義理の姉
夫に定額5万円では足りないと言って、やっと10万円に増やしてもらってからのことでした。
夫の姉が家を出ました。子どもを連れて……。
そして、姉にとっての実家である家に身を寄せたのです。
夫の姉は精神的な病気になっていて、それを理解しない夫との離婚を姑が勧めたと……姑自身が言いました。
5人家族が7人家族になったのです。
それも義姉は、精神科に通っており家事が出来ない状態でした。
義姉の夫が「妻を出せ!」とやって来たり、「妻を返せ!」と電話が架かって来たりしました。
電話は夜中も架かってきます。
「もしもし。」
「妻を出せ!」
「あの……今、何時か分かっています?……夜中の2時ですよ。」
「いいから、妻に変われ!」
「お義姉さんは居ませんよ。」
「そこに居るのは分かってるんだ。早く出せ!」
「もう一度言います。お義姉さんは居ません。もう居ないんです。」
「居ないって嘘、言うな!」
「居ないんです。入院されましたから……。」
「入院? どこに?」
「精神科の病院です。」
「うちに来られたら分かりますよ。家探ししたら分かります。」
ガチャン
その電話の後は家に来ることも電話が架かってくることも無くなりました。
家事が膨大になっただけではなく、義理の姉の夫の存在が妻を苦しめていたことに夫も姑も気に掛ける様子は皆無でした。
義理の姉が入院してから、妻はやっと義理の姉の夫から解放されました。
その後、義理の姉は姑の言う通りに離婚しました。
その離婚の話し合いの最中に精神科に入院したのが離婚の大きな助けになったと姑は言いました。
そして、月日が経ち、子ども達が大きくなって、一番上の子が中学生になった頃に、離婚した義理の姉が自殺したのです。
自殺した義姉の役所などでの手続きを何故だか妻が行いました。
義理の姉の子ども達がまだ成人していなかったからですが、夫が「お前、やって! 専業主婦なのだから…。」と、言って丸投げしたからでした。
やり終えた後に……思ったのです。妻は……
⦅私が言われた通りにやったから……こうなったのかしら!?
何もしなければ…… 何もしなくても良くなる?⦆
義理の姉の自殺は、姑が精神的に変になっていくきっかけでした。