来やがったな魔法少女!」

「ええ、あなた達が現れる限り何度でも来てやるわ! さあ、くらいなさい! マジカルファイアー!」

「ゲゲッ、またこの展開かよー」


ちなみにデメスはただの下っ端怪人。そんな彼が魔法少女に敵うはずがなく、メリルの持つステッキが放った攻撃によって一撃で吹き飛ばされてしまった。


「はぁー、今日も終わったー。 毎日毎日しつこいわね」


魔法少女と名乗っているが、普段は普通の学生。

メリルは戦いが終わると緊張が解けたのか腕を伸ばし、リラックスし始めた。

しかし、今日彼女の前に出現した敵はデメス1人ではなかったのだ。


「隙あり! 我が最終究極奥義を喰らうのだ! 魔法少女!」

「な、何? きゃぁぁぁー」


隠れていた敵の声と共に大きなとてつもない衝撃がメリルを襲った。彼女も耐えようと踏ん張ろうとしたが、抗えず意識が遠のいていき、そのまま彼女は気を失ってしまった。


**


(うーん)


あれからどのくらい経ったのか? 

メリルは意識を取り戻し、ゆっくりと起き上がって周りを見渡した。


「いったいここはどこかしら」


先程彼女がいた場所は街中の上空であったが、今の彼女がいる場所は全く違った。現在彼女が立っている場所は何もない草原のど真ん中であり、少し遠くに見慣れない雰囲気の街が建っているだけだ。


「まさか・・・ アクデアールが作りだした異空間に吸い込まれちゃったかな?」


今まで多くのアクデアール達と戦ってきた中で、メリルは自分に有利な異空間を作りあげてこちらを惑わしてくる敵と戦ったことがあった。実際に彼らの罠に嵌ってしまい、見たことがない場所に連れ込まれてしまった経験があったのだ。だから今回もきっとそうじゃないかとメリルは考えていた。

そんな感じで彼女が思考を巡らせていると・・・


「ギシャァァァー」

「あ、出た出た。もしかしてあいつがこの空間を作りだした怪物?」


突然、メリルの上に竜のような姿をした巨大な化け物が出現した。


「いつものアクデアール達と比べてちょっと大きいわね… これは厄介かも… でも、絶対に倒して家に帰らせてもらうわよ!」


メリルは竜の怪物に攻撃をする為ステッキを構える。

彼女はこの巨大な化け物を一撃で倒すためにフルパワーで必殺技を放つことにした。


「くらいなさい! マジカルアルティメットインパクトー!」

「ギシャァァァァ!」


ステッキから超巨大な光線が飛び出し、竜のような化け物に命中。竜の化け物は空中で爆散し、見事倒すことに成功した。 


「やったわ! 私の勝ちね!」

「・・・おお、まさかあの邪竜を倒してしまうとは! 貴方様はいったいどんな力を使ったのだ?」

「人? いつの間に? ここってアクデアールが作った空間じゃないの?」


メリルが声のする方を振り向くと1人の中年男性が立っていた。彼はメリルが見たことのない古びた服を着ていた。どうやら、向こうにある街からやってきたらしい。メリルが不思議がっていると、その方角から間髪入れずに続々と同じような格好をした人達がこちらに向かってきていた。


「なんでこんなに人が? というかアクデアールを倒しても異空間が解除されない! どういうこと?」


混乱するメリルだがそれを尻目に街の住人と思われる人々はボソボソと小声で話し合っていた。


「やっぱりあの力・・・ まさか」

「魔法だ! あの失われたと言われてきた伝説の力!」

「なんと・・・ だとするとあの少女はこの世界で唯一魔法を使える者だと言うのか・・・」


街の住民達は話しを終えると1人の代表らしき男がメリルの前へと進み出てきた。


「偉大なる魔法使い様、あの邪竜を倒していただき感謝いたします。我々はかの竜にとても苦しめられていたのです」

「は、はい、どういたしまして?」


メリルは今の状況についていけず、ただただ彼の言葉に答えるしかなかった。そんな彼女の状態などお構いなしに男は話しを続ける。


「そして、お願いがあるのです。どうかこのまま、あの邪竜を配下にしていた悪逆非道の王を倒し、この世界に平和を取り戻していただきたいのです」

「(王? もしかしてバハデルのことかしら?) もちろん、絶対に私が倒してみせるわ」

「おお、ありがとうございます! これで私達は救われる!」

(まぁ、何かわかんないけど悪い人達じゃなさそうだし・・・ とりあえずついてってみましょう!)


メリルが日本とは全く違う異世界に転移したことに気付くのはもう少し先のことになる。


その後メリルが悪逆の王を余裕でボコボコにし、この異世界で伝説となるまでそれ程時間はかからなかった。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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