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逆襲の妻  作者: yukko
7/13

介護

日に日に姑の言動が可笑しくなってきました。

妻が出した食事全てを「毒を入れている。」と言いますが、食事を「では、しないのですね。」と引き上げようとすると、「食べるのに、食べさせない気かっ!」と言うのでした。

この会話を姑と妻は、毎日3食その都度しています。


姑がある日家を出ました。

ほんの少し目を離した隙でした。

妻は大急ぎで探します。

見つからなくて競歩を感じている時に、座り込んでいる姑を見つけました。

帰る道が分からなかったのではなく、疲れて座り込んでいたようでした。

とても大変なのですが、夫は何もしません。


その日から一月ほど経ったある日、買い物から帰ってきたら姑が部屋の中から窓を叩いています。

内障子のお陰で窓ガラスは破れていません。

「どうしようか!?」と思ったのは一瞬でした。

妻は姑に近づいて優しく、出来るだけ優しく言います。


「お義母さん、どうされました?」

「いつか叩いてやろうと思っていた! 息子をどこに隠した?」

「今日は会社に行かれています。」

「私の世話は誰がする?」

「私がさせて頂きます。

 座りますか?」


そう聞いた妻は、そっと姑が手にして窓を叩くのに使っていた杖を取りました。


「杖、ここに置いておきましょうね。

 これから、ご飯ですから……。」


そう言って直ぐに昼食の支度をして、姑に出します。

また「毒を入れた。」「食べます?」「食べるに決まっている。」というやり取りをしました。


昼食の介助をして、食器を片付けようと姑の部屋を出て、台所へ行き食器を洗っていると、ガチャンという音がしました。

大急ぎで姑の部屋に行くと、姑は湯呑茶碗を投げたようでした。

ドアの前に壊れた湯呑茶碗が落ちていました。

それを片付けながら……「もう無理……。」と妻は思いました。


帰宅した夫に姑がしたことを話しても「そんなはずはない!」「そんなこと、するはずがない。」と言うのです。


「お義母さん、特養に入れて!」

「特養って……。」

「もう看れない。入れて!」

「母親を入れるのは」

「入れて! 私が話すのは、それだけ!よ。」


妻は限界に近付いているのに、夫は全く理解していませんでした。

妻が買い物先でご近所の方に会って「こんにちは~。」と声を掛けられただけで泣いてしまったのです。

それを聞いた他の人が夫に言いました。


「奥様をしっかりご主人が支えないと……。

 このままでは、いつか…奥様が壊れちゃうわよ。」


その言葉を聞いても本当の意味を夫が理解したとは思えなかったのです。

妻は離婚を考えます。

今までとは違って……追い詰められている状態での離婚を考えている状態でした。

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