無題
他者になど頼らない
このいのちがこの体がばらばらに砕けて
ガラクタに成り果てようとも
誰にも守られなくとも
そのために発達したこの大きな手足
1人で立つために
私は死んだ
飢えたままそれでもなお搾取され貪られても
骨と皮になったこの牢獄から両の目の火の粉を消さない
赤くほとばしるいのち
だれのいのちよりも強い
この身が叩き落とされようとも
他者への微笑みを絶やさない
約束したんだ
私が欲しがる現実を目の前にぶら下げられても
なお想うあなたを
どうか末長くと
火の粉に水をかけてまでも
もう殺してくれと懇願するほど苦しんでも
ほとばしる赤いいのち
火の粉を散らして脈動する
日に照らされるほど私という人間は色濃く、
だから日を避けた薄暗闇からそっと覗くのだ。
豊かな色彩がそこかしこに散らばる、
にぎやかな、笑う声と生き物の大きく揺れる鼓動が、
光を吸った水玉と通りすぎる空気に強く弾力する緑が、
目を焦がしたが、瞬間も背けることができなかった。
そして光景はあまりにも美しく、唇から血が流れた。
まるで幻想のような、
あの美しさに触れることが叶うのならば、
私は倒れる覚悟ができるのだろうか。